ゴート

ロバート・ワイズ監督作品『地球が静止する日』(1951)に登場。
『 サウンド・オブ・ミュージック』(1964)があまりにも有名な映画界の巨匠だが、『地球が静止する日』以外にも『アンドロメダ…』(1971)や『スター・トレック』(1979)などのSF作品も監督しており、ジャンルを選ばない名監督と言える。

人類に核兵器の放棄を要求するために地球へとやって来た異星人クラトゥ。もし要求が受け入れられない場合、自らの力を誇示するために30分だけ球上の全エネルギーを停止させると宣言する。つまりこれが、この映画のタイトルである「地球が静止する日」というわけだ。この時代のSFには珍しく友好的な宇宙人を描いていて、わりと道徳的な作品です。

昔の『アウター・リミッツ』を見ているような錯覚に陥るような作品だが、この異星人クラトゥが連れてきたロボット(しもべ)がゴート。地球を簡単に破壊できるほどのパワーを持つロボットだが、動く姿はゴムのスーツというのがバレバレで、関節部分には明らかにシワがよっているのが確認できる。うーん・・・もっと固い素材を使うとか、これだけはもうちょっと何とかして欲しかった。

しかし、不気味に光る目とその無機質なデザインは、静止しているとかなりの迫力があり、冷酷なゴートのキャラクターを際立たせる事に成功している。
ファスナーが前にあるものと、後ろにあるものの二体を制作し、前後の撮影によって使い分けて撮影したというその着ぐるみには、役者ではなく素人の大男(チャイニーズ・シアターのドアマン)が入って演じているそうだ。

暴走したゴートを止める異星語「クラトゥ、バラダ、ニクトゥ」はあまりにも有名。その後のSF映画で引用されたり、色々なところでこれをパロディにしたものを見かけます。

しかし、このゴートで最も印象に残っているのは、やはりリンゴ・スターのアルバムのジャケットかもしれない・・・



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