というわけで、ペルセウスは勇士を集めてクラーケン退治の方法を見つける旅に出発することになったのだが、ペガサスに乗ってひとっ飛び、というわけにはいかず今回の冒険は、劇作家のアモン、王女アンドロメダを加えて、普通の馬に乗って目的地を目指すことになる。頼みのペガサスは一足先にカリボスによって捕らえられてしまったのである。
ペガサスを失ったペルセウスに、ゼウスが与えた贈り物がブーボという機械仕掛けのフクロウ。知恵の女神アテナに彼女の使者を務めるフクロウを与えるよう命じたが、それを拒否したアテナが金属の神に機械のブーボを作ってもらいそれをペルセウスに与えたのだ。ハリーハウゼン版の「R2D2」といえるキャラで、「プ、ポポポ、ポピー」という声まで似ている。
このキャラクターは賛否両論ではないでしょうか。受け入れられる人には大活躍する可愛いキャラだが、こういうのが苦手な人にとっては、シリアスな場面を台無しにしてしまう鬱陶しいキャラと感じるかもしれません。とにかくこのブーボが大活躍で、ペルセウスの過保護ぶりがいっそう強調される展開となってしまうのです。
そんな事よりも、颯爽と馬に乗るジュディ・バウカーも可愛いなぁ・・・
ペルセウス一行が、まず最初に訪れたのが、クラーケンを倒す方法を知っているといわれる三人の老婆の住処。ギリシャ神話でもおなじみの、三人で一つの目を共有しているというあの老婆たちだ。ブーボを利用して老婆たちから目を奪い、脅してクラーケンを倒す方法を聞き出した後は、その目を放り投げて返すという英雄にあるまじき行為をするペルセウス。どっちが悪党だかわからん・・・
なんだか、ひどい態度だなぁ、映画全体を通してこういうでかい態度の演技をさせた事も、この俳優さんが人気が出なかった原因ではないのか。相手がいくら人食いの悪党とはいえ、これでは英雄ペルセウスとしての魅力を感じないでしょう。
老婆たちが教えたクラーケンを倒す方法とは、まずメドゥサを倒し、その首を利用してクラーケンを石に変えてしまうというもの。ここからの旅はいくら何でもお姫様には危険すぎる、という事で、アンドロメダが眠っている間に彼女を置いて男達だけでメドゥサの住む宮殿へと出発する。残念ながらアンドロメダの出番はここまでで、後はエンディングに鎖につながれた姿で登場するのみ。しかし、ここから先はまさにハリーハウゼンの特撮ワールド全開。