ハリーハウゼンといえばダイナメーションですが、この映画(MGM製作)ではダイナメーションという言葉は一度も使用されていません。それ以前の作品を製作した映画会社(コロンビア)にその名称の権利があるという事でしょうか? まぁ、ダイナメーション自体、ハリーハウゼンが宣伝用に使用した造語であり、ストップモーションと実写の合成の総称のような物なので、あまり深く考える必要は無いのですが・・・

タイタンの事をどこかの地名だと思っていて、「タイタンという場所での戦い」を映画化したのだと思っていた人もいるのではないでしょうか。地名ではありません、念のため。ギリシャ神話を題材にした映画なので、言うまでもなく、このタイトルはティタン族からとったものと考えていいでしょう。

最初に、ティタン族が登場するギリシャ神話の天地創造の物語を簡単に紹介してみたいと思います。

世界が創造される以前、ただ霧のようなものがあった。重い物は下へさがり、軽い物は上へとのぼっていった。やがてカオスは二つに分かれ始め、下へさがったものからは大地の女神ガイアが生まれ、大地からは天空神ウラノスが生また。大地のさらに下にはタルタロス(地獄)と呼ばれる一旦閉じこめられたらちょっとやそっとのことでは出られない大きな穴ができた。ガイアとウラノスが交わって、最初に生まれてきたのが、ティタン族(英語ではタイタン)です。

三人の一つ眼巨人(キュクロプス)達と、3人の百本の腕を持つ巨人(ヘカトンケイル)達を産み、その後6人の男性神と、同じく6人の女性神を生む。
このティタン族が、ゼウスが神々の王となるまで世界を支配していたとされる古い巨人族の神々である。天空神ウラノスと大地神ガイアの子供たちを指しているのですが、その子孫の一部も含まれています。

天空神ウラノスに代わって世界を治めることになったのが、末っ子のクロノス。しかしそのクロノスはガイアによって「自分の子供に世界の支配権を奪われる」と予言され、それが現実になるのをのを恐れ、生まれてくる子供達を次々と飲み込んでしまう。
難を逃れた末っ子のゼウスは兄たちを助け出し(飲み込まれても生きていた)オリンポスの山に立てこもって、父親に対して戦いを挑んだ。十年に及ぶ戦いに勝利したのはゼウス達で、クロノスはタルタロス(地獄)に幽閉されることになる。こうしてゼウスを中心としたオリンポスの神々の時代がやってきました。

本当に簡単に書いてしまいましたが、とても面白い話なので、ギリシャ神話関係の書籍を読む事をお薦めします。しかし、ティタン族の話はこの映画とは全く関係ないようです。