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ペガサス タイタンの戦い


リメイク版『タイタンの戦い』絶賛上映中!

というわけで

今回は、ハリーハウゼンのモンスター図鑑の第十四弾として、ペガサスについてでも書いてみようかなぁ、と。

上の写真は18世紀にイタリアの画家ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロによって描かれたもの。映画でもペルセウスがペガサスに乗り飛行するシーンがありますが、神話ではペルセウスではなくベレロフォンです。

ペガサスとはギリシャ神話に出てくる翼を持つ天馬ですが、海神ポセイドンと妖女メドゥーサの子供であるという事を知っている人は少ないかも知れません。

ポセイドンがどうやってメドゥーサと交わったのか、という事の詳細はギリシャ神話には記されていないようです。よほど好き物の神様だったのか、あるいは石に変えられないように目隠しでもしたのか・・・

別の説によれば、まだメドゥーサが美女だった頃にアテナの神殿でポセイドンと交わったために、女神アテナの怒りを買い醜い姿に変えられた、という事です。

まぁ、とにかくポセイドンの子を身ごもったメドゥーサがペルセウスに首を切り落とされ、その血が大地にしみこみそこから生まれた、あるいは首の切り口から生まれた、とされているのがペガサスというわけです。


神話によると

生まれるとすぐに天に昇りゼウスの馬となり、雷霆を運ぶ役割をするようになった

ヘリコン山が高くなりすぎて天まで届きそうになった時、蹄で山を打ち付けて低くした

英雄ベレロフォンと共に怪物キマイラを倒した

などの伝説があり、その美しい姿とは裏腹に、怪物の血筋を引くれっきとしたモンスターであると言えます。

ハリーハウゼン作品では、ペルセウスの愛馬として登場。ギリシャ神話好きの私としてはちょっと複雑な心境ですが、神話の通りにペルセウスが飛行靴で空を飛んだのではやっぱり絵になりませんから、これは仕方が無いでしょう。

このペガサスをアニメートしたのはハリーハウゼンではなく、ジム・ダンフォース。時間的に余裕のなかったハリーハウゼンが最も信頼するダンフォースに仕事を依頼したとの事。


ストップモーションで動かされたペガサスを最初に見た時、翼を羽ばたかせながら競走馬のように天を駆け抜けるという、そのあまりにも優雅な動きに感動したのを覚えています。

実際の映画では、ほとんどアップになる事は無かったのですが、モデルの写真を良く見てみると


結構大きくて作り物とは思えないほどリアルな質感ですが、これは山羊の胎児の皮で全体を覆って、羽は白い鳩のものを使っているそうです。

何だか剥製みたいで、ちょっと気色わるいほどです・・・

天上の星座となり、不死のシンボルともなったペガサス。その美しい姿は多くの作品で映像化されましたが、ハリーハウゼン作品ほど優雅な飛行シーンは見た事がありません。

リメイク版『タイタンの戦い』ではもちろんCGで描かれているのでしょうが、テレビのCMを見る限りでは、ストップモーションとはスピード感が違うといった印象で結構期待できそうです。

しかし、私の住む街にはイオン・シネマがあるにも関わらず、なぜか2D上映のみ・・・何で? どうしても3Dで鑑賞したい私としては、連休を待って遠くの映画館に行くしかありません。あぁ、早く観たい。

クラーケン タイタンの戦い


以前に私のブログで「タイタンの戦いがリメイク決定」というニュースに触れましたが、いよいよその公開時期が迫ってきました。

というわけで、今回はハリーハウゼンのモンスター図鑑第十三弾として、クラーケンでも。

多くの映画で巨大なタコやイカの姿で描かれているクラーケンは、北欧の船乗りたちの間で語り継がれてきた怪物で、ギリシャ神話とは無関係。

ウィキペディアに結構詳しく載っていました→クラーケン(Wikipedia)

ちょっと補足

クラーケンに関しては様々な伝説が残されています。

18世紀中頃の伝説では、クラーケンはその巨大さゆえに、誰もその全体像を見ることができなかったとされています。
海上に出ているのは体のほんの一部で、それが島のように見えるので、船乗りたち怪物とは気付かずに上陸する事もあったとか。
すると、触角のようなものが何本も伸びてきて、それに捕まれば人間だろうが巨大な船だろうが、なすすべなく海底に引きずり込まれてしまったそうです。

このあたりの伝説が、18世紀の後半から19世紀にかけてクラーケンが巨大なタコやイカの姿で描かれるようになった理由だと思われます。

19世紀初頭のイメージがこれ


クラーケンは恐ろしい怪物であると同時に豊漁をもたらす神獣とも言われていました。
よーするに、クラーケンが餌として魚をおびき寄せるから、クラーケンいる所に魚あり、大漁大漁というわけです。クラーケンの上で釣りをする猟師もいたとか。しかし人間がその餌になっていまった場合は魔獣扱い。勝手なものですな・・・

下の画像はハリーハウゼンがスケッチしたクラーケンです


イーマ竜のような顔に五本の指がついた手、魚のような尻尾。吸盤のようなものにかろうじてタコの面影があります。
良く言えば独創的なのでしょうが、醜悪なモンスターを勝手にクラーケンと呼んでいるだけのような気も・・・

ただ、ハリーハウゼンは北欧神話の海獣とは別物、というのをほのめかすような事を時々インタビューで語っているのですが、全く無関係という事は無いでしょう。

『キングコング』での生贄のシーンに影響され、少しでも「人間」をイメージさせようとした結果、このようなデザインになったのだとか。
確かに、生贄となったアンドロメダの前でタコの触手が暴れていても、イマイチ絵にならないような気がします。

それに、タコは『水爆と深海の怪物』(1955)でとっくの昔に登場してますから。

ちなみに、このクラーケンのモデルは1.2メートルもあり、ハリーハウゼンが扱った全てのアニメーション用モデルの中でも最大の物だったそうです。アニメートするのも大変だったようで、もう年なのに・・・

えーと、リメイク版『タイタンの戦い』ですが、先日映画館でもらったチラシを見る限りでは、クラーケンはもちろん、メドゥーサ、ペガサスなどのキャラクターも登場するようです。そして冥界の王ハデスが主人公ペルセウスの敵役だとか。

となると

ギリシャ神話の「ペルセウスの物語」からはますますかけ離れた内容となるわけですが、いったいどんな作品になることやら・・・ただ、3Dで見れるのは非常に楽しみではあります。ド迫力の映像に期待。

ギリシャ神話のオリジナル「ペルセウスの物語」がどんな話なのか、私のホームページの方に書いてありますので、興味のある方はどーぞ。

ペルセウスの冒険(ギリシャ神話)

ホムンクルス(Homunculus) シンドバッド黄金の航海


今回はハリーハウゼンのモンスター図鑑第十二弾としてホムンクルス。

なんとも地味なキャラクターですが・・・

映画の中では魔術師クーラの手先として登場。クーラの目と耳につながっており、スパイの役割を果たしていました。

一匹目が殺された後、クーラは新たにホムンクルスを創造します。


生命を吹き込まれたホムンクルスがゆっくりと頭を上げ、辺りを見回す。最初はクーラを怖がっていたが、やがてクーラを主人と認識し、腕に飛び乗る。
イーマの誕生シーンと良く似た演技を見せるこの場面は、ハリーハウゼン自身もお気に入りのシーンだとか。

ホムンクルスの誕生は、中世ヨーロッパの錬金術の時代までさかのぼります。

ホムンクルスとは錬金術師によって作られた人工生命体で、土から作られたゴーレム、ギリシャ神話の青銅人タロス、フランケンシュタインなどと一緒に語られる事が多く、人造人間やロボットの誕生、歴史などを扱った本などでよく取り上げられています。

鉄や銅を金に変えるのが不可能だとすれば、全ての錬金術師と呼ばれた人々は詐欺師だった事になりますけど・・・

ホムンクルスの生成に関しては、様々な伝説がありますが、一般的に知られているのは、錬金術師のパラケルススという人が書いた本でしょう。
彼の著書「ものの本性について」の中に、男性の精子からホムンクルスという人工生命体を作る方法が書かれています。

その方法とは、

蒸留器に人間の精液を入れて40日密閉する。腐敗が始まると、透明で人間の形に似ているものが現れ、生命活動が始まる。馬の胎内と同等の温度で保温し、40週間に渡って人間の血液を与え続けると、小人のような人間が出来上がる。

今の試験管ベビーですね、当時としては凄い発想。

実際、錬金術師と呼ばれる人々の仲には、化学的な知識が豊富で、医学の技術も確かな人物も多かったとか。中世ヨーロッパではトップクラスの知識人だった、というのは事実だそうです。

自分はホムンクルスの生成に成功したと語るパラケルススは、イタリアの大学の医学部を卒業し、その後スイスのバーゼル大学医学部教授に就任した程の人物。

頭が良くないと、イカサマ師という商売は出来ないか・・・

もう一つ

ホムンクルスはマンドレイクの根を原料にして作られた、という説もあります。

マンドレイクとは、地面から引き抜くと悲鳴を上げて、それを聞いた人間を死に至らしめるという伝説がある植物で、いびつで奇妙な形をしている根の中には、本当に人間に似ているものもあるそうです。 


この画像も、人間に見えなくもないです。

古くから薬草として用いられていたマンドレイクは、魔術や錬金術の原料とされる植物で、錬金術師の血液をたらすとホムンクルスが誕生し、命令に従うようになると言われています。

映画のシーンはこっちの伝説をそのまま映像化したものですね。

化学的知識によって生み出されたホムンクルスは、もはや想像上の生物とは言えないのかも知れません。近い将来には伝説ではなくなっている可能性が大!

