ここからはサバイバル映画らしく、脱出用のボート作りに取りかかる。女性たちは料理や山で捕まえたヤギの乳搾り。悲壮感は無く、どこまでものどかな雰囲気がただよう。見ているこっちまで元気が出てくるようだ。

生活に不便を感じていた彼らの所に、巨大な宝箱のような漂着物が島へ流れ着く。その中には、ライフルと弾丸、コンパスと海図、時計、望遠鏡から女性用の鏡まで生活に必要な全ての物が揃っていた。
最後に『ロビンソン・クルーソー』の本が出てくるというオチがつく。
難破船の漂流物ではなく、明らかに誰かが意図的に彼らに贈り物をしたものだった。ライフルに刻まれた文字からそれらが八年前に沈没したはずのノーチラス号の物であると判明する。

平和な?日々が続いていたある日、川で釣りをしているスピレットの前に巨大な鳥(フォロラコス)が出現。驚いたスピレットは、ヤギの世話をしている女性達の所に向かって一目散に逃げる。
「逃げろー、逃げるんだー」って、お前がここまで連れてきたんだろう(苦笑)

女性達は襲われて失神。ここで、いいところを見せたのがエリーナに惚れていたハーバート。鳥の背中に飛び乗りナイフで突き刺し、仲間の手助けもあり見事鳥退治に成功。それまで、いわゆるヘタレキャラだったハーバートはこれでエリーナのハートを射止める事に成功。

この場面でも、「誰かが殺される」という危機感が全く感じられないのは何故でしょう? 

そして予想通り鳥は殺されて、夕食のメニューに。
本当にのどかだ。
しかし食事中にペンクロフトが鶏肉の中から弾丸を発見。
「誰が撃ったんだ?」
「私の銃は不発だったわ。」とメアリー。

ハリーハウゼンはフォロラコスの一連のシーンをシリアスに作りたいと考えていたので、このシーンで観客から笑いが起きたのが初めは理解できなかったらしい。どうやら、このフォロラコスという鳥を観客の多くが巨大なニワトリであると解釈したため、コミカルなシーンに見えてしまったという事です。

この事件で親密度が増したエリーナとハーバートが砂浜で寝そべっていると、洞窟から何か液体が滴り落ちているのを発見。調べてみるとそれは蜂蜜で洞窟に入ると、そこに巨大な蜂の巣を発見する。二人があっけにとられていると、巨大蜂がご帰還。二人は奥へ逃げ込むが、蜂によって巣の中に閉じ込められてしまう。


この蜂の動きは見事。本物と見間違えてもおかしくない出来映え、と言うとちょっと言い過ぎこもしれませんが、これを手作業で1コマずつ撮影しているとは凄い。昆虫のカタカタした動きがストップモーションに向いている、という事もあるのかもしれない。

蜂がいなくなったすきに、二人はたまたま落ちていた木片に火をつけて、蜜でできた壁を溶かして脱出。洞窟の奥から逃げようとして、二人はそこで隠されていたノーチラス号を発見する。ハーバートは中へ乗り込み、オルガンを引いている。なんだか頭わるそうな行動、のんきなものだ。

「やめて、もう出ましょう。」
エリーナはそんなハーバートの手を引っ張り逃げ出す。