大怪獣

『大怪獣出現』(1957)に登場した巨大カタツムリの怪獣

飛行機から降下訓練中の兵士が行方不明になるという事件が発生。救助にむかったボートの乗組員も姿を消してしまう。そして無人となったボートにはベタベタの白い物体が残されていた。

よーするに、ベタベタのは怪獣の体液とかヨダレで、人が消えたのは怪獣の仕業だという事。
その後、見つけた怪獣の卵が実験場で孵化してしまい、大怪獣大暴れという典型的なB級映画で、1950年代に乱造されたモンスター映画の一つだ。
とはいっても結構面白いのです、この作品。こんなに簡単に語ってしまうのがもったいないくらい。この映画も子供の頃、何回もテレビで見た記憶があるので、視聴者にはウケが良かったのではないかと勝手に想像してます。

そして脳裏に焼き付いたのが、全然カタツムリらしくないその造形。怪物を調査した科学者がカタツムリの記録映像を見せて「非常によく似ている」とか言ってるから、一応殻が退化したカタツムリ怪獣という事で間違いないのだが、形だけ見ると芋虫のようだ。

海底を調査した隊員が卵を発見するのだが、それを遠巻きに見ている大怪獣の目が怖いのなんのって。海底の洞窟から円形の目玉がギョロって。船員の後ろの海面からニョキニョキーっと登場する場面は『水爆と深海の怪物』の大タコを思わせる。海から怪物が現れる時の典型的なパターンだが、顔がグロテスクなので迫力満点。

しかし、片目を棒でつつかれてあえなく退散してしまうなど以外と弱い怪獣でした。最後も消化器をぶちまけられただけで怯んでるし、高熱の蒸気でもがき苦しんでいるうちに数発の銃撃であえなく死亡・・・被害者も少なかったようだ。内容は『放射能X』と『水爆と深海の怪物』を足して割ったような映画でした。

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