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渚にて


私のブログで取り上げるSF作品といえば、モンスターや宇宙人が登場し、流線型の宇宙船で他の惑星に行って、効果音はピコピコピコ・・・

今回は、そういった冒険心をくすぐられるような特撮とは全く無縁の『渚にて』(1959)

もしかしたら、これがSF作品であるという事を知らない人もいるかも知れません。DVDやビデオのパッケージを見て完全にスルーしてたりとか。

出演者の名前の見ると、グレゴリー・ペック、フレッド・アステア、アンソニー・パーキンスなどSFとは無縁な人ばかりだし、原題は“ON THE BEACH”って、サーフィン映画と間違えそうなタイトル。

しかしこの作品は、核戦争後の世界を描いた作品で、破滅テーマSFの古典的傑作です。ちなみに、『エンド・オブ・ザ・ワールド』(2000)はこれのリメイク。

破滅テーマのSFとはいっても、

核戦争のシーンや都市破壊、暴動やパニックなどのシーンは皆無。この映画では、それらの出来事は過ぎ去った過去という扱いのようです。そんな理由からか、SF関連の本や雑誌でもほとんど取り上げられる事がありません。

舞台となっているのはオーストラリア。北半球は全滅し、生き残った人々が暮らすオーストラリアにも放射能が迫りつつあり、人類の滅亡は時間の問題という設定。

地味で静かな映画、誰もがそう感じるでしょう。

冒頭の幸せそうな夫婦の描写。二人の間には生まれたばかりの健康な赤ちゃんがいて、普通のドラマっぽい作り。人々は普通に通勤し、酒を飲み、バカンスを楽しんでいます。しかし、彼らは残されたわずかな時間を過ごしている、数少ない生き残った人類なのです。

今まさに滅びようとしている人たちが、何事も無いかのように普通の生活を送っているという描写が悲しくもあり、恐ろしい。特に冒頭の幸せいっぱいに見える夫婦の描写は残酷ですよね、妻の「この子は艦長になるわ」というセリフが切ない・・・

人類滅亡の日まであと半年。人類の最後をこれほどまでに静かに、淡々と描いた映画は他にありません。

悲劇的な運命を静かに受け入れる人々。「確実に迫る死」という絶望感の中で、彼らは最後にどのような思い出を作ろうとするのか・・・


で、見どころは、

映画全編(未来が無いからこそ、全てのシーンに意味があるのでしょう)

アメリカから発信された謎のモールス信号を調査しに行く潜水艦(唯一のサスペンス的な要素かも。衝撃の事実が判明)

潜水艦が立ち寄ったサンフランシスコの描写(これは怖かった)

オーストラリアの民謡「ワルツィング・マチルダ」が映画に見事にマッチしております(感動)

故郷に残る者やカーレースに興じる人々・・・

そして、やがて迎える最後の日(;_;)

本気でお勧めの映画の場合、ネタばれのような事はなるべく書かない事にしてるのですけど・・・

とにかく恐い、悲しい、そして美しい映画であるとも言えます。

ヴァンピレラ(バンピレラ)のスノーグローブ


今回は久しぶりの玩具。ホームページで完全に更新が止まっているスノードームです。

写真はヴァンピレラのスノーグローブで、全体の高さが30センチ近くもあり、スノードーム・コレクターの私が所有するものでも最大級の大きさ。

ヴァンピレラというのは・・・

良く知りません(^^;)

知ってる事と言えば、

古いアメリカン・コミックスの異星から来た女吸血鬼であるという事と、ヴァンピレラというのが「ヴァンパイア」とフランス・コミックの「バーバレラ」の合成語で、名付け親があのフォレスト・J・アッカーマンという事くらい。

私のヴァンピレラのイメージはこれ


真ん中でポーズを決めているのが、フランク・フラゼッタという人のイラスト。SFファンならば、どこかで目にした事があるかもしれません。ヴァンピレラの具体的な姿を絵にして、イメージを決定付けたのがこの人。

