黒い蠍
2011/12/5(月)
カテゴリ:SF・ファンタジー
black.jpg[原寸]
えー、今更ですが今回は『黒い蠍』(1957)
esmeさんのコメントがきっかけで久しぶりに『キング・コング』(1933)を鑑賞し、勢いで『コングの復讐 』(1933)も鑑賞。さらにはピーター・ジャクソン版キング・コング(2005)も見て、ついでに『黒い蠍』も見てしまったという・・・
ついでとは言っても、この作品結構好きです。私はテレビ放送を見逃していたので、この作品をちゃんと見たのはわりと最近の事なのです。あまり多くは無い「社会人になってから見た古典SF映画」の一つというわけで・・・
; ̄ロ ̄)!!
私の言う「最近」とは、ここ10年位、いや15年位前でも最近のような気が・・・
で、「だいぶ前」というと20年位、でしょうか。
25〜30年以上も前の出来事が「昔は・・・」という感覚。
どーでもいい事ですけど、年取ったって事ですかね・・・?
ところで
ウィリス・H・オブライエンの『キング・コング』はやはり面白いですねぇ。これほどの作品でも批判する人っているのですね。私にはさっぱり理解できませんけど。
1933年の作品を「古臭い」って・・・
そんなの見る前から分かりきった事だし、そんな事で評価をしていたら70年代くらいまでは全部古臭いじゃないですか?
うーん、その時代ならではの映像も含めて楽しんでいる私にはやはり理解できない感覚ですね・・・
ところで
ピーター・ジャクソン版も結構好きです。『コングの復讐 』は・・・
まぁ、気が向いたらそのうち書くかも(・。・)y─┛~~
話を戻して『黒い蠍』ですが
この映画の舞台はメキシコの田舎町。火山の噴火によって蘇った古代の巨大蠍が都会に現れ大暴れ。軍隊との攻防を繰り広げる、といった非常にシンプルなストーリーの作品です。
以下は完全に個人的な好み丸出しの感想ですが
この映画は「おぉーすげぇぇ」って感じる所と「オイオイ、それは無いだろう・・・」って感じる部分のギャップが大きかった印象があります。テンションが上がったり下がったりと忙しい映画でした。
凄いところは
巨大蠍が本当に、あまりにも巨大だった事とストップモーションの動きがかなり出来が良かった事。最初に見た時には結構驚かされました。
人間などひょいと一つまみ。さらには電車や戦車を投げ飛ばし、手を伸ばしてヘリコプターまで捕まえてしまうという凄まじい暴れっぷり。
そして、ハサミの間でもがき苦しむ人間やヘリコプターのプロペラの回転までストップモーションで描かれているという緻密な職人技。
black2.jpg[原寸]
地底での蜘蛛や尺取虫?の動き、蠍との対決シーンも素晴らしかったです。
このシーンは『キング・コング』でカットされた場面を蘇らせようと、当時のモデルを使用して撮影し直したのだとか。
この「地底探検」のシーンの持つ独特の悪夢的な感覚はSFファンのツボに入ること請け合い。
ハリーハウゼンの『巨大生物の島』(1961)を見た時にも感じたのですが、昆虫類や節足動物の動きってやっぱりストップモーションに向いてますね。同時期の傑作『放射能X』 (1954) と比べても、モンスターの迫力に関しては比べ物にならない程素晴らしい出来栄えです。
これらの仕事のほとんどが、助手のピート・ピータースンの手によるものだそうです。この作品の蠍では分かりませんけど、ピータースンのアニメは水中で動いているような滑らかさが特徴です。DVDの特典映像は必見!
black3.jpg[原寸]
で、良くなかったところは
あまりにも出来の悪い合成。蠍の体が透けて見えるしおかしな位置で途切れるし・・・
ガキが不自然にストーリーに絡んでくるところ。何も出来ないくせに「手助けがしたかったんだよぅ」とかイラつくんですけど。大まかなプロット自体は悪くないと思うのですが、突っ込みどころ多すぎです、この作品。
ヒロインが好みでないところ…( ̄  ̄;)
どことなく肝っ玉母さんっぽい雰囲気の人がチト苦手。老けて見えるだけですかね?