遺伝子操作で本当に人工生命体が作られた場合、それってやっぱりホムンクルスって呼ばれるのでしょうか・・・

猿人ジョー・ヤング


今回は1949年の『猿人ジョー・ヤング』

この作品はレイ・ハリーハウゼンの実質的なデビュー作で、チーフ・アニメーターとしてストップモーションのほとんど(約85%)を担当したそうです。セカンド・アニメーターはピート・ピータースン。

ストーリーは、ジョーと少女の友情物語、というありがちなものですが、個人的には「類人猿もの」の映画では最高傑作の一つだと思っております。前回べた褒めした『キング・コング』よりもこっちの方が気に入ってるくらいで、比較してみても劣っているのは全体的なスケール感の違いくらいのものでしょう。

監督のアーネスト・B・シュードサック、製作のメリアン・C・クーパー、特撮のウィリス・H・オブライエン、そして造型を担当したマーセル・デルガドは『キング・コング』(1933)とまったく同じメンバー。

『キング・コング』の大ヒットから約15年。「コングもの」の映画をもう一度作ろうという企画から生まれたこの作品は、その年のアカデミー特撮効果受賞を受賞しました。

二匹目のドジョウを捕らえようとして成功した珍しい例、と言いたいところですが、作品の評価は高かったものの、250万ドルという制作費を回収する事ができず、結局映画としては失敗作という事に・・・

この作品の見どころですが

まずは何と言っても、ストップモーションで動かされたジョーの表情豊かな顔や緻密な動き。十分な制作費と二年間という長い撮影期間のためか、ストップモーション自体がかなり長い時間楽しめるのがファンとってはかなり嬉しい。


ナイト・クラブのショーに出演した時のコミカルな仕草や困惑したような顔、檻での生活に疲れた時に見せる悲しげな表情、お酒に酔っ払うシーンや怒りが爆発した時のキレた演技など、どれをとっても最高の出来栄え。

これはマーセル・デルガドの造型とハリーハウゼンのテクニックの賜物でしょう。

モデルを掴むたびに指の跡が残ってしまう、というのはキング・コングと同じ。

ジョーが動くたびに体毛がチラチラと動くのですが、アップのシーンが多いためかキング・コング以上にはっきりと確認できます。

これって、特撮としては欠点という事になるのでしょうが、いかにも「手作り」というのがダイレクトに伝わるので、見ている方としては結構面白い。

最大の見せ場は、ジャングルを模したナイト・クラブで、ジャングル出身のジョーが大暴れするシーンでしょう。ターザンのようにロープで宙を舞い、ライオンと大立ち回りを演じ、大木をなぎ倒す姿はド迫力。『キング・コング』の重量感に対してこっちは躍動感で勝負、といったところ。合成もかなり良く出来ています。

火事で崩れ落ちる屋敷から少女を救い出すスペクタクルは最高。感動のクライマックスは涙を誘うこと間違いなしです。

故郷に帰り平和に暮らすとジルとグレッグ、そしてジョーの姿が映っている八ミリ(今のビデオレターですね)がオハラの元に送られてきて、それを見た皆が大喜びしたところで映画が終わる、というハッピーエンドがとても心に残る映画です。

さらに

ハリウッドのショーでコングと綱引き対決をする10人の力自慢の中に、実際にボクシングのヘビー級王者だったプリモ・カルネラが出演しているのも、当時の観客にとっては大きな見せ場だったに違いありません。他の9人は誰だか良く分かりませんが、もしかしたら有名なプロレスラーとか?


あとは音楽も印象的でした。

フォスターの名曲「夢路より(Beautiful dreamer)」が挿入歌として使用されています。

Beautiful dreamer, wake unto me
Starlight and dewdrops are waiting for thee
Sounds of the rude world heard in the day
Lull'd by the moonlight have all pass'd a way
Beautiful dreamer, queen of my song
List while I woo thee with soft melody
Gone are the cares of life's busy throng
Beautiful dreamer, awake unto me
Beautiful dreamer awake unto me

オルゴールの「Beautiful dreamer」を子守唄に育ったジョーはこの歌が大好き。口笛でジョーをなだめるシーンからハリウッドのショーの場面、エンディングまで効果的に使用されていました。

そういえばこの曲、学校の教科書にも載っていて、それが原因で嫌いになった人もいるのでは?

さらに半世紀が過ぎ・・・

1998年にはCG技術を駆使して『マイティ・ジョー』としてリメイクされました。

レイ・ハリーハウゼンや前作のヒロイン、ジルを演じたテリー・ムーアがカメオ出演していて、パーティ会場での二人のやりとりには思わずニヤリ。

「彼女、誰かに似ているけど・・・思い出せないわ」

「君だよ、私たちが初めて会った時の」

いいセリフですねぇ・・・

『猿人ジョー・ヤング』に対するリスペクトが随所に感じられる作品で、最初に見た時はそのCG技術に感心してしまいました。

テリー・ムーア、おばあちゃんになっても可愛い。


ヒュドラ アルゴ探検隊の大冒険


モンスター図鑑の第十一弾は、ギリシャ神話のアルゴー船の冒険を映画化した『アルゴ探検隊の大冒険』(1963)に登場し、黄金の羊毛皮を守っていたヒュドラ。
しかし、ギリシャ神話の中で黄金の羊毛皮の番をしている怪物は、単に「竜」と書かれている事が多く、ヒュドラとは別物です。

神話でのヒュドラはアルゴー船の冒険ではなく、ヘラクレスの冒険物語の第二の難業に登場します。

九つの頭を持ち、真ん中の頭は不死。ヘラクレスがそれらの頭を次々と叩き落していくと、そのたびに落とされたところから新しい頭が二つずつ生えてくるという水蛇の怪物。ヘラクレスは、従者の手を借りてヒュドラの頭を焼き払い、不死の頭だけは大きな岩の下に埋めて退治しました。

ハリーハウゼンはこの怪物をジェイソンの適役として登場させたのですが、映画でこのシーンを再現するのは困難だった為、頭は七つに変更されました。

このモンスターのデザインは古代の壷に描かれた絵を参考にしたとか。

下の写真はヘラクレスとヒュドラを描いた壷ですが、ひょっとしてこれかも。


ヒュドラのアニメートの作業も、ハリーハウゼンが最も苦労したものの一つと言われています。

モデルは全長約90センチ! ハリーハウゼンが使用したモデルとしてはおそらくこれが最大。七つのクネクネと動く頭、二股に分かれた尻尾、さらには口やマブタまで動かすことができるモデルを人間の動きに合わせる作業は想像もつかないほど複雑なものだったと思います。

この作品が作られたのは、まだビデオもなかった時代。作業後のチェックが出来ない為、一日の作業が終わると次の日にどこを動かすのかを示すメモを、ヒュドラの七つの頭それぞれに付けていたそうです。

しかし・・・

出来上がった映像はちょっと動きが単調で、苦労の割にはそれほど効果があったとは思えないのは私だけでしょうか? なんか印象が薄いんですけど。

ヒュドラの歯から生まれた七体の骸骨剣士がこの映画のクライマックスで、ヒュドラ自体は骸骨剣士が登場するための伏線、骸骨剣士の前座のような扱いでした。
予算と時間の都合を考えれば仕方なかったのかもしれませんが、心臓を剣で一突きされ、あまりにも簡単に殺されてしまったのはちょっと不自然な印象を受けました。

最後に定番のフィギュア


我が家唯一のヒュドラはお馴染みのエクスプラス製。小さいながらも結構よく出来ています。

タイタンの戦いがリメイク決定


ハリーハウゼン最後の作品『タイタンの戦い』(1981)

これは何度もテレビで放送されていたから見た人も多いでしょう。ハリーハウゼンが『アルゴ探検隊の大冒険』(1963)と同じくらい気に入っているという作品です。

リーアム・ニーソンとレイフ・ファインズの共演で『タイタンの戦い』がリメイクされるそうで、2009年6月の現時点ではもう撮影に入っているようです。

これまでにも『シンドバッド・シリーズ』や『アルゴ探検隊の冒険物語』などが映像化されていますが、言うまでも無くこれらは『アラビアン・ナイト』や『ギリシャ神話』であり、同じ題材を扱ったというだけでハリーハウゼン作品のリメイクではありません。

今回の作品は原題が“CLASH OF THE TITANS”

というわけで、れっきとしたハリーハウゼン作品のリメイク作品のようです。

という事は、神話のペルセウスとメドゥサの物語ですね・・・どんな作品になるのでしょうか? 最近のギリシャ神話を題材にした作品を見れば大体想像は付きますが、あのメドゥサが最新のCGで描かれるのかと思うとワクワクします。

『タイタンの戦い』には、ハリーハウゼンのオリジナル・キャラクターも多数登場していました。

リメイクという事は、重要な役割を演じていたハリーハウゼンのオリジナル・キャラクターも引き継がれるのでしょうか?


