2週間後、二人はようやく謎の物体の正体を突き止める。それは、巨大なタコの一部だった。そして二人による仮説が海軍に説明された。

マーシャル諸島で行われた水爆実験により海洋生物が汚染される。まだ調査が行われていない深海に生息していた巨大生物が放射能を浴び、それを関知した魚が逃げるようになり、餌が採れなくなる。そして、飢えた巨大タコが別の餌を探しに海溝から浮上してきたというのだ。別の餌とは、もっと高等なほ乳類などで、当然人間もそれに含まれる。

手元の本では「タコが水爆実験によって巨大化し・・・」などと紹介されているのですが、核実験で巨大化したのではなく、「元々存在していた大タコ」が核実験の影響で魚などが減少し、餌の不足で腹を空かせて人前に現れたというのが正解。この映画では放射能で巨大化したという描写はないのです。

そして軍は話を信じようともしないというお決まりの展開・・・

海外のモンスター映画には巨大なタコが出てくるものが多数あります。
『バグダッドの盗賊』(1940)では本物のタコが寺院にいる怪物として登場。ディズニーの『海底二万マイル』(1954)はイカでしたが、海底を舞台にした作品ではタコは定番の怪物であり、『地球の危機』(1961)では原子力潜水艦シービュー号がタコに襲撃されていました。チェコスロヴァキアで製作された映画の『悪魔の発明』(1957)でも海底シーンではタコが登場し、登場人物を襲うシーンがあります。『テンタクルズ』(1977)や『オクトパス』(2000)などいつの時代にも大タコ映画というものは存在します。

アメリカ人にとってタコってどういう存在なのでしょうか? アメリカ人はタコを食べない、という話を聞いた事があります。デビルフィッシュと呼ばれ、忌み嫌われているので、映画のモンスターにはうってつけという事でしょうか。我々日本人が感じるよりも欧米人にとってこれらの映像は本当に恐ろしいものなのかも知れません。

モノクロ映画なのですが、あとで色を付けたこの画像。

我々日本人にとっては美味しそうに見えてしまいます、まるでおでんの具のようです