帰りの航路
この軍隊の指揮者はメディアの弟であるコルキスの王子アプシュルトスであった。
あまりの大軍にさすがのアルゴー船の乗組員たちも弱気になったが、なんとメディアは弟をだましておびき寄せて謀殺してしまう。姉からの手紙を信じた弟は、まず姉を救い出し、それからアルゴー船を攻撃して金の羊毛皮を取り返すという作戦であった。しかし、姉が知らせた場所に待っていたのは自分の死であった。殺された弟の死体はバラバラにされて海へ投げ込まれた。これを見た国王アイエテスは息子の死骸を集めるために船を止め、そのすきをついて、なんとかアルゴー船は危機を脱出し海へ逃れることに成功する。
帰りの航路でも様々な難関が待ち受けているのだが、映画で取り上げられているのは青銅人タロスの部分。クレタ島の番人であるタロスは近づく船に石を投げてくる。タロスは不死身なのだが、首から踵にいたるただ一つの血脈があり、その踵には青銅の釘がはめてあった。不死にしてやるという約束で近づいたメディアが釘を抜いた、あるいは、もともと踵の部分だけが柔らかくなっといて、メディアが薬によって幻覚を見せたために掻きむしって破れてしまったなど、その退治方法には色々な説があるのだが、いずれにしてもメディアの手によって殺されたという事になっている。
長い航海を終え、アルゴー船は無事に故郷イルオルコスにたどり着いた。