あと『黒い絨氈」のエリノア・パーカーとかも肝っ玉母さんに見えて仕方なかったです。
同じ特撮カットの使い回しが多すぎ。
まぁ、これは個人的には何度も見ることが出来て、逆に嬉しかったという・・・でも、別角度で撮影したり、トリミングを変えただけで違うシーンに見せようとしているのがバレバレでちょっと切なかったです。
もっとも不愉快だったのが、蠍の顔のどアップ挿入があまりにも多いところ。
しかも躍動感が皆無でストップモーション用の蠍と顔が違いすぎ(怒)
black4.jpg[原寸]
かなりの間抜け顔・・・
下手な演出の典型、いや、もしかしたら編集段階でそうなってしまったのもしれませんが、コマ撮りのシーンになると2〜3秒後には決まってこの顔が挿入されるのでウンザリしましたよ・・・
蠍の暴れっぷりで燃えて、顔のアップで萎えて、特にクライマックスはその繰り返し。
こうして書いてみると、見どころはストップモーションによる特撮だけのような気もしますけど・・・
まぁ、実際そうかもしれません…( ̄  ̄;)
でも、人間ドラマを中心に描いたモンスター映画も多い中、コマ撮りでこれだけ見せてくれる作品はちょっと珍しいです。
暴れっぷりは怪獣っぽかったですけど、単に巨大生物として描かれているとことは、やはりアメリカ映画だなぁ、といった感想でありました。
black5.jpg[原寸]
◆コメント(14件)
[パラディオン]
naさんの8つの条件を満たす映画が思いつかなかったので色々なAIに聞いてみたら、共通して出てきた答えが当ブログでも書いた『人類危機一髪!巨大怪鳥の爪』(The Giant Claw, 1957, アメリカ)でした。あと『空の大怪獣 ラドン』(1956年)も結構条件を満たしているっぽいです。09/05 20:38
[パラディオン]
昨日コメントしたはずなのに消えている?09/05 20:30
[na]
自分も同意見です。怪獣映画やモンスター映画にラブロマンスはいらないと思っています。
ちなみに自分の理想の怪獣映画及びモンスター映画はこんな感じです。
(1)内容は人類と怪獣(モンスター)の攻防に話を絞った単純明快で勧善懲悪なストーリー。
・テーマ性やメッセージ性が一切ないエンターテイメント性や娯楽性重視。
(2)メインの登場人物は軍人や科学者で女性や子供、民間人は全員犠牲者や逃げ惑う群衆などのモブで話の本筋には一切絡んでこない。
(3)ヒロインが存在せず恋愛要素もない。
(4)恋愛要素に限らず人類と怪獣(モンスター)の攻防という本筋に関係ない要素は一切なし。
(5)恋愛ドラマなど怪獣を堪能するのに邪魔なドラマが一切なくドラマ部分は怪獣を堪能するのに必要な人間ドラマ(たとえば怪獣を調査・研究したり怪獣に対抗する作戦を立てたりするシーンなど)に絞られている。
(6)怪獣(モンスター)には人間のエゴの被害者という設定などの悲劇性は一切ない。
(7)怪獣(モンスター)の出現原因は核実験など人間のせいではなく地震などの自然現象によって目覚めたり隕石に乗って怪獣(モンスター)の方から地球にやってきたりなどの理由で人間は一切関与しておらず人間は一切悪いことをしていない。
(8)怪獣(モンスター)は人間を捕食対象にしているなど和解不可能な絶対に倒さなければいけない人類に敵対する存在。
黒い蠍は(1)、(6)、(7)、(8)に該当します。
他にも怪獣ウランや海獣ビヒモスは(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(8)が該当します。
上の8つの条件を全て満たした作品こそ最高の怪獣映画(モンスター映画)だと思います。09/03 18:31
[パラディオン]
怪獣映画にテーマ性やメッセージ性は求めていない、完全に同意です。自分はロマンス的な要素も求めていませんけど、やっぱり必須なのですかね。09/01 20:19
[na]
それから巨大蠍が人間を襲う理由が捕食対象だからというのも良いですね。
少なくとも人間側が怪獣(モンスター)を刺激するような問題行動を起こしておらず怪獣(モンスター)の方から襲ってくる場合は人間が捕食対象だからというのが怪獣(モンスター)が人間を襲う理由としては一番納得できると思います。09/01 19:41
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