原子怪獣現わる(1953)
THE BEAST FROM 20,000 FATHOMS

★スタッフ★
監督:ユージーン・ルーリー
製作:ジャック・ディーツ、ハル・チェスター
原作:レイ・ブラッドベリ「霧笛」
脚本:ルー・モーハイム、フレッド・フリーバーガー、
ユージーン・ルーリー、ロバート・スミス
撮影:ジャック・ラッセル
音楽:デビッド・バトルフ
特撮:レイ・ハリーハウゼン

★キャスト★
ポール・クリスチャン(トム・ネスビット)
セシル・ケラウェイ(ユルソン教授)
ポーラ・レイモンド(ユルソン教授の助手リー)
ケネス・トビー(ジャック・エバンス大佐)
ドナルド・ウッズ(フィル・ジャクソン大尉)
リー・バン・クリーフ(狙撃手)

レイ・ハリーハウゼンの映画デビュー作で、オリジナルはレイ・ブラッドペリの『霧笛』。低予算ながらそれを感じさせない特撮は見事。これ以前のストップモーションの常識を覆した作品。興行的にも大成功を収めました。

『霧笛』のストーリーは、仲間が死に絶え最後の一匹となった恐竜が、霧笛を仲間の声と思い込み海岸に泳ぎ着く。しかし、そこにあるのは仲間と同じ声で泣き続ける灯台だけであった。しばらくの間、恐竜は霧笛を相手に声を掛け合っていたが、灯台守が霧笛の鳴る装置を切ると恐竜は灯台を破壊し、深い海の奥底へと帰って行く。そして恐竜は二度と姿を現すことはなかった・・・というもの。

幻想と抒情の詩人と言われるレイ・ブラッドペリの『霧笛』は長編映画にするには物語が短すぎたため、設定だけをそのまま生かし、怪獣が灯台を破壊するシーン以外はほとんどオリジナルストーリーになりました。

全くその通りで、映画と小説は無関係と言ってもいいでしょう。