続・禁断の惑星『宇宙への冒険』(1958)

ロビー出演作品としてまずチェックしておきたいこの作品は『禁断の惑星』(1956)で映画デビューしたロビーが「俳優」として一本立ち。オープニングに名前がクレジットされているのである。『禁断の惑星』ですでにクレジットされていたけど・・・

原題は『THE INVISIBLE BOY』で主人公はあくまでも「透明少年」ティミーだが、ロビー人気から生まれた作品なのでやはり映画の見どころはロビーの活躍という事になる。
ある研究室で行方不明になった博士が2309年の未来からからロビーを現代に持ってきたというちょっと苦しい設定で、現代社会にロビーが登場する。

研究所の巨大コンピュータが自我を持ちはじめ、ティミーを天才少年にしてしまう。そのティミーがロビーを動かすのだが、動いているロビーをみた科学者たちの反応といえば、
「ほう、動いているな」
「うるさい音を出すやつだ」
と、オモチャでも見ているかのようで、全く意に介さないのには唖然としてしまう。
さらに、300年も未来のロボットであるロビーよりも現代の巨大コンピュータの方が全ての面で優れているという設定も腑に落ちない。ロビーに劣るのは足が無いという事だけ・・・

ロビーと遊んでいて母親に怒られたティミーが言った一言
「母さんに見つからないで遊ぶことはできないかなぁ・・・」
これを聞いたロビーが、願いを聞いてティミーを透明にしてしまうのです。

研究所の巨大コンピュータが、ロビーを操り人類への反逆を開始するようになる、というストーリー自体はかなりシリアスなもので、悪の手先となった怖ろしく強いロビーを見る事ができる。ホラー映画の怪物のような役を、あの愛らしいロビーが演じているのだ。

ビデオパッケージの怖ろしげなロビーの姿にはこういう理由があったのだ。

最後は少年と友達になったロビーが、巨大コンピュータの命令に逆らってティミーを助け出し、巨大コンピュータを破壊するというお約束のような結末で、作品自体は何の印象も残らない凡作だ。

とにかく人気者のロビーを映画に登場させたいだけの理由で作られたような作品だが、映画全編にわたって様々な角度からロビーの姿を堪能出来るので、ロビーファンには嬉しい作品という事は間違いないでしょう。

戻る