この映画は、最終的に80万年後の未来へと到着するのですが、途中ジョージは二回タイムマシンを降りることになります。最初は1917年、辺りが急に暗くなったため、タイムマシンを止めて外へ出る場面。

すでに彼の家は廃墟のようで、家の窓には木の板が張りめぐらされており、辺りが暗くなったのはそのせいだったのだ。そこでジョージはデービッドの息子に出会い、ジョージの家の管理を引き継いだデービッドが、「家主は必ず戻る」と言い張って誰にもその家を売ろうとしなかった事と、そのデービッドはすでに戦争で死んでしまった事を知る。
デービッドの息子を本人と勘違いして話しかけるシーンにはさすがにつっこみたくなるが、悲しげなジョージを見ていると切なくなる。

次は1966年、奇妙な音を聞きタイムマシンを止める。
聞こえていた音は空襲警報で、その時代には第三次世界大戦が起こっていたのだ。そこで年を取ったデービッドの息子に再会するのですが、あまりにもタイミングが良すぎてこれには苦笑。

戦争ばかりの未来に絶望したジョージはさらに未来に進もうと、タイムマシンに乗り込む。しばらくすると、外に見事な建築物が建ち始めたので、止めて様子を見ようと、タイムマシンのレバーを引いたところ、急激に引きすぎたためか、タイムマシンはコントロールを失い、ジョージはマシンからはじき飛ばされてしまう。停止したタイムマシンのメーターは、80万年後の未来に到達したこ事を示していた。

ここからは地上人イーロイと、地下に棲む食人種族モーロックという二種類の人種の住む世界が描かれる。最初にジョージが出会ったのはイーロイ族で、ジョージはその無気力ぶりにあきれてすぐに自分の世界へ帰ろうとするのだが、タイムマシンのある場所に戻ってみると、何者かによってタイムマシンが引きずられて移動された跡があり、その跡は近くの建物(スフィンクス)へと続いていた。その入り口が開かないため、仕方なくイーロイのの住む町に戻ったジョージはイーロイ族のウィーナ(イヴェット・ミミュー)の話から「話すリング」の存在を聞く。

記録装置である「話すリング」により、核戦争により文明世界は滅び、生き残った人間は巨大な洞窟に潜り地下で生きる事を選んだ者と日の当たる地上を選んだ者とに分かれた事を知る。運命のいたずらで、モーロックが支配者となり、イーロイは彼らの奴隷となった。モーロックはイーロイを家畜として飼い、大人になると連れ去り食料にしてしまうのだ。

川で溺れているところを救われたイーロイ族のウィーナ(イヴェット・ミミュー)が、ジョージの影響で次第に人間の感情を取り戻していく描写が微笑ましい。

しかし、この「話すリング」って・・・(苦笑)