カボールとキャスリンは地下都市を案内され、酸素を発生させる装置や太陽光を利用しながらゆっくりと回転するセレナイトの動力源などを見物する。
この酸素発生装置がレインボーカラーで迫力満点。美しいだけでなく、不思議と説得力がある。幻想的な風景が続くこれらの場面はこの映画の見せ場の一つでしょう。
そしてカボールは翻訳装置によって、念願であったセレナイトとの対話に成功するのだが、ここで登場する翻訳機は『空飛ぶ円盤地球を襲撃す』(1956)の宇宙人の薔薇の花のような形をした翻訳機と同じようなデザイン。
カボールとの会話中にも関わらず、彼らは日食によって太陽光が遮られることにより、全く動かなくなってしまう。ここで離ればなれになっていたベッドフォードが合流する。カボールはベッドフォードに「君は帰った方がいい」と言い、自分はセレナイトのボス(王様か?)の元へ。
階段を上りながらゴホゴホ咳き込んでいる博士。どうやら風邪を引いたようだが、これは結末に向けての伏線になっています。結末を知ってから見るとちょっとわざとらしい。
それにしても月人の科学は翻訳機を開発している程進歩しているのに、地球の事を全く知らずに質問しているのはどういう事なのか? 地底で文明が発達し、全く外の世界を知らないという設定か・・・それじゃあ何のための翻訳機だか分からない。今まで翻訳機で誰と会話していたのだろうか?
地球の文明について説明するカボールであったが、セレナイトは地球人の襲撃を恐れ、カボライトの秘密と共にカボールに月へ残るように進言する。
この会話を聞いていたベッドフォードは、
「これは対話ではなく裁判だ。カボール、君は有罪判決を下されたんだ」
と銃を持って乱入。カボールを連れ戻そうとするが、セレナイトと戦闘状態になってしまう。何とか宇宙船に戻り逃げようとするが、カボールは月に残る決心をする。
「私は残る。知りたい事が多い、いつか説明する。」
カボールを残し、二人は月を脱出する。ロケットでもないのに、ドカーンと煙を立てて発射する宇宙船。月面基地をぶち破って地球へまっしぐら・・・
ここまでの話がベッドフォード老人の回想シーン。