帰国後のジェイソンとメディア

イルオルコスに帰ったジェイソンは金の羊毛皮を持って叔父であるペライアス王のもとに出向いた。まさか本当に帰ってくると思っていなかったペライアス王はなかなか王位を譲ろうとしないばかりか、またどうやって難題をふっかけようかと思案していた。

ここで悪知恵を働かせたのはまたしてもメディアであった。ペライアスの娘たちの前で、薬草を煎じた湯の中に年老いた羊を入れてみせると、たちまち若い元気な羊に変わってしまった。これを見た娘たちはメディアに薬の調合を教えてもらい、ペライアス王にも入ってみるように勧めると、老化を気にしていたペライアス王は娘たちの言う通りに湯に入るのであった。
ところが、メディアは娘たちに調合に必要な薬の全てを教えた訳ではなかった。そのため、ペライアス王は若返るどころかそのまま死んでしまったのである。

その後ジェイソンとメディアは結婚し子供も生まれたが、やがてジェイソンはコリントスの王女グラウケと親密になりメディアと別れようと言い出した。これまでのメディアの残虐さを目の当たりにしたジェイソンはメディアを恐れるようになっていたのだ。
嫉妬に怒り狂ったメディアは毒草のエキスを塗った衣装をグラウケに送り、これを身にまとったグラウケは即死。駆けつけて娘を抱いたコリントス王も毒がまわり死んでしまう。そしてイアソンを愛するメディアはジェイソンではなく彼との間にできた自分の子供をも殺してしまう。もうメディアは国にいる事ができなくなり、民衆の怒りを買ったメディアは命からがらアテネに逃れた。

メディアはその後アテネの妃に納まった
が、幸せな人生を送れたのだろうか。その後の消息はギリシャ神話ではあまり多く語られていない。

一方のジェイソンは、結局王位につくことが出来ず、毎日アルゴー号の下に座って自分の過去の回想に浸っていた。そしてある日、船首につけられたままになっていた女神の像が落ちてきてジェイソンの頭を直撃し、ジェイソンは命を落としてしまった。また、絶望のあまり自殺してしまったとも言われている。いずれにしても、アルゴノーツを率いた英雄の最後は悲惨なものであったとされているのだ。

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