その後は、数十年に渡って数多くのイラストレーターなどがヴァンピレラを描いています。何十人か、アマチュアも含めたら数百人でしょう。目のつり上がった派手なメイクをして水着を着せたらなんでもヴァンピレラになってしまうような・・・

息の長いキャラクターです、ヴァンピレラって。

ヴァンピレラが生まれたのはドラキュロン星。この星の海や川を満たしているのは、人間の血液にそっくりな成分の液体。ふとした事から地球にやってきたヴァンピレラがドラキュロン星人として栄養をとるためには、人間を襲ってその血液を吸い取る吸血鬼にならなくてはいけなかった・・・と、まぁこんな設定らしいのですが、このセクシーな吸血鬼がアメリカでは大人気らしいのです。

昔のSF雑誌では良くヴァンピレラを見かけたものですが、その風貌から日本人には受けないだろうなぁ、と思っていましたがやはりと言うか・・・

1996年には、製作総指揮がロジャー・コーマンで映画化もされていますが評価は最低。これはアメリカでも受けなかったようです。

しかし、アメリカン・コミックスのキャラクターはいつブームになるか分かりません。ある日突然、再映画化されて大ヒットなんて事があるかも?


巨大アメーバの惑星


1959年製作の『巨大アメーバの惑星』の原題は“The Angry Red Planet” 直訳では『怒れる赤い星』となります。

このポスターやビデオのジャケットをみてワクワクしないSFファンはいないでしょう。昔は、繰り返しテレビで放送されていたものです。

製作はシドニー・ピンク、監督はこのブログでも何回か取り上げた事のあるイブ・メルキオール。

アメリカ・ネバダ州の宇宙基地に、連絡が途絶えていた火星探査ロケットが突然帰還するところから映画は始まります。
そして、火星探検のシーンは、唯一五体満足で帰還した女性隊員の回想シーンとして描かれています。

この作品が作られた50年代は、低予算のB級映画が大量に生産されていた時代。わずか十日間で撮影されたというこの映画も一目見て低予算と分かるチープな作り。火星の風景や都市などのまるで立体感の無い絵には唖然としてしまいます。

しかし・・・これは、古典SFの名作と言ってもいいかも知れません。

火星のシーンだけが真っ赤に変化するという手法はなかなか幻想的で恐怖感を煽るのにはかなり効果的だったと思います。夢を見ているような不思議な感覚にとらわれるのが心地よい。その画面の見づらさが幸いしてチープさやセットのアラもあまり気になりません。

これ、シネマジックという手法で結構複雑な工程で製作されているらしいのですが、私にはモノクロ・フィルムにオレンジ色のフィルターをかけただけにしか見えませんけど・・・

多数登場するモンスターたちはかなり個性的。


三つ目の火星人、巨大な肉食植物、目玉がクルクルと回転しながら襲ってくる巨大なアメーバ、そしてモンスター・ファンならば誰もが知っているあのコウモリグモ。

英語では“Bat Rat Spider”

正しくは「コウモリ・ネズミ・クモ」ですね。言われてみればネズミも入っているような・・・

このモンスターが操演で動く姿のインパクトといったら・・・よだれを垂れ流しながら奇怪な声を上げるという、そのあまりにも強烈な印象は今でも脳裏に焼きついております。このコウモリグモの造型だけでも、SF映画史に名を残す事ができるのではないでしょうか。

ところで、チュパキャブラスという未知の生物を知っているでしょうか?
体長は1メートルほどで、赤色の体毛、真っ赤な大きな目、後ろ足で立って歩き、背中には棘とコウモリのような羽が生えているというのがその特徴。

これ、ホームページでも書いた話なのですが、チュパキャブラスとして公表された写真の中に、コウモリグモの顔のどアップの写真があったとか・・・たしかに特徴は似ていますがあまりにもお粗末な話ですね。

