放浪の旅に出たトマクが最初に出会うのが大トカゲ。
本物の動物を使用するとはハリーハウゼンらしくない。予算の都合かと思ったのだがそういう理由ではなく、ハリーハウゼン自身も納得して決定したらしい。多くのファンに批判されたのも解るような気がします。
どう見てもイグアナにしか見えない・・・(怒)
海の部族の所にたどり着いたトマクの前に現れるのが、アーケロンという巨大なウミガメ。トマクに向かって突き進んできたから大変。部族の男どもが矢で応戦して、アーケロンを海へと追い返す。
しかしこのアーケロン、トマクを襲ったのではなく、ただ単に海へ帰ろうとしていただけで、たまたま通り道にトマクが転がっていたのでは・・・?
海の部族の所で介抱されるトマク。
ここで出てくる恐竜はアロサウルス。人間よりもちょっと大きいくらいだが・・・まあ、トマクが退治して仲間と認められるには都合のいい大きさ。本当のアロサウルスは10メートルほどの大きさだが、リアルに再現すると部族が全滅してしまうと考えたハリーハウゼンがあえて小さくした、との事です。
海の部族とトラブルを起こし、自分の部族へと向かう途中に遭遇するのがトリケラトプスと肉食恐竜。
この二頭の対決シーンは出色の出来栄え。ハリーハウゼンファンの拍手が聞こえてきそうです。ラクエル・ウェルチに興味が無い人はこのシーンをお目当に映画を鑑賞するといいですぞ。
ここで登場する肉食恐竜は獰猛なセラトサウルス。小さな角が生えていて、中型恐竜には良く見られる造形。
さて、これ以降の見どころは・・・ラクエル・ウェルチと山の部族の娘の格闘シーンがありました。アマゾネスみたい・・・個人的には興味無し。
あとはプテラノドンとそれに襲われて傷づくラクエル・ウェルチ・・・。で、最後は結局火山の大爆発により、生き残った人々が新世界の最初の人類になる、と思わせるエンディング。しかし、最後の大災害のシーンでも本物のトカゲが出てくるのです。
興醒めするからやめて欲しい・・・
そういえば、最初にブロントサウルスが遠景でちょっとだけ登場していました。トマクに襲い掛かるシーンが撮影されていたのですが、製作のマイケル・カレラスが不要と判断したため日の目を見なかったという事です。草食恐竜が人を襲うのは不自然だと思ったのかもしれません。
この映画って、何だか人種差別の雰囲気が・・・。海の部落(金髪)は知性的で優しく、山の部族(黒髪)は野蛮で原始人丸出し。肌の黒いのはほとんど猿みたいな描かれ方だけど、いいのかなぁ・・・
ラクエル・ウェルチに興味が無く、恐竜目当てでこの映画を見ていた子供たちが大人になって、今度は恐竜に興味が無くなり、ラクエル・ウェルチ目当てでこの映画を見てたりして。
そうだ、きっとそうに違いない。
この映画は、「大人から子供まで楽しめる映画」ではなく、「子供が大人になっても楽しめる映画」だったのだ。