そのころ他の五人は遠方に船を見つけて大喜び。皆が船に合図を送ろうとする中、一人冷静なハーディング大尉が望遠鏡を使って船を見察してみるとその船には海賊の旗が掲げられてした。
黒い旗に白抜きでドクロのマークがしっかりと描かれているのだが、実際にそんな事したら近寄る船は皆逃げてしまい、商売あがったりでしょう。現実の海賊船は、商船などのふりをして近づき、いきなり不意打ちしたらしいです。
海賊船に見つかってしまい、銃撃戦が始める。一同は洞窟にからライフルで応戦。絶体絶命、もはやこれまでかと思ったその時、突然海賊船が爆発して海底に沈んでしまう。
一方、巨大蜂から逃れて来たハーバートとエリーナは、海中から現れた潜水服を着た奇妙な人物と遭遇。呼ばれて駆けつけたハーディング大尉らの前でその人物がヘルメットを脱ぐ。ヘルメットの下から現れたのは、八年前から姿を消していたネモ船長だった。
巨大な貝で作られた酸素ボンベを背中にしょっている姿はなんともユニーク(間抜け)で、この場面を見た時に、「あっ、昔この映画、見たことある!」と確信したシーンでもあります。
メアリーおばさんの台詞が笑える。
「若い娘を脅すためにそんな姿を?」だって。わはははは、すごい天然ボケだ。
「とんでもない。水中で呼吸をするためだ。」とネモ船長。
・・・これはだめだ、ハーバート・ロム(ネモ船長)が大まじめに演技するほどその格好とのギャップで笑いが止まらない。
ハーディング大尉を助けて、焚き火をして、生活必需品をおくり、ライフルで巨大鳥を撃ち、海賊船を沈めて、ようやくそれらをやった張本人が登場。
何故今まで姿を現さず、ようやく皆の前に出て来たのかというと・・・
「人間と接するたびに失望を感じ、一人の方が精神と行動の自由を楽しめる。だが、君たちの生存への戦いを見て関心し・・・」などと言ってるが、要するに、火山が爆発して、この島がもうすぐ海底に沈んでしまうので脱出したいから力を貸して欲しい、という事だ。
ネモ船長の話により、巨大生物の正体は、この手の映画にありがちな、実験の失敗により巨大化してしまったという訳ではなく、食糧難を解決するためにネモ船長が研究した成果だったという事が判明する。今までは、戦争をなくすために、無警告で軍艦を沈めてきたが、これからは全人類に十分な食料を供給することで、戦争の原因である飢餓や経済競争をなくそうというのだ。
なんだかすごい理屈だが、共産主義者で無政府主義なのか、この人。
食べ物が豊富にあるからといって、人類が戦争を起こさなくなるかは疑問。多分無理でしょう。土地や宗教なども戦争の原因だし、人間の欲は底なしで名誉欲や性欲がある以上、争いごとが絶えることはおそらく無いと思われます。
ところで、これらの巨大生物は何を食べているのだろうか?餌代も馬鹿にならない気もするが・・・巨大生物に人間の分の食料まで全部食われたら洒落にならない。映画のパート2を作って、結局人間が巨大生物の餌になりました、なんて話にしたらどうでしょう。