ちなみに、H・G・ウェルズ原作の火星人は、脳と手だけが異常に発達して消化器官が退化した結果タコのような姿になってしまい、地球の引力の下では満足に動き回る事も出来ない生物として描かれています。
H・G・ウェルズは文筆家としては駆け出しだったころ「ペル・メル・ガゼット」という雑誌に
「The Man of the Year Million」と題された科学エッセイを発表し、未来における人類の姿を想像して描いているそうです。
脳が高度に発達し、手以外の器官が極端に退化した人類は、頭が異常に大きいタコのような姿になると考えたらしい。
つまり、「オリジナルの宇宙戦争の火星人」のデザインは「ウェルズの考えた未来の地球人」と同じ、という事になります。
この場面以外に火星人と接触する場面は一度もなく、最後まで声すら聞かせない。
そしてひたすら地球を破壊する侵略者。彼らは移動しながら、動くもの全てを破壊するのだ。人類の最終兵器である原爆攻撃も傷一つ与えることはできなかった。
ここで人類側の核爆撃機として登場するのが「フライング・ウイング」という兵器。ステルスを連想させる翼のみの戦闘機で「全翼機」と呼ばれています。現実にこんな飛行機が存在するという事をこの映画で初めて知った時にはかなり驚きました。映画で使用されているのは、全翼機の資料映像であり、本来は映画とは無関係のものですが、違和感なく本編の映像に挿入されています。
B-49。無尾翼の全翼機、B-35をジェット化した機体高速。性能に優れていたが安定性にかけ、テスト飛行で1号機が墜落しています。このとき殉職したテストパイロット、エドワーズ大尉を記念して、ミューロック乾湖はその後エドワーズ空軍基地と呼ばれることになったそうです。さまざまな機体のテスト飛行が行われる航空機開発の拠点として有名な場所。
それにしても、映画の中とはいえアメリカってずいぶん安易に核兵器を使用する。そして、必ず核兵器では敵を倒すことが出来ない・・・敵の強さを示す手法として、最も効果的な方法だからでしょうか?
ところで映画の中で核爆発の爆風を受けて大勢が吹っ飛ばされるシーンがあるのですが、現実的にあのような事が起こったとして大丈夫なのでしょうか。