ノーマ・ヴェンゲル(Norma Bengell)

イブ・メルキオール脚本のイタリア映画『バンパイアの惑星』(1965)のサニヤ役。
宇宙船の乗組員の一人なんですが、この映画のヒロインです。『バンパイアの惑星』以外では見た事ありません。元々この人は歌手らしいです。舞台など結構多方面で活躍しているようなのですが、出演した映画も少ないし、その全てが日本ではDVD未発売。美人とか可愛いというよりも「いい女」という言葉がぴったりだと思うんですけど、どうでしょうか?実際、主人公のロマンスのお相手、という役が多かったようです。『夜の遊び』(1964)という映画ではコールガールの役で出演しているそうで、これは見たい・・・しかしDVD未発売。

『バンパイアの惑星』ってほとんどの人が知らないと思うので、ちょっとだけ解説します。
人工的な信号をキャッチした宇宙船アルゴス号とギャリオット号はそれが発信されている惑星の調査に向かうが、惑星に近づくと突然制御不能となり、何者かの力により惑星に誘導されてしまう。アルゴス号では意識が戻った途端に乗組員同士が殺し合うという事件が起こり、船長の活躍で何とか窮地を脱するが、ギャリオット号でも同様の事件が起こっており、こちらは全滅。
この惑星は危険だと感じて、すぐに脱出しようとするが、目に見えない力が働いていて不可能。仕方なく、生き残った乗組員はこの惑星の探索を開始する。その後、この惑星に到着していた別のエイリアンの宇宙船を発見したり、死んだはずの乗組員が姿を現したりとか色々と事件が起こる・・・というお話で、『エイリアン』(1979)に影響を与えたと言われています。

死んだ人間が生き返るのだから、バンパイアではなくて、ゾンビでしょう?
どうして『バンパイアの惑星(PLANET OF THE VAMPIRE)』なのかわからないが、もしかしたら乗組員の制服が『魔人ドラキュラ』(1931)のベラ・ルゴシの格好に似ているからかも。でもそれじゃ自分たちがバンパイアじゃん・・・やっぱり違うか。

ちなみにTV放送時のタイトルは日本が『恐怖の怪奇惑星』で、アメリカが『THE DEMON PLANET』だそうです。

『宇宙SFとゴシック・ホラーが融合した・・・』なんて紹介されてる映画ですが、この映画を一言で表現するなら、「レトロSF」という言葉がぴったりだと思う、いい意味で。最後には大どんでん返しがあって、SFファンならこの映画は画絶対に楽しめると思います。

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