フォーリング・ダウン(1993)

舞台は猛暑のロサンゼルス。ハイウェイでは工事による大渋滞が続いていた。D−フェンス(マイケル・ダグラス)という男が突然車を降り、歩き始める。彼の目的は家に帰る事だった。キレた男が様々な事件を巻き起こし、次第に過激になっていく様を描いた異色作。

これはなかなか面白い作品です。日常生活の中で、多かれ少なかれ誰もが鬱憤を感じるような出来事に対して、キレた男が異常に過激な行動を起こしてしまうという・・・積もりに積もった不満や苛立ちが彼を普通ではない行動へと走らせてしまったという事だ。「俺は家に帰るんだ!」と言うのだが、その家は別れた妻と子供が住んでいる家で、彼は法律上もはや子供に会えない立場にいるのだが・・・

彼のキレっぷりがものすごく、例えば、ハンバーガーショップで、ほんの3分だけ時間が過ぎていたため朝食メニューを食べる事が出来ずに銃を乱射。さらには、道路の工事現場で「予算消化の為の道路工事だろ。それで迷惑するのは納税者なんだよ!正直に答えろ、道路のどこが痛んでいたんだ?本当は痛んでいなかったんだな、そうか、俺がこれで痛めてやる」と文句を言い、バズーカ砲を取り出し道路を破壊・・・彼の怒りの原因があまりにも日常的な事なので理解はできるが、普通はそこまでやらないでしょう。

さて、こんな映画のどこにスノードームが出てくるのか、というと・・・この映画のもう一人の主役、D−フェンスを追う刑事(ロバート・デュバル)の妻が彼の職場に電話をしてきた時が最初の登場シーン。その刑事の妻というのが、ヒステリーを起こしているため、スノードームを振りながら歌を歌って、電話越しに妻をなだめるのです・・・何だか良く分からないシーンだが。

そういえば、映画の冒頭にD−フェンスの元妻の家が映るのですが、キッチンにスノードームが飾ってありました。遠くて、細部が確認できないのだが、こっちが最初の登場シーンです。

次の登場シーンは、キレた男が娘にお土産を買う場面。このお土産がスノーグローブなのだが、これがなかなか良く出来た品物で、ドーム部分を回すとネジが巻かれて自動的に雪が舞う仕掛けになっていた。これが3ドルとは安い。

腹が立つから殺してしまえ、みたいなノリの映画だが、実際にそういった事件もあったような・・・こんな世の中だからこそ生まれた映画なのでしょう。

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