例えば、カリボス。
これは、シェイクスピアの『テンペスト』に登場する怪物キャリバンにヒントを得て考えだされたキャラで、勇者ペルセウスの敵役として登場しました。

神話には登場するが、ペルセウスとは関係のない天馬ペガサス。『タイタンの戦い』では重要な役割でしたが、これは登場するのか?

そして、クラーケンは北欧の神話のように巨大なタコやイカのような姿で描かれるのか?

あとは、なんといってもフクロウのブーボー。ギリシャ神話にはちょっとだけ登場するが、キャラ的なものはほとんどハリーハウゼンのオリジナル。

恐ろしい神話なので、ユーモアが必要だと考えたハリーハウゼンが登場させたのですが、何度も『スターウォーズ』R2D2の真似ではないかと言われて、ハリーハウゼンはかなり怒っていたようです。

コメディリリーフとして、映画には欠かせない存在だったブーボー。でも、今時の映画にはこんなの出ないだろうなぁ・・・

ギリシャ神話に忠実なのか、オリジナルに忠実なのか、どちらにしても今から非常に楽しみです。公開は来年(2010年)の3月だとか。

スペース・スフィア 『H・G・ウェルズのSF月世界探険』


スペース・スフィアというのは、1964年の『H・G・ウェルズのSF月世界探険』に登場した球形の宇宙船です。

今回は映画の話ではなくて、球形宇宙船の話。

重力を遮るための可動性のブラインドが付いた窓と、四方八方についた突起物は着陸時の衝撃吸収用。多少のアレンジが加えられているものの、基本的にはH・G・ウェルズの原作に近いデザインになっています。

現在こんなデザインを考える人はいないでしょうが、昔は良く見かけたものです。画像は見つかりませんでしたが、SFパルプ雑誌『AMAZING STORIES』などの表紙でも見た記憶があります。

特に印象的なのはコレ。


1940年の漫画、大城のぼるさんの『火星探検』ですが、宇宙船の見た目がスペース・スフィアにそっくり。

私は漫画を読まないので内容は知りませんが、日本のSFマンガの原点とも言える作品で、手塚治虫さんなどにも影響を与えたとされています。

スペース・スフィアは、実物大の物、発射シーンに使われた60センチのミニチュア、着陸シーンに使われた20センチのミニチュアの三体が製作されました。

月面着陸のシーンは印象的でした。月面に突っ込んでゴロンゴロンと転がり、月面の突起物にぶつかって止まるという壮絶なもの。

これはハリーハウゼン自身が月面のジオラマにミニチュアを放り投げて高速度撮影したもので、数時間投げ続けて一番良いと思えるシーンを採用したのだとか。


1901年にH・G・ウェルズが考え出した球形の宇宙船。現在の感覚からするとありえないような形状ですが、ブラインドで重力を遮って、進行方向をコントロールするというアイデアそのものは秀逸ですね。重力を遮る物質さえあれば、実現可能と思われ・・・しかし、これが一番の問題。

最後はチェスピース・コレクションから『月世界探険』シリーズ。


気持ちわりぃ、小さくてよかった・・・

ケンタウロス シンドバッド黄金の航海


ハリーハウゼンのモンスター図鑑第十弾はケンタウロス。

言うまでも無く、ケンタウロスとはギリシャ神話に出てくる怪物ですが、書くと長くなるので省略。

詳しく知りたい方はウィキペディアでもどーぞ → ケンタウロスの詳細

特筆すべきは、生まれが違うとされるケイローンとポロスの二人のケンタウロス。ケンタウロス族は半人半馬の怪物ですが、この二人だけは、神話の中でも賢者として描かれています。特にケイローンは不死身なうえに医術、狩猟、武術、預言術などの達人で、上のリンクでは書かれていませんが、あのアルゴー船を率いたイアソンの師匠でもありました。ケイローンの天に昇った姿が射手座であるとも言われています。

本来はギリシャ神話である『アルゴ探検隊の大冒険』(1963)に登場するはずのモンスターですが、実際ハリーハウゼンは『アルゴ探検隊の大冒険』の準備中にサイクロプスとケンタウロスを組み合わせたデザインを考えついたそうです。

結局『シンドバッド黄金の航海』(1973)でお披露目となったわけですが、最初の登場シーンで、洞窟の奥から響いてくるひづめの音が異常に怖かったのを覚えています。

しかし、その髪型が原因で、一つ目のデザインにも関わらず、当時の人にはこれがデビッド・ボウイに見えたとか・・・


クライマックスのグリフォンとの格闘シーンは必見。これのアニメート作業は大変だったようです。二体合わせて手足が八本、それぞれの目、口、尻尾、さらにはグリフォンの羽は常にバタバタと羽ばたいているという。しかも、二体とも毛で覆われているため、指の跡が目立たないようにしなければならないわけで・・・考えてみてば、これほど複雑なアニメート作業って他になかったかもしれません。DVDで確認してみましょう!

下はアニメート中に常にオペラのテノールを意識していたという、ケンタウロスの断末魔のシーンです。言われてみればそう見えますね。


ハリーハウゼンがデザインしたケンタウロスの恐ろしさは神話のイメージ以上だと思います。玩具、フィギュアが大好きな私ですが、これのフィギュアはもっておりません。なんだか気持ち悪くて食指が動かなかったのがその理由。良い造型の物もありますが、毛並みをプラスチックや合成樹脂で表現するのはなかなか難しいようで・・・

書籍レイ・ハリーハウゼン大全


今回はハリーハウゼン関連の本の話ですが・・・

昨日アマゾンから「Amazon.co.jp_ご注文の発送」というメールが来ていました。すっかり忘れていたのですが、かなり前に『ハリーハウゼン大全』という本を予約注文していたのでした。

というわけで、上の写真が本日届いた本です!

公開作品のみならず映像化されなかった幻の作品まで、貴重なスチール、メイキング写真、スケッチ、デザイン画…610点の図版と共にハリーハウゼン自らが解説!DVDでは語られていない撮影秘話や初公開資料を多数掲載した決定版!!

との事、約300ページもあるこの本は凄い・・・

●目次
序文--レイ・ブラッドベリ
著者まえがき
はじめに
第1章 キング・コングとの出会い
第2章 猿人ジョーと原子怪獣
第3章 深海の怪物と空飛ぶ円盤
第4章 わが友シンドバッド
第5章 もうひとつのロスト・ワールド
第6章 神話の世界へ
第7章 大英紳士、月へ
第8章 恐竜がいっぱい
第9章 伝説への帰還
第10章 さらば、わがよき友よ
第11章 神々の膝に抱かれて
第12章 失われた企画、失われた世界
フィルモグラフィ
用語解説
解説--森まさあき
訳者あとがき

という充実の内容。

今まで、ハリーハウゼン関連の書籍といえば、『コンプリート・レイ・ハリーハウゼン』あたりが定番でしたが、内容の濃さがまるで違います。しかし、この本は日本で編集された物ではなく、『AN ANIMATED LIFE』の完全翻訳本です。

下の写真が洋書『AN ANIMATED LIFE』


洋書専門店などでしか手に入らず、しかも結構値段も高かったのです。あまりの内容の濃さに「この本の日本語版できないかなぁ」などと考えながら、辞書とにらめっこしながら読んだものです。それが6600円で手に入るのだから、まさにファン待望の一冊というわけです。あらためて日本語で読めるので、新たな発見がないかと今から楽しみ。

もともとアメリカではハリーハウゼン関連の書籍は充実していました。ハリーハウゼン関連のホームページも結構あるし、日本とは熱がまるで違うという印象です。おそらくこれから先、これ以上の内容の本は出ないと思います。日本でこの本が発売されたのは奇跡に近いので、ファンならば迷わず買うべきかと。

ハリーハウゼン関連の洋書といえばもう一冊、『THE ART OF RAY HARRYHAUSEN』というのがあります。

こっちはハリーハウゼンのキャラクター・スケッチや絵コンテを中心に編集されたもの。まさにアートの域に達しているハリーハウゼンのスケッチは、英語が苦手な人でも写真を見ているだけでも十分楽しめる内容。同じ出版元で約230ページ。