話を映画に戻して、

このモンスターを糸で操っているのはボブ・ベイカーという人で、元々はジョージ・パルのパペトゥーンのスタッフで、独立後に自分の会社を設立。このコウモリグモや『未知との遭遇』のエイリアンなどを自ら製作、操作していたそうです。

個人的には大好きな映画なので褒めてばかりですが、やはり50年代に作られた低予算映画。アラや突っ込みどころも満載です。

例えば、

女性隊員がほとんど動かない肉食植物の触手に巻かれるシーンなどはもう、何と言ったらいいのか・・・エド・ウッド監督の『怪物の花嫁』(1955)でタコのヌイグルミと格闘するベラ・ルゴシを思い出してしまいました。

かなりトホホなシーンも多いのですが、何度見てもワクワクしてしまうところがこの映画の魅力の一つ。コウモリグモのシーンだけでも見る価値ありです。


この映画を一言で表現するならば、「悪夢」。ゴキブリよりもクモが嫌いな私にとっては悪夢そのもの。こいつのフィギュアだけは絶対に部屋には飾れません・・・

ヒュドラ アルゴ探検隊の大冒険


モンスター図鑑の第十一弾は、ギリシャ神話のアルゴー船の冒険を映画化した『アルゴ探検隊の大冒険』(1963)に登場し、黄金の羊毛皮を守っていたヒュドラ。
しかし、ギリシャ神話の中で黄金の羊毛皮の番をしている怪物は、単に「竜」と書かれている事が多く、ヒュドラとは別物です。

神話でのヒュドラはアルゴー船の冒険ではなく、ヘラクレスの冒険物語の第二の難業に登場します。

九つの頭を持ち、真ん中の頭は不死。ヘラクレスがそれらの頭を次々と叩き落していくと、そのたびに落とされたところから新しい頭が二つずつ生えてくるという水蛇の怪物。ヘラクレスは、従者の手を借りてヒュドラの頭を焼き払い、不死の頭だけは大きな岩の下に埋めて退治しました。

ハリーハウゼンはこの怪物をジェイソンの適役として登場させたのですが、映画でこのシーンを再現するのは困難だった為、頭は七つに変更されました。

このモンスターのデザインは古代の壷に描かれた絵を参考にしたとか。

下の写真はヘラクレスとヒュドラを描いた壷ですが、ひょっとしてこれかも。


ヒュドラのアニメートの作業も、ハリーハウゼンが最も苦労したものの一つと言われています。

モデルは全長約90センチ! ハリーハウゼンが使用したモデルとしてはおそらくこれが最大。七つのクネクネと動く頭、二股に分かれた尻尾、さらには口やマブタまで動かすことができるモデルを人間の動きに合わせる作業は想像もつかないほど複雑なものだったと思います。

この作品が作られたのは、まだビデオもなかった時代。作業後のチェックが出来ない為、一日の作業が終わると次の日にどこを動かすのかを示すメモを、ヒュドラの七つの頭それぞれに付けていたそうです。

しかし・・・

出来上がった映像はちょっと動きが単調で、苦労の割にはそれほど効果があったとは思えないのは私だけでしょうか? なんか印象が薄いんですけど。

ヒュドラの歯から生まれた七体の骸骨剣士がこの映画のクライマックスで、ヒュドラ自体は骸骨剣士が登場するための伏線、骸骨剣士の前座のような扱いでした。
予算と時間の都合を考えれば仕方なかったのかもしれませんが、心臓を剣で一突きされ、あまりにも簡単に殺されてしまったのはちょっと不自然な印象を受けました。

最後に定番のフィギュア


我が家唯一のヒュドラはお馴染みのエクスプラス製。小さいながらも結構よく出来ています。

ミクロの決死圏


1966年製作の『ミクロの決死圏』

物体を細菌大にまで縮小する技術が発明されたが、現時点での持続時間はわずか一時間。それを無限に持続させる方法を発明したチェコの博士が、アメリカに亡命する途上スパイに襲われた。脳内出血で昏睡状態にある彼の命を救うには、外からの手術では危険が多すぎた。そこで考え出された方法は、医師らを潜航艇ごとミクロ化し博士の体内に注入。博士の脳内出血部に到達させ、レーザー光線で治療するというものであった・・・

一時間という時間制限の中、潜航艇プロテウス号が患部を目指して人体内部を冒険するという奇抜なストーリーの作品です。

1970年代から80年代にはよくテレビで放映されていました。監督は『海底二万哩』(1954)のリチャード・フライシャー。

ところで、邦題の『ミクロの決死圏』というのは傑作ですね。
「決死圏」という単語、辞書にも載っていないのですけど・・・造語ですかね、これ?

この映画の最初の見どころは、時間をかけてじっくりと見せるプロテウス号と乗組員のミクロ化の過程でしょう。

人間がミクロ化するという荒唐無稽な設定でありながら、科学的な考証もしっかりとしているというなんとも不思議な映画ですが、実際に体内に入ってからは、次々と予期せぬトラブルに見舞われる事になります。

つまり、乗組員の中に敵国のスパイがいる、という設定ですね。一時間というタイム・リミットと、誰がスパイなのか、という二重のサスペンス。良く出来きた脚本だなぁ、という印象。

そして、この映画の最大の見どころは何と言っても人体内部の神秘的な映像でしょう。


人体ってこんなに明るくて綺麗なのか? 血液薄すぎないか? などという疑問は置いといて、ですね・・・科学的考証などと口にするのは野暮というもの。

原題は“Fantastic Voyage” 

科学的な考証よりも、明らかに見せる事を重視した血管内の特撮は、現在見ても息を飲むほど美しく幻想的です。

よく、サルヴァドール・ダリが美術を担当したと紹介される事があり、私も長い事そう思っていましたが、これは明らかに間違いで、映画と同名の“Fantastic Voyage”というリトグラフ作品と混同され、映画の解説などで間違って紹介されてしまったとの事。

そういえば、ジェームズ・キャメロン製作、ローランド・エメリッヒ監督でリメイクの企画が進行中という話があったのですが、その後どうなったのでしょうか? 血液や液体をリアルに描いたらと思うとゾッとしますけど。

あとは・・・

紅一点、脳外科医の助手役のラクエル・ウェルチも作品に花を添えています。


ラクエル・ウェルチといえば、『恐竜100万年』(1966)が有名。この作品では結構知的な女性に見えますが、やはりお色気担当なのは明らかで、ぴっちりとしたウェットスーツ姿の彼女にまとわりついた抗体を、三人の男達が必死に抗体をむしり取るシーンがそれを象徴しております。

妙にエロチックで、しっかりと乳を触ってる奴もいるし・・・

最後は、誰もが疑問に思ったエンディング。

手術は成功したものの、制限時間ぎりぎりになって、プロテウス号を破棄しなければならない状況に陥ってしまいます。
人間だけは涙腺を伝って無事外へ脱出できたのですが、体内に残されたプロテウス号はどうなったのか? 一時間を超えると膨張が始まり、当然患者を殺してしまう事になります。

これは、アイザック・アシモフの小説を読めば解決されます。

ちなみにこの本は、映画の脚本を元にアイザック・アシモフが小説化した物で、原作ではありません。大きすぎる空気の分子、などの疑問も解消。映画を見た後に読んでも十分に面白いのでお勧めです。

しかし、小説を読んでも解消されない疑問が・・・

プロテウス号は、動脈注射で体内に入り、心臓、毛細血管、リンパ管、耳などを通って患部に到着するのですが・・・何故、そんな遠回りを? 患部の近くに注射すればいいのに、って子供の頃から不思議に思っていました。

これって何か理由があるのでしょうか?

もしかして、患部の近くに注射したら見せ場が全く無く、映画として成り立たないとか、そんな理由だったりして・・・

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