ナターリヤ・ボンダルチュク
(Natalya Bondarchuk)

ポーランドの作家スタニスワフ・レムの『ソラリスの陽のもとに』をアンドレイ・タルコフスキーが映画化した『惑星ソラリス』(1972)のハリー役。

舞台は近未来、未知の惑星ソラリスの軌道上に浮かぶ宇宙ステーションで異常事態が発生し、科学者クリスが調査のためにソラリスへと向かう。到着したステーション内は荒れ果て、先発の三人の科学者は皆、狂気の淵に立たされていた。

やがて、クリスの前に自殺して死んだはずの妻ハリーが現れる。クリスは偽物の妻をロケットで放出するが、何度でも妻は現れる。巨大な生命体であるソラリスの海が、クリスの潜在意識を読みとって実体化させていたのである。やがてクリスは偽物の妻を受け入れざるを得なくなり、彼女を愛そうとするのだが・・・。

美しい映像とラストシーンが印象的な名作です、眠くなる人の気持ちも解るけど。

個人的には同じタルコフスキーのSFでも、『ストーカー』(1979)の方が印象的で、その作品世界に引き込まれました。『惑星ソラリス』で寝てしまった人は是非『ストーカー』を見賞して下さい。また爆睡できるかもしれません。

クリスの妻ハリーの幻影を演じているナターリヤ・ボンダルチュクの美しさは男心を動かす事間違いなし。まぁ、幽霊の役だから健康的な美しさではなく、妖艶な美しさとでも言いましょうか、液体窒素を飲んで白く凍ってしまった状態から、痙攣しながら蘇生するシーンなど、官能的とも言える場面もあります。この映画はナターリヤ・ボンダルチュクなしでは成立しないと思えるほどの存在感があった。

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