ダンフォースの初仕事は、『ガンビー君の冒険』で有名なアート・クローキー・プロダクションでのストップモーション・アニメ。キャラクターデザインやアニメーションで活躍していたダンフォースは知人の紹介でジョージ・パルの『タイム・マシン』(1959)を制作中のプロジェクト・アンリミテッドに参加します。この作品ではストップモーションの腕を振るう機会は無かったのですが、これ以降、『豪勇ゴライアス』(1960)、『S.F.第7惑星の謎』(1961)、『ジャックと悪魔の国』(1962)、『不思議な世界の物語』(1962)、『ラオ博士の7つの顔』(1964)などの作品で数多くのストップモーションを手がけることになります。

これ以降はダンフォースの手がけた代表作を紹介してみたいと思います。

『S.F.第7惑星の謎』(1961)
「想像力には限界がない。空想から現実を作り出す能力は人類の宝であり、それを使って時間と空間を征服した。この物語は宇宙旅行が可能となった時代の物語である」というナレーションで始まる、イブ・メルキオール監督の宇宙SF映画。

謎の放射線の調査に向かった五人の調査隊が天王星(太陽系第7惑星)に着陸してみると、そこは地球にそっくりな惑星(そのまんま地球でロケ)で、やがて親しげにふるまう美女も現れる。それらは、潜在意識や願望を実体化できる能力をもった怪物が作り出した幻影でああった。その生物を退治しなければ地球に帰還できないことを悟った隊員たちの決死の戦いが始まる・・・

『惑星ソラリス』と同じようなネタの作品ですが、巨大グモ、一つ目のモンスターなどが登場するあたりは、やはりモンスターファン向けの映画。低予算ながら、そのアイデアでなかなか楽しめる映画です。一つ目のモンスターのストップモーションをダンフォースが担当しているのですが、出番は少なく隊員を威嚇する程度のものだったのが残念。