翌朝、ハロウンとマリアンナ、そして国王を加えた一行は航海に出発。そして、クーラの船がその後を追う。それにしても、ヘソ出しで、胸の谷間を強調したマリアンナの衣装は違和感ありすぎ。男ばかりの船にこんな格好でいいのか・・・

その夜、クーラは航海図を奪おうと、船の船首像を魔術によって動かすのだが、最初に木の像が動くのを発見したのがお調子者のハロウン。木でできた像がミシミシと音を立てて船首から剥がれるシーンはかなり不気味に仕上がっている。海図を奪うことに成功したクーラだが、体力の消耗が激しく、見た目にも老化が進んでしまう。魔術を使うたびに、自らの命を縮めてしまうという設定が時代を感じさせます。

この船首像のモデルになったのは『フランケンシュタインの花嫁』(1935)のエルザ・ランチェスター。彼女の風貌をみたハリーハウゼンがこの髪型からインスピレーションを得たという事ですが・・・よく似ている(笑)

航海を続けた一行は、謎を解く鍵であるレムリアに到着する。
その一方で、クーラは魔術の力によりホムルンクスを再生させていた。
このシーンは『地球へ二千万マイル』でのイーマ誕生を思わせる場面で、ホムルンクスの「演技」が素晴らしい。相変わらずハリーハウゼンの技は冴えてるなぁ、と感心してしまう場面です。

レムリア大陸とは、かつてインド洋または太平洋上に存在したという大陸で、人類発祥の地とされていた伝説の島。アトランティス大陸と同様にまともな学問の分野では完全に否定されているのですが、こういった名前を聞くと何故かワクワクしてしまいます。そして到着した島の海岸にそびえ立つ崖と、そこに彫刻されたインド風の建築物や巨大な人面などの醸し出すエキゾチックな雰囲気が素晴らしい。次に何が現れるのかという期待感を煽るのには十分。


シンドバッド一行は預言者に会うために洞窟の地下へと入って行くのだが、ここで井戸から登場する全知全能の預言者にはロバート・ショウが扮しています。「ジョーズ」(1975)でサメ退治のプロ、クイントを演じた人ですね。言われても全然わからないほど変わり果てた姿・・・。俳優としてクレジットされていないのはどういう理由なのでしょうか。カメオ出演という扱いかな?

しかし、予言者の言ってることは抽象的すぎてさっぱり分からない・・・風貌は邪悪の権化のようだ。

何とか三つ目の黄金の銘板の在処と奇跡の泉の話を聞き出し、シンドバッドたちは北を目指すのだが、当然この話はホムルンクスを通してクーラの耳にも入っていた。どっちが先か競争というわけだ。先手を取ったのはクーラで、地下への入り口を爆破してシンドバッドたちを閉じこめてしまう。ターバンと帯でロープを作り脱出に成功した一行が先に奇跡の泉へと向かうクーラをすぐに追いかけるという展開。

ここまでに登場するクリーチャーは比較的小粒で地味系ですが、なかなかいい味を出していると思います。そして、ここから先はモンスターファンお待ちかねの大型クリチャー続々登場という嬉しい展開。