最初に現れたのは翼竜。ロペをさらって上空へ、と思ったのもつかの間。重さに堪えられなかったのか、何もされていないのにあえなく墜落。哀れロペはその下敷きに。駆けつけたカルロスがプロレスのような技で首を捻って何とか退治することに成功。
翼竜がもがき苦しんで羽をバタバタさせている間、ずっーとその羽でロペが打ち付けられて、羽の下で足をバタバタさせているのには笑ってしまった。

次に登場したのが小型の草食恐竜。「捕まえろー」と追いかけていったその先に現れたのが、ティラノザウルス型の恐竜グワンジ。いきなり画面の死角から現れ、逃げる草食恐竜を捕まえてパクリと食べてしまうというのは、最強キャラが登場する時の定番。
ライフルで撃っても全く効果なく一行は逃げ出すのだが、この光景に興奮してしまった教授だけが「俺はここに残りたい」とかだだこねているうちに逃げ遅れて、皆とはぐれてしまう。何とか逃げ延びた一行は洞窟を見つけて避難し、恐竜に備えて洞窟の前に巨大な落とし穴を作る。その後、ロペの話からエオヒップスを盗んだのは教授とジプシーであることが判明する。

誤解が解けたタックはT・Jと仲直りし、二人はいいムードに。
タックはここでT・Jにプロポーズをする。
「ワイオミングの牧場を二人で大きく育てよう」で、ぶちゅぅーとキス、をしたまさにその時、落とし穴に何かが落ちる。
「何か罠にかかったぞー」
と駆けつけてみると、そこには落とし穴の底でもがく教授の姿があった。

これもありがちな定番ギャグ、こういうのって全然笑えないけど・・・


一夜明けて、水を汲みに行ったタックはまたしてもグワンジと遭遇。ここでのグワンジが前足で顔をポリポリってひっかく動作は恐竜映画の定番になっており、ウィリス・オブライエンの「ロスト・ワールド」(1925)ですでに描かれています。

ここでサーカス団がグワンジを捕らえるのに選んだ方法が、なんと投げ縄。持ってきライフルがショーで使うための空砲が入っていて役に立たなかったのだ。馬でグワンジを取り囲み、足や首めがけて投げ縄攻撃。しかし、こんな攻撃では足を引っかけて転ばせるのが精一杯。案の定グワンジの逆襲にあい、グワンジが草食恐竜(スティラコサウルス)と闘っている間に一行は禁断の谷の出口に向かって逃げ出す羽目になってしまう。

肉食恐竜の相手といえば『恐竜100万年』でも登場したステゴサウルスが定番だが、マンネリになると考えたハリーハウゼンは、あえて地味なスティラコサウルスを登場させた。

それにしてもこの投げ縄のシーン、良くできているなぁ・・・何だか不思議な光景だが、見ていて惚れ惚れする出来映え。ハリーハウゼン自身がかつて無いほどエキサイティングなシーンになったと語っているほど。この場面はジープに高いポールを取り付けて、そこにカウボーイの投げ縄を結んで撮影している。右側と左側を別々に撮影して画面を合成する時にジープを消してグワンジに差し替えたとの事。はぁー、なるほど。実際にカウボーイ達が相手にしているのは自動車だったのか、と感心。4分ほどのシーンだが、完成には5ヶ月かかったそうです。

さて、サーカス団を追いかけて禁断の谷の出口まで追いかけてきたグワンジだったが、出口が狭いためにこれ以上追い続けられない。強引に首を突っ込んで穴から出ようとしたところ、崖が崩れてしまいあえなく自爆。これは・・・?

落石で下敷きになる場面のグワンジは完全なお人形さん・・・人形が岩と一緒にコロンと倒れてしまう姿が悲しい。この部分もストップモーションで撮影して欲しかった。

捕らえたグワンジを檻つきの台車に乗せて運ぶ一行。クワイ川マーチが似合いそうなシーンだ。遠景のグワンジは実物大のハリボテだ。

もうグワンジは目覚めて立ち上がっているのだが、いつ台車を用意してどうやって乗せたのかは不明。細い木で作られた檻が危なっかしい。
ここで一行の前に現れたのがジプシーの老婆と手下のチビ助。
「それを逃がさないと、お前らは死ぬ。掟を守らないものには呪いがかかるぞー」・・・しかし、忠告は完全無視されて、グワンジはサーカスの見せ物に。