ウエストワールドのガンマン

『ウエストワールド』(1973)に登場したユル・ブリンナー演じるガンマンのロボット。

ハイ・テクノロジーを駆使して作られたロボットを相手に様々な時代を体験出来る巨大テーマパーク「デロス」。この中の西部時代を再現した世界で、突然ロボットが制御不能となり、入場者を射殺し始める。マイケル・クライトンが自作の小説を映画化し、監督も務めている。『ジュラシックパーク』(1993)のロボット版といった作品だ。

この映画でユル・ブリンナーが演じているロボットの迫力、というかオーラはすさまじく、その目玉がかなり怖い。無表情でじわじわと標的を追い詰めていく姿が不気味で、本当に機械に見えるところが凄いと思う。これはユル・ブリンナー以外の役者さんだったら失敗作になっていたかもしれない。

この殺人ロボットの理不尽さとしつこさは『ヒッチャー』(1983)などに通じるものがある。こういった理不尽さが恐怖を増幅させているのでしょう。ロボットの蛇がお客に噛みつくなどの失態があり、パーク内で小さな故障が続出し始める。次第にロボットが反乱を起こしそうな兆しを見せ始めるという演出もなかなかのもの。ロボットの修理工場の描写もリアルで、顔がパカッと外れて機械が剥きだしになるシーンは見どころの一つ。ハイ・テクノロジーの暴走を描いた作品は数多いが、この映画はやけにリアリティーがあり、近い将来現実に起こりそうな話だ。

映画を見て一番感じたことは、ユル・ブリンナーはよくこの役引き受けたなぁ、という事。『荒野の七人』(1960)のキャラそのまんまで登場していました。

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