こっちも翻訳本でないかなぁ・・・

骸骨剣士 シンドバッド七回目の航海


久しぶりのモンスター図鑑、第九弾の今回はストップモーション・アニメに最もマッチしたキャラクターの一つである骸骨剣士。七体が登場した『アルゴ探検隊の大冒険』ではなく『シンバッド七回目の航海』の方です。

骸骨剣士については、ホームページの『シンバッド七回目の航海』のページに書いているので詳細は省きますが、何よりも驚かされるのは骸骨剣士とシンドバッドの戦いが、本格的に実写の人間とストップモーション・アニメのキャラクターが絡んだ最初のシーンであるという事。

これ以前の作品では同じ画面に合成はされていたものの、人間とモンスターが直接戦うのは初めてです。それでこのクォリティーとは、ハリーハウゼンってやっぱり凄い。

アシスタントが八拍子で手をたたき、そのリズムに合わせて役者さんが振り付けをする、このシンプルなアイデアのおかげで合成用の骸骨剣士のアニメートが随分と楽になったそうです。それでもこの数分のシーンに約三ヶ月という時間を費やしています。この撮影にあたりハリーハウゼン自身もフェンシングを習い、その経験はこれ以降の作品にも活かされているとの事。

そして、この作品はハリーハウゼンにとって初めてのカラー作品でもあります。

さらに、ハリーハウゼンの代名詞とも言えるダイナメーションという言葉が使われたのもこの作品が最初。

DynaMation

「ダイナミックとアニメーションを合わせた造語」と説明される言が多いですが(私のホームページでもそう解説しております)、実際はどうだったのでしょうか?

ハリーハウゼンは、自動車のショーや宣伝でよく使用される Dynaflow というロゴから flow を取って、それに Mation を付けたものだと説明しています。考えたのはプロデューサーのチャールズ・シニアだとか。

初めて尽くしとなった映画ですが、この作品は大ヒットを記録し、二本の続編が作られ、ハリーハウゼンの代表作の一つとなっています。

最後に、

我が家には、当然のように骸骨剣士のフィギュアもあるのですが、下の写真はその中の一つ。盾のデザインで分かるのですが、これは『シンバッド七回目の航海』の骸骨剣士。『アルゴ探検隊』をモデルのした骸骨剣士は結構多いのですが、これはもしかしたら結構希少かも。


ムービー・ドリーム レイ・ハリーハウゼン物語


今回は漫画。

タイトルは『ムービー・ドリーム レイ・ハリーハウゼン物語』

この漫画は最近入手した物で、たまたまネットで安く売っているのを見つけたので購入してみました。

南幸之丞という方が絵を描いているのですが、漫画を全く読まない私には他に何を描いている人なのかさっぱり分かりません。

というわけで、ネットで『南幸之丞』を検索してみると・・・

全く出てこない(^^;)

内容は、ハリーハウゼンの少年時代から、引退するまでを描いたもの。親友のブラッドベリや師匠であるオブライエンとの出会い、映画デビューとその後の活躍、そしてオブライエンとの永遠の別れなどがドラマチックに描かれています。登場人物や映画会社こそ実名で出てくるものの、ドラマチックに描きすぎていて、細部はほとんど創作。

「この作品は、事実を元につくったフィクションです。事実と多少異なる点がありますので、ご了承下さい。」との注意書き有り。

会話などの部分は知る術が無いので仕方が無いのでしょうが、それ以外の部分でもちょっと作りすぎがなぁ、という印象。

しかし、レイ・ハリーハウゼンなど知っているはずもない「少年ジャンプ」の読者がターゲットなので、これで正解なのでしょう。結構楽しめました。

ちなみに下の絵が、少年時代と引退後のハリーハウゼンの姿です・・・おしまい。

(´-`).。oO


シンドバッド火星への航海


以前に『タイタンの戦い』(1981)以降に企画された『シンドバッドと世界の七不思議』について書きましたが、今回はそれよりも前の『シンドバッド虎の目大冒険』(1977)の後にハリーハウゼンが企画したシンドバッド物について。

タイトルは『火星のシンドバッド』又は『シンドバッド火星への航海』

1970年代後半といえば、『スター・ウォーズ』が公開され世界的にスペース・オペラが大ブームとなっていた頃で、『シンドバッド火星への航海』もこのブームに影響されて企画された事は明らかです。最初の頃に作られたプロットは、『フラッシュゴードン』のような、まさにスペースオペラといった物語だったようです。

当初、誰もがこのプロジェクトには好意的で、シンドバッドと火星の進歩した人類が出会うというストーリーは難しいが決して不可能なレベルではない、と考えられていたようです。プロデューサーのチャールズ・H・シニアは脚本を『シンバッド七回目の航海』(1958)のケネス・コルブに依頼。まさにやる気満々といったところ。

何度か改訂され、エジプトのピラミッドからの出発、触手を持つ惑星、地殻変動による火星の崩壊などが盛り込まれたプロットは後の『スターゲート』に酷似していたとの事です。

他には、火星のスフィンクス、ウナギのような管状の宇宙生物、火星の運河のクラゲ状のモンスターなどが考案されていたようですが、ハリーハウゼンにとっては難解に感じられたのか、スケッチの類は一枚も描かれていません。

一番上の写真はオベリスク(方尖塔)といって、古代のエジプトで多く製作され、神殿などに立てられた記念碑の一種です。火星の宇宙船はこれをイメージしてデザインされる予定でした。ハリーハウゼンのスケッチが残されていないので、今回はこれを載せてみたという次第です。

結局は『タイタンの戦い』(1981)で忙しくなり、この企画は流れてしまいました。しかし、当時はハリーハウゼンの次回作として堂々と雑誌に紹介されていました。

この企画が実現しなかった理由は色々と考えられますが、一番の理由はハリーハウゼン自身が乗り気ではなかった、という事ではないでしょうか。「SFというジャンルでは、冷酷で暴力的なものや、セックス描写が好まれるようになってしまった」とインタビューでハリーハウゼンは語っていました。

確かに『スター・ウォーズ』以降に量産されたスペースオペラではそういった暴力的な作品が多く、ファンタジーが受け入れられる時代ではなかったのかもしれません。仮に『シンドバッド火星への航海』が実現していたとしても、それはハリーハウゼンの作品とは呼べないような代物だったかもしれません。

ミナトン シンドバッド虎の目大冒険


モンスター図鑑第八弾、というわけでミナトンの登場です・・・怖い。

映画のほとんどのシーンでストップモーションで動かされていたミナトンですが、同時に着ぐるみによる撮影も行われていました。この着ぐるみに入っていたのが、ピーター・メイヒューという大柄な人。スターウォーズのチューバッカの役者さんです。

牛頭人身の怪物であるミナトンの元になったのは、ギリシャ神話のミノタウロス。ミノタウロスはかなり有名な怪物ですが、良く知らない人のためにちょっとだけ紹介します。

クレタ島のミノス王の妻パシパエと、ポセイドンから送られた雄牛の間にできた子供。本当の名前ははアステリオス(雷光)と言うのですが、「ミノス王の牛」という意味のミノタウロスが通称となっています。

どうして牛とパシパエの間に子供ができたのか・・・これは長くなるので省略。

成長し乱暴になったミノタウロスが手に負えなくなったミノス王は、ダイダロスに命じて作らせた迷宮にミノタウロスを閉じ込めてしまいます。アテナイから毎年(3年ごと、9年ごととも言われる)七人の少年少女を貢(ミノタウロスの食料)として送っていたのですが、テセウスがその中の一人となり、ミノス王の娘アリアドネの助けを得てミノタウロスを退治することに成功します。

この話は「アリアドネの糸」として有名ですね。魔法の糸玉でミノタウロスの部屋まで行き、帰りはその糸を辿って戻ってくるというアレです。誰でも一度は聞いた事があるのではないでしょうか?


ミナトンに話を戻します。

映画でのミナトン誕生シーンは、ゼノビアが機械の心臓を入れる場面だけですが、ハリーハウゼンはミナトンが製造される過程をもっと緻密に描きたいと考えていました。『フランケンシュタイン』の創造シーンと『ダンテの地獄篇』をイメージしていたそうです。

地下の地獄のような場所で、ゼノビアが操るシャドーマンと呼ばれる人たち(ゾンビのような物)がミナトンを創造するシーンが絵コンテに残されていますが、予算と時間の都合でこのシーンは作られませんでした。

ミナトンは悪の手先として、映画の中ではもっと重要な役割を演じるはずだったキャラクターでした。映画のクライマックスでは、サーベルタイガー(剣歯虎)とトロッグ(一角の原始人)が戦いましたが、最初の予定ではミナトンがトロッグと戦う予定だったのです。

ストーリーを煮詰めていく中で、サーベルタイガーとトロッグを戦わせるのがベストだという事になり、ハリーハウゼン自身もそう考え、結局ミナトンは映画の終盤に自滅に近い形で姿を消す事になってしまいます。

登場シーンが大幅にカットされ、クライマックスにも出番なし。寡黙なミナトンは映画全編を通してほとんど船を漕いでいるだけでした。しかし、その傑出した個性はハリーハウゼン作品の中でも最も印象に残るモンスターの一つと言ってもいいでしょう。


ストップモーションが本物に見える?


先日ある友人と話をしている時にたまたま出た話。

「SFXって何の略? SFはサイエンス・フィクションなんだけど、Xって何?」とか言ってたのですが、それって全然違う・・・

日本語では特撮の事なのですが、英語で特殊効果を意味する言葉がスペシャル・エフェクツ。それで、その「イフェクツ」の部分が発音すると「エフェックス」に聞こえるという事からFXとして、Sはそのまま。

というわけで、「スペシャル・イフェクツ」が「スペシャル・エフェックス」になって、そのイニシャルがSFXというわけです。

あー、これって意外と知らない人多いのかなぁ? ちょっと信じられない話だったので・・・

信じられない話繋がりでもう一つ。

昔のストップモーションのモンスターが本物に見えたという話。

例えば、上の写真の『シンドバッド虎の目大冒険』(1977)のヒヒ。これを飼いならされた本物のヒヒだと思っていた人がいたとか。

『SF巨大生物の島』(1961)に出てきた巨大な蜂を本物を撮影して合成した物だと思っていたとか。

ジョー・ヤングを「どうやって撮影したの?」って子供に聞かれた親が、「ゴリラを調教して演技させたのよ」って説明したとか。子供は信じたのかなぁ?

ハリーハウゼンのストップモーションを「本物だと思っていた」という、いわゆる賛辞の声が良く聞かれるのですが、どーにも信じ難い。しかもそれを後に特撮界の巨匠になるような人たちまでもが言ってたりするわけです。

私の場合、初めてハリーハウゼン作品やその他のストップモーションを見たのは小学生の頃だったのですが、本物だと思った事は一度もありませんけど・・・アニメーションだってすぐに気がつきませんか?

子供の頃、音声に合わせて自分でレバーをクルクルと回転させる玩具の映写機というのがありました。ゴジラとか、怪獣物を良く見たのですが、そういう玩具でアニメーションやフィルムの仕組みを理解していたからでしょうか?

いや、やっぱり「本物だと思っていた」というのはお世辞だと思うんですけど、本当に「本物に見えた」人いますか?

カーリー シンドバッド黄金の航海


今回はモンスター図鑑第七弾、というわけで『シンドバッド黄金の航海』(1973)に登場した戦いの女神カーリー。

映画では、アラビアン・ナイトに登場しますが、カーリーとはインドのヒンドゥー教の破壊神です。ヒンドゥー教の3最高神の一人であるシヴァ(破壊を司る神)の妻で、血と酒と殺戮を好む戦いの女神とされています。

体中が黒色(または青)で髪を振り乱し、口からは長い舌を垂らし、髑髏(生首)をつないだ首飾りをつけています。そして腕は4本、というのがその本来の姿で、よく宗教画で目にします。
右手には剣、三叉戟を持ち、左手には生首、その下の左手は生首から流れ落ちる血を受け止める骸骨を持っています。

下の写真は、数多くある宗教画の一つで、血に酔いしれたカーリーが、勝利のダンスを踊る場面が描かれています。


あまりに激しいその踊りが、大地を揺し世界が壊れそうになってしまいます。旦那のシヴァが、それを止めようとするのですが、陶酔しきった彼女は踊りをやめません。やむを得ずシヴァは彼女の足下に横になり、自分の体でその衝撃を受け止めたという・・・

やがて事態を把握した彼女は踊りを止め、すまなそうに舌をぺろりと出すのです。

これが、この宗教画で描かれているシーンなのですが、「あー、やっちゃった…」みたいに照れて舌をぺろっとだすなんて、なんだか可愛いらしい。

本来はかなり醜悪な姿ですが、ハリーハウゼン版のカーリーは洗練されたデザインで、戦闘マシーンのようで格好いい! しかも手は6本、これは偶然でしょうか? このカーリーは『スター・ウォーズ/シスの復讐』に登場した、ライトセーバーを4本持って戦うグリーバス将軍に影響を与えたと思われます。

チャンバラシーンは歴史に残る名シーンだと思いますが、最後はちょっとあっけない・・・後ろから押されて下に落っこちてパリーンと割れておしまい。

ハリーハウゼンのキャラクターって、やたらと高い所から落とされて最後を遂げるのが多いのですけど(骸骨、イーマ、サイクロプスもそうでした)『キングコング』がトラウマにでもなっているのでしょうか?

映画でのカーリーについては、『シンドバッド黄金の航海』のページにも書いておりますので、併せてご覧下さい。

シンドバッドと世界の七不思議


ハリーハウゼンといえば、シンドバッド・シリーズが有名ですが、『シンドバッドと世界の七不思議』という作品が『タイタンの戦い』以降に企画されていました。

最後の作品となった『タイタンの戦い』以降に企画された作品として『トロイア人の力』というのを以前に紹介しました。結果的に『タイタンの戦い』が最後になりましたが、この時点ではまだまだ引退する気はなかったという事ですね。

原題は Sinbad and the Seven Wonders of the World

一般的に世界の七不思議と言えば・・・

★ギザの大ピラミッド
★バビロンの空中庭園
★エフェソスのアルテミス神殿
★オリンピアのゼウス像
★ハリカルナッソスのマウソロス霊廟
★ロードス島の巨像
★アレクサンドリアの大灯台

ハリーハウゼンの企画に登場する世界の七不思議がこれですが、別に不思議でも何でもありません。それもそのはずで、世界の七不思議というのは誤訳の産物なのです。

Seven Wonders of the World の「Wonders」を不思議と訳してしまった事が間違いの元。

ビザンチウムのフィロンの書いた「世界の七つの景観」の中の、古代ギリシャ・古代ローマ時代に存在していた7つの巨大な建造物の事を指していて、実際は不思議なものではありません。
本来の意味は「七つの驚くべき建造物・遺跡」といったところでしょうが、日本では誤訳されたまま定着してしまったのです。

上に挙げた七つは、古代の七不思議ですが、中世になると、ストーンヘンジやマヤ遺跡、万里の長城などが新・七不思議として定着します。さらにナスカの地上絵、モアイ像・・・

古代、中世、現代とそれぞれ七不思議があって、さらには現代の新・七不思議の候補なんていうのもあって収拾がつきません。酷いのになるとオカルト、超常現象やネッシー、ファラオの呪いなどを取り上げた本もありますが、本来の七不思議は最初に挙げた「古代の七大建築物」です。

世界8番目の不思議はキングコング、9番目が恐竜グワンジ・・・これは映画ネタ。

『シンドバッドと世界の七不思議』ではスケッチは描いていないものの、大まかなストーリーとダイナメーションの一連のシーンの構想は出来上がっていたという事です。タイトルからも分かるように、世界の七不思議を冒険するシンドバッドの話になる予定でしたが、結局は実現せずに終わってしまいました。

アイデアばかりが先行して上手くいかなかったのでしょうか? 少ないヒントから想像力でアイデアを膨らませていく事が得意だったハリーハウゼンにとって元ネタが多すぎたのかもしれません。素晴らしい作品になる可能性を秘めていたのに残念です。この作品にモンスターの出番はあったのでしょうか?

レイ・ハリーハウゼンを解雇しようとした映画監督


映画の撮影中にレイ・ハリーハウゼンを解雇しようとした監督さんがいたそうです。

ハリーハウゼンが他の特殊効果マンと違っていたのは、映画全体に関してかなりの限を持っていたという事が挙げられます。
ハリーハウゼンのアイデアに理解を示し、プロデューサーとして共に作品を作り上げていったチャールズ・H・シニアの存在があったからこそ、自分の作品をコントロールできたのです。

しかし、それを快く思わない監督さんもいたようです。越権行為と考え、ハリーハウゼンを解雇しようとさえしたそうです。監督としては俳優の演技まで指導するハリーハウゼンが気に入らなかったのでしょう。
ハリーハウゼン自身はその監督がだれであったのか決して口にしませんでしたが、それが誰であったのかはファンならば気になるところです。

その監督さんはハリーハウゼンを解雇して欲しいとプロデューサーのチャールズ・H・シニアに頼んだのだが、チャールズ・H・シニアはハリーハウゼンを支持し、「これはハリーハウゼンの映画だ」と監督に言ったそうです。「代わりの監督はすぐに見つかる」とも。

こういうとんでもない事を言った監督って誰だったのでしょう?

ハリーハウゼンの名声を決定的なものにした作品は『シンバッド七回目の航海』(1958)なので、それ以前のモノクロ作品と考えられます。

『原子怪獣現わる』(1953)の時点ではチャールズ・H・シニアと組んでいなかったので、それ以降の作品となると、
『水爆と深海の怪物』(1955)
『世紀の謎・空飛ぶ円盤地球を襲撃す』(1956)
『動物の世界』1956)
『地球へ2千万マイル』(1957)
の4作品ですが、『動物の世界』は映画の一部分の人形アニメだけを担当したので明らかに違います。『地球へ2千万マイル』の監督さんは『シンバッド七回目の航海』でもコンビを組むネイザン・ジュランなのでこれも違う。という事は、『水爆と深海の怪物』のロバート・ゴードン監督か、『世紀の謎・空飛ぶ円盤地球を襲撃す』のフレッド・F・シャーズ監督という事になります。

『水爆と深海の怪物』はチャールズ・H・シニアと組んでの初めての仕事だったので、シニアがどこまでハリーハウゼンを支持していたのかは微妙なところ。

という事は、ヒット作となった『水爆と深海の怪物』の後に作られた『世紀の謎・空飛ぶ円盤地球を襲撃す』での出来事でしょうか。

その監督さんは「あいつは棒を振り回して何をやっているんだ?」と言ったそうです。この棒って、俳優さんに「空飛ぶ円盤」の位置を認識させるための目印に使った棒ではないでしょうか?

そう考えると辻褄が合います。見えないものが相手なので、ハリーハウゼン自身が俳優に演技を指導したのでしょうが、俳優に演技させるのは監督さんの仕事。それが気に入らなかったのでしょう。

というわけで、ハリーハウゼンを解雇しようとした監督さんはおそらく『世紀の謎・空飛ぶ円盤地球を襲撃す』のフレッド・F・シャーズ。

ハリーハウゼンは『世紀の謎・空飛ぶ円盤地球を襲撃す』の監督が自分を解雇しようとした事を否定していますが、聞かれて「イエス」とは言えませんから。

メドゥーサ タイタンの戦い


今回取り上げるのは、『タイタンの戦い』で登場したメドゥーサ。

最初はギリシャ神話のお話から。

メドゥーサというのは、ギリシャ神話に出てくるゴルゴンの三姉妹の一人です。

ステノ、エウリュアレ、メドゥーサの三姉妹は美しい娘であり、特に美しい髪を持っていたメドゥーサは、女神アテナの神殿で海神ポセイドンと交わったため、アテナの怒りを買い、醜い姿に変えられてしまいました。そのことに抗議した二人の姉も同じく、醜い姿に変えられてしまったという事です。

鱗のような身体に、飛び出した大きな目、猪の牙を持ち、長い舌が垂れている。青銅の腕に黄金の翼とを持ち、手の先には鉤爪、その頭髪は一本一本が蛇であるという・・・なんとも凄まじい描写。

三姉妹は皆同じ能力を持っていたとされていますが、最大の特徴は、その姿を見た者を石に変えてしまうという点。これは誰でも知っている有名な話ですが、不死という能力だけはメドゥーサには備わっていませんでした。この欠点があったからこそ、メドゥーサだけが有名になったとも言えるでしょう。

ちなみに『タイタンの戦い』にも登場する、三人で一つ目、一つの歯しか持っていないというグライアイ三姉妹は、神話ではゴルゴンとも姉妹です。そんな関係で、グライアイだけがメドゥーサの住処を知っていたというわけです。ちなみに、ゴルゴンのほうがお姉さん。

メドゥーサは英雄ペルセウスに首を切り落とされてしまうのですが、その傷口からは、天馬ペガサスとクリューサオールが産まれたとされています。

さて、メドゥーサで思い出される映画といえば、私が子供の頃テレビでよく放送していた『妖女ゴーゴン』(1964)というのがありました。ハマー・プロの作品で、これは結構怖かった。


他にもメドゥーサが登場する映画は数多く作られていますが、大抵メドゥーサ役には綺麗な女優さんがキャスティングされていて、頭にはゴム製の蛇がブラブラ・・・というのが多かったように思います。

ハリーハウゼン版メドゥーサが登場する『タイタンの戦い』ですが、メドゥーサとペルセウスの決闘シーンはハリーハウゼン作品でも屈指の名シーンとなりました。

映画では、ペルセウスが盾にメドゥーサの姿を映して戦い、剣でメドゥーサの首を切り落とすという決着だったのですが、初期の絵コンテには、盾を円盤投げのように投げて、メドゥーサの首を切り落とすというシーンがありました。

このシーンがボツになった理由は分かりませんが、個人的にはフリスビーによる首チョンパを見てみたかったです。

ハリーハウゼンのメドゥーサの凄い所は、なんと言ってもその頭の蛇が一本づつ全てリアルに動いているという事でしょう。

この頭の蛇、画面ではほとんど分かりませんが、よく見るとそれぞれ微妙にデザインが違っているそうです。一本づつデザインを変えておかないと、次に作業をする時に、どれを動かしたのか分からなくなってしまうから、というのがその理由だそうです。

一日中作業して、5秒から10秒程度のフィルムしか完成しないというストップモーションの仕事は大変な作業だったのですね・・・

最後に、

私のホームページでは、『タイタンの戦い』の番外編として『英雄ペルセウスの冒険物語』(ギリシャ神話編)を紹介していますので、興味のある方はどうぞ。

タロス アルゴ探検隊の大冒険


モンスター図鑑第五弾は、ハリーハウゼン作品でも人気ナンバーワンのタロス。

クレタ島の方言で「太陽」を意味するタロスはギリシア神話のアルゴー船の冒険物語に登場する青銅人間。ヘパイストス(火と鍛冶の神)、あるいはダイダロスが作ったとされていますが、最後の青銅族、または雄牛であるという説もあります。ゼウスがエウロペに与え、彼女がクレタ島へ連れて行ったとも言われています。タロスの仕事はミノス王が治めているクレタ島を守る事。島に近づく船を見つけたら、どこの船であろうとも大石を投げつけて破壊。侵入者があれば、身体から高熱を発し、抱きついて瞬時に焼き殺してしまったということです。

本来は、モンスターというよりもロボットに分類されるべき存在ですね。 昔風に言うとカラクリ人形とか自動人形ということになります。

タロスの体の中には一本の血脈があり、踵には青銅の釘が打ち込まれていて、アルゴー船がクレタ島に寄った際に、メディアがその踵の釘を抜いて全身の血液(ロボットならオイルか?)を流しだして殺した事になっています。また、アルゴー船の一員であったポイアスが踵を射て退治したという説もあります。

踵から血液が流れ出すシーンは映画でも再現されていましたが、あの血液は車輪にセロハンを付けて赤い照明を当てて作ったそうです。

青銅の巨人とも言われていますが、抱きついて殺したというのが事実とすれば、巨人であるというのは矛盾してしまいます。

ハリーハウゼン版のタロスは大巨人。モデルとなったのは世界の七不思議の一つでもあるロードス島の巨人像です。下の写真がそれ。


このロードス島の巨人像のモデルは太陽神ヘリオス。タロスを退治したとされるメディアは太陽神ヘリオスの娘・・・ハリーハウゼンがロードス島の巨人像をモデルにしたのでややこしくなってしまいました。当たり前の事ですが、太陽神ヘリオスとタロスは全くの別物です。

このタロスのアニメーションは、その動きのぎこちなさによって、いっそう恐怖感が増しているように思われますが、これはハリーハウゼンが意図的にぎこちなくしたのか、それとも計算外の事だったのでしょうか?

ハリーハウゼンの言葉によれば、

滑らかな動きになるように努力したにも関わらず酷評されたとか、わざとぎこちなくしたのに批判されてびっくりしたとか・・・インタビューによって言っている事が違うのではっきりした事は分かりません。

私には、わざとぎこちなくしたようにしか見えません。重量感を出そうとした結果があのタロスの動きであり、見る人によっては、それをぎこちない動きであると捉えているのではないでしょうか。

そういえば、世界の七不思議シリーズの食玩でロードス島の巨人像というのがあったのですが、それってハリーハウゼン版のタロスにそっくりでした。頭部の鎧のような物はハリーハウゼン版がオリジナルのはずなので、この食玩が真似したのではないでしょうか?

グリフィン シンドバッド黄金の航海

またまたモンスターネタ。今回はシンドバッド黄金の航海のグリフィン。

ホームページでは『王家』の象徴としてももてはやされた伝説上の生物、とだけ紹介したグリフィンですが、これもギリシャ神話に登場するモンスターです。

アポロンに仕える聖獣とされ、鷲の翼とライオンの体を持ち、黄金の宝を守る怪物とされています。


ギリシャの遥か北方に棲むとされた怪鳥。生まれながらに黄金の埋まっているところを知っており、山から黄金を取ってきてはその黄金で巣を作り、夜も寝ずに黄金の宝を守っているとされます。

ライオンと鷲というイメージは、芸術家の想像力を刺激したようで、過去にはグリフィンをモチーフにした作品も数多く描かれています。

『シンドバッド黄金の航海』に登場したグリフィンですが、ケンタウロスとの戦いの間、その大きな羽が常に羽ばたいていなければならなかったので、アニメーションはかなり複雑なものだったそうです。

羽ばたいてはいるものの、地面をべたべたと歩くだけでちょっともたついた印象でした。現在のCGならば颯爽と空を飛ぶ姿を見る事ができるのでしょうが、当時ではあれが精一杯だったのでしょう。

ハリーハウゼンのモンスターの中では特筆すべきモンスターではないのかもしれませんが、個人的には風格を感じるので、かなり気に入ってるキャラクターです。

下の写真はエクスプラス製のグリフィンのフィギアです。同じデザインでソフビの物も売っていましたが、これはレジン製で、30センチ位あってかなり重いもの。ホームページで、フィギアのコレクションのページとか作りたかったのですが、不要と思ってやめました。


グリフィンの話のついでに、一つだけ写真を載せてみましたが、エクスプラス製ってやっぱり出来がいいです。

サイクロプス シンドバッド7回目の航海


ハリーハウゼン作品のモンスターネタ第三弾としてサイクロプスを。

ホームページでは、ギリシャ神話のティタン族の一つ目巨人キュクロプスが元ネタだろうという事を書いていますが、ギリシャ神話には他にもサイクロプスに影響を与えたのでは、と思えるのが二人おります。

一人は牧人と家畜の神であるパーン。上半身が毛深い人間で、髯があり、額には両角、そして下半身は山羊で足には蹄があるとされています。想像してみると、かなりサイクロプスに近いものがありますね。パーンはジョージ・パルの『ラオ博士の7つの顔』に快楽の神として登場していました。そういえば『ナルニア国物語』にもフォーンと名乗るそれっぽいのが出ていました。

二人目は山野の精サテュロス。快楽を好み、野獣的に行動し、山羊の蹄と角を有する姿とされています。パーンやシーレーノスと同一視される事もあるようですが、同じ神ではないようです。

これがサテュロス、下半身はもろサイクロプス。

アラビアン・ナイトでありながら明らかにギリシャ神話が元ネタのサイクロプスですが、映画では三体のモデルが作られました。最初に登場する角が一本のものと、崖から落ちるシーンで使われた小さいモデル。そして、最後にドラゴンと戦う角が二本あるもの。

一番上の写真が三体目のサイクロプスで、『地球へ2千万マイル』のイーマの骨格が流用されたやつです。

ハリーハウゼンは、サイクロプスを群れで登場させたかったらしいのですが、当然の事ながら、時間とコストの都合により実現はしませんでした。他の作品では着ぐるみで群れを撮影したものもありましたが、サイクロプスは着ぐるみが使用されなくて本当によかった。

ブーボー タイタンの戦い


ハリーハウゼン作品のモンスターネタ第二弾は、『タイタンの戦い』(1981)に登場したブーボー。モンスターじゃないけど。

ご存知の通り『タイタンの戦い』はギリシャ神話が元ネタになっています。詳しくはホームページの『タイタンの戦い』のページを見て下さい。

神話では、知恵の女神アテナ(戦いの女神でもありました)の使者としてフクロウが登場しますが、名前は知りませんでした。手元にある本や神話辞典を見てもブーボーという名前は出てきません。アテナの使者というのは原作通りですが、機械化は映画のオリジナルでしょう。

ブーボー(Bubo)というのは、いわゆる学名というやつに使用されているので、映画では単純にそこから取ったのかもしれません。ワシミミズクという大型のフクロウは「Bubo bubo」、シロフクロウは「Bubo scandiacus」といった具合です。

ちなみに映画のはメンフクロウですね、ゼウスに「フクロウのブーボー」と呼ばれていました。下の写真が実際に登場したフクロウ。


映画用には三種類のモデルが作られています。

4センチ程度のロングショット用、飛ぶシーンに使われた10センチ程度の物、そして、一番大きいのが46センチ。ラジコンで操作する機能が付いていて、クローズアップ用に使われました。

よく言われるのが、1977年に公開された『スター・ウォーズ』のR2D2に似ているという事。ブーボーの方が先に作られていたので、R2D2のパクリでは無いという事ですが、実際のところはどうなのでしょうか?

『スター・ウォーズ』の4年後の作品ですか、これ。ずいぶんレトロな感じがします。

仮に原型が『スター・ウォーズ』以前に考えられていたとしても、実際に映画が完成するまでにはかなり影響された、と考えるのが正解かもしれません。

リドザウルス 原子怪獣現る


以前、ハリーハウゼン コンプリート・コレクションというDVDを購入したのですが、付録の小冊子に映画に登場したモンスターが五十音順で紹介されていました。

「怪獣図鑑」というタイトルには笑ってしまいましたが・・・

そこで、ちょっと思いついたのですが、モンスターにスポットを当てて、時々ブログでも書いてみようかな、と思ったのです。なるべくホームページとダブらない小ネタを含めて。

というわけで、第一弾は、リドザウルス

ハリーハウゼンの本格デビュー作『原子怪獣現る』(1953)に登場したモンスターです。

とは言っても、知っている事はほとんどホームページに書いてしまっているので、ネタがありません・・・


( ̄~ ̄;)・・・困


ハリーハウゼンが着ぐるみの怪獣を嫌っていた事はご存知でしょうか?

インタビューなどでもそういった発言が多いので、知っている人もいることでしょう。自分は俳優が着ぐるみに入って演じるのを支持しない、と言うだけでハリーハウゼンは決して着ぐるみを使用した映画を批判はしませんでした。

しかし、時間や予算の都合でどうしても着ぐるみを使用しなくてはならなかったシーンもあります。

かなり分かりにくいのですが、このリドザウルスもストップモーション以外のシーンが存在しています。この場合は着ぐるみではなく、いわゆるパペットというやつです。

パペットを使用したのは、船を襲うシーンと灯台を壊すシーンの二箇所。どちらも、中にいる人間を覗き込むシーンで、同じ映像の使い回しと思われます。上の写真がそのシーンです。目がぱっちりしているのが特徴で、いかにも人間の手が口を動かしているといった動きを確認できます。

ところで、

私のホームページは、Yahooのカテゴリーに登録されていますので、そこからアクセスしてくださる方も結構いるのですが、たまたまアクセス解析というのを見ていたら、ホームページよりもブログの方がアクセスの多い日が結構ある事に気づきました。

私のホームページは本文にインライン・フレームの機能を使用しているため、その部分が全く検索に引っかからないのです。

検索でブログを見てくれた人でも、ホームページの存在には気付かないのかなぁ、と考え・・・まぁ、そんなわけでブログにもハリーハウゼンの作品や、モンスターの名前をもうちょっと登場させたい、と考えたのであります。

不定期に、思いつきで他のネタの合間にでも書いてみようと思います。

ピート・ピータースン


ホームページで詳しく取り上げているストップモーション・アニメーターはウィリス・オブライエン、レイ・ハリーハウゼン、ジム・ダンフォースの三人。まぁ、特撮界の巨匠といった人たちです。

当たり前の事ですが、優れたストップモーション・アニメーターは他にもたくさんいるわけで、ウィリス・オブライエンの片腕と言われたピート・ピータースンもその一人。

ウィリス・オブライエンの片腕

(-_-;)うーむ

つまり、あまり良い作品に恵まれなかった、という事・・・


1905年生まれのピータースンは、元々はアニメーターではなく、RKOスタジオの社員。ハリーハウゼンを見ながら独学でアニメーションを学んだピータースンは、ウィリス・オブライエンに認められ、『猿人ジョー・ヤング』(1949)にハリーハウゼンに次ぐセカンド・アニメーターとして参加。アニメーターとしてはかなり遅いスタートだったわけです。

『キングコング』のウィリス・オブライエンが作った作品として語られる『黒い蠍』(1957)ですが、この蠍をアニメートしたのがピート・ピータースン。ストップモーションで動き回る巨大な蠍の大群は大迫力で、ストップモーション特有のフリッカーが不気味。この蠍の動きだけで映画史に名を残しているのかもしれません。上の写真がその『黒い蠍』です。

五年後の1962年にピータースンは病死してしまいます。

ストップモーション・アニメーターとしてはあまりいい作品に恵まれなかったようですが、そのテクニックはかなり高度なものだったと思います。前出の『黒い蠍』のDVDにはピート・ピーターソンの死後、デビッド・アレンやジム・ダンフォースらによって発掘された『ラスベガス・モンスター』や『ビートルメン』のテスト映像が収録されていて、そのアニメーションの正確さと滑らかな動きを確認する事ができます。

ピート・ピータースンを知るには、『黒い蠍』のDVDは恰好の資料と言えるでしょう。レンタルもされているのでお勧めです。

H・G・ウェルズとレイ・ハリーハウゼン


H・G・ウェルズといえば、思想書・エッセイなども数多く執筆し、歴史家としても多くの業績を残しているそうですが、ジュール・ヴェルヌとともに「SFの父」と呼ばれるほどSFファンには馴染みの深い人です。短編作品もよく読んだものです。ちなみに H・G は、ハーバート・ジョージと読みます。

『タイム・マシン』、『モロー博士の島』、『透明人間』、『宇宙戦争』、『月世界最初の人間』、『神々の糧』などの作品は全て映像化されています。

科学が今ほど発達していない時代に書かれたこれらの作品がハリーハウゼンの想像力を刺激したことは間違いありません。

レイ・ハリーハウゼンが映像化したのは『月世界最初の人間』のみですが、企画したものの実現しなかった作品は他にもありました。

『宇宙戦争』はホームページの方でも取り上げているように、テスト映像まで作られていたのですが、資金の都合で流れてしまったようです。

実現しなかった企画のもう一つは『神々の糧』

二人の科学者が生み出した神々の食料「ヘラクレオフォービア」。それを食べた周囲の生き物達も巨大化し・・・というお話なのですが、この企画はハリーハウゼンが描いたスケッチが残っているのみで、上の写真がそのスケッチです。

ハリーハウゼンは『神々の糧』を映像化したかったようですが、チャールズ・H・シニアがこの作品の映画化の企画がすでに売られていたという事を発見したので断念したようです。

そして、

『神々の糧』は1975年にバート・I・ゴードンによって映画化されました。何でも巨大化させてしまうことで有名な監督さんで、 巨大蟻の帝国 (1977)などもこの人の作品。昔は繰り返しテレビで放送されていたので見た事がある人も多いでしょう。

映画化された『神々の糧』の邦題は『巨大生物の島』・・・これも昔テレビでやってました。巨大ネズミの大群が出てくるアレです。この人の作品は本物の動物を使っているので結構気持ち悪かったです。ものすごい数のネズミを本当に殺して撮影したと思われるクライマックスは圧巻でしたが、今は放送できないかも。

ハリーハウゼンの作品にも『巨大生物の島』という邦題の映画がありますが、こっちはジュール・ヴェルヌの『神秘の島』が原作。ハリーハウゼンの『巨大生物の島』の解説で原作が『神々の糧』となっているのを見た事があります。やっぱり紛らわしいのですね。

マーズ・アタック!


この写真は先日友人にいただいたフィギュアです。ティム・バートンの元妻リサ・マリー演じる火星人の女スパイ。

というわけで、今回はティム・バートン監督作品の『マーズ・アタック!』

当時『マーズ・アタック!』関連の商品が数多く発売されたのですが、リサ・マリーのフィギアだけが品切れになってしまったとか。あまりの人気に彼女のフィギュアには結構プレミアがついた物も少なくないようです。

まぁ、それも分かるような気がします。この人は映画の中でもほとんどでっかいフィギア状態。彼女のフィギアを持っている人なら、必ず一度はあの体をクネクネさせる火星人ウォークを机上で再現しているハズ・・・私にはアホらしくて出来ません。


映画の方は、A級かB級か、人によって好き嫌いがはっきりと分かれる作品。SF映画ファンに限定すれば評価は高いのかもしれません。個人的には大好きな作品で、色々と語りたい事も多いのですが、今回取り上げたいのは円盤がほとんどそのままハリーハウゼンの『世紀の謎・空飛ぶ円盤地球を襲撃す』の円盤と同じだと言う事。

ティム・バートンはハリーハウゼンを崇拝していて、これはオマージュというわけ。だから今回もハリーハウゼンのカテゴリーで紹介しています。以前に紹介した『ハリーハウゼン コンプリート・コレクション』のDVDではティム・バートンとハリーハウゼンの対談も収録されていて、その傾倒ぶりが伺われます。

両方の映画に共通のシーンとして、ワシントンのメモリアル・タワー襲撃のシーンがあります。これは必見! しかし、ハリーハウゼンのファンには感涙もののこのシーンも、一般の映画ファンからすればちょっとコミカルな場面でしかないのでしょうけど・・・

ハリーハウゼン映画の役者さん その4

前回で終わりにしようと思っていたハリーハウゼン作品の役者さんネタ。マイナーな役者さんたちは他にどんな映画に出演していたのか、という誰も興味の無い話題。

これで本当に最後だと思います。

このブログの趣旨は、ハリーハウゼンのトリビアというわけではないのですが、つい・・・

ホームページとちょっとダブりますが、

最初は『アルゴ探検隊の大冒険』の女王メディア役のナンシー・コバックさん

左が『アルゴ探検隊の大冒険』で、右が『奥様は魔女』性格の悪いダーリンの元カノ役。


『水爆と深海の怪物』で科学者役のファイス・ドマーグは『宇宙水爆戦』(右です)でも科学者役。全く同じ顔・・・


『世紀の謎・空飛ぶ円盤地球を襲撃す』で勇敢な博士を演じていたヒュー・マーロウは『地球の静止する日』にも出演しています。右が『地球の静止する日』。こっちは友好的な宇宙人を描いた作品だったのですが、ヒュー・マーロウは、宇宙人を軍隊に引き渡そうとして婚約者に嫌われてしまうという、名誉欲の塊のような嫌な男の役を演じています。

それにしても、顔のでかい人だなぁ・・・顔が半分隠れていなかったら一番後ろにいるとは思えない。

最後にハリーハウゼン唯一の大作映画『タイタンの戦』いに出演した有名俳優から二人を取り上げます。

女神の役で出演していたマギー・スミスは最近では『ハリーポッター』シリーズの魔女先生。


ゼウスを演じていたローレンス・オリヴィエは説明の必要もないかもしれません。

『レベッカ』、『ハムレット』、『探偵スルース』など、アカデミー賞の受賞、ノミネートも多数。威厳、気品、全てを兼ね備えた美男子でした。この人の映画が好きな人も多いのではないでしょうか。『タイタンの戦』は晩年の作品ということになりますが・・・この人がファンタジー作品に出演しているのはなんだが不自然な気がします。写真は元妻であるヴィヴィアン・リーとのツーショット。彼女は『風と共に去りぬ』(1939)のスカーレット・オハラ役が有名ですね。

サー・ローレンス・オリヴィエで締めくくって役者さんネタは終了します、たぶん。

スパイキッズ2 失われた夢の島


レイ・ハリーハウゼンを崇拝するロバート・ロドリゲス監督の『スパイキッズ2 失われた夢の島』 

原題は THE ISLAND OF LOST DREAMS

ロバート・ロドリゲスという人は元々監督としてデビューしたのですが、この作品では製作、脚本から特撮の総指揮までこなしているそうです。

ジェームス・ボンドの子供版とも言えるこの作品の続編なのですが、注目したいのはクライマックスで登場するモンスターの数々。

色々な動物のパーツを付け替えただけのようなモンスターたちは、ちょっと創造性には欠ける気もしますけど・・・

上の写真は正義の味方クモゴリラ。クライマックスで悪者のモンスターと対決するキャラクターです。登場するモンスターは全てCGで描かれているのですが、モーションブラーを抑えて、あえてストップモーションのフリッカーを再現しようとしているところがミソ。とはいっても、言われて見ればそうなのかなぁ・・・といった程度ですけど。

面白かったのは財宝を守る役で登場した骸骨剣士。シンドバッドを彷彿とさせるチャンバラシーンもあるのですが、コメディー作品なので非常にコミカルな動きを見せてくれます。これは必見!


というわけで、この映画はハリーハウゼンへの愛に満ちた作品。21世紀になってもハリーハウゼンの影響力は大きいようです。

ハリーハウゼン コンプリート・コレクション2



というわけで、12月に発売されたハリーハウゼンのコンプリート・コレクションというDVD BOXを購入しました。

写真は付属のフィギアです。今までになく、正確に再現された造形には脱帽!そして、このフィギア、重い・・・

このDVD BOXの目玉は、やはりカラーライズされた初期の三作品という事になるのでしょう。だからフィギアはイーマなんですね。大タコとか円盤のフィギアにするわけにもいかないですから。

とりあえず、カラーライズされた作品から鑑賞してみたのですが、元々カラーだったかのように違和感は全く無し。最近のカラーライズの技術の進歩はすごいです。作品が完全に生まれ変わっています。ローマの街並みが美しい。

おそらく、カラーライズされた三作品はそのうち単独で発売されるのではないでしょうか?いつもそういうパターンだし。

期待していた『ハリーハウゼン・ガイドブック』。コアファンも知らない各作品毎のトリビア情報・・・ってたいした事なかったです。それぞれの作品の解説とファンなら知っている裏話のようなもので、各作品1ページでした。

カラーライズされた三作品にはそれぞれ特典映像のDVDが付いていて、これはなかなか面白かったです。ティム・バートンとハリーハウゼンの対談やジョーン・テイラーのインタビューなど。ジョーン・テイラーはとっても綺麗なおばあちゃん。ティム・バートンとハリーハウゼンが日本製のフィギアについて語る場面はなんだか不思議。

これらの三作品には音声解説も付いていて、ハリーハウゼン自身が特撮のネタばらしなどをしていて結構楽しかったです。

日本では初めてDVD化されたという初期作品+ドキュメンタリー集『レイ・ハリーハウゼン ザ・アーリーイヤーズ・コレクション』も収録されていて、まさにコンプリート・・・と言