ジョージ・パルが次に製作したのが、天体衝突パニック映画『地球最後の日』(1951)。
南アフリカの天文台が、巨大惑星ベラスが地球への衝突軌道にあることを発見する。ヘンドロン博士の調査により、ベラスの衛生であるザイラは地球と非常に似た環境の星であることが判明する。そして、地球との衝突を免れるザイラへの移住を計画し、各分野の専門家を集めて、宇宙船アーク号の建造に取りかかる。
地球崩壊までに1台しか建造できないアーク号に乗れる人員は限られているので、抽選によって選ばれる事になった。抽選にもれた人々が労働意欲を無くし、反乱を起こすのを恐れたため、抽選の結果は宇宙船が発射する当日まで秘密にされたまま作業が進められる事になる。

巨大惑星の影響で起こる地震や津波などの天変地異やアーク号を製造する過程の描写が見どころ。人間ドラマ的な要素がストーリーの中心となっていますが、最後にアーク号がジェットコースターのような発射台のレールを走り飛び立つ場面は素晴らしい出来映え。選ばれなかった人々はアーク号が発射する直前にやはりパニックになり「俺たちも乗せろー」と船を乗っ取ろうとするのだが無情にも置き去り・・・かなりシビアな映画です。そして選ばれた「ノアの箱船」に乗って人々は新天地へ。

アーク号のデザインは日系の美術監督アル・ノザキ。後の『宇宙戦争』(1953)では火星人のウォーマシーンをデザインしました。

アーク号が無事ザイラに着陸し船から人々が船から下りると、そこには夢のような新天地が広がっているのだが、これは・・・最後の最後でやってしまったか・・・SF映画史上、最大の脱力シーン。
この新天地はチェスリー・ボネステルという人が描いたマット画との合成なのですが・・・いやーこれは、見た人には解ると思いますが、衝撃的です。銭湯の壁絵とでも言えばいいのか・・・それまでがハードで良かっただけにこれは残念。