ノーチラス号

『海底二万哩』(1954)のノーチラス号
ディズニー映画のノーチラス号です、カーク・ダグラスが主演の。この映画での登場シーンにはゾクゾクしました。そう、『ゾクゾクする』という言い方がピッタリだったのです。
機械がまるで生き物のように、という言い回しはよく使われるが、このノーチラス号こそまさに生き物に見えてしまったのです。
そして、そのデザインは秀逸の一言。

「南太平洋を通過する船が次々と沈没する事件が起こる。船乗りたちは怪物の噂に怯え、その航路を通る船はめっきり減ってしまった」というナレーションで映画は始まる。
航行する一隻の軍艦に忍び寄る潜水艦ノーチラス号。夜の水面に見えるのは艦の一部分のみで、二つの灯りは獲物を狙う生物の目のようだ。そいつが不気味な機械音を響かせながら、軍艦に向かって体当たり!ドカーンと大爆発。

という訳で、映画の冒頭いきなりの登場となるのですが、これがまさに巨大生物を思わせる不気味さで、なおかつ格好いいのだ。この時点で映画の中では「怪物」と表現されていて、その正体が潜水艦だということが判明していないのだから、いかにも巨大生物を思わせる描写になったのも当然かもしれない。
ところで、この場面のBGMは伊福部さん作曲か?と思わせる程ゴジラ的です。
バルケニア島に向かうシーンでも潜水艦の上部だけが水面に見えているのだが、やはり巨大生物っぽい。ネッシーのインチキ映像みたいだが・・・

この映画、もう作られてから50年以上も経つのですね。この当時多かった侵略物のSF映画やモンスター映画とは一線を画した作品と言えるのではないでしょうか。
それにしても海底を潜行するノーチラス号の映像は惚れ惚れするほど美しかった。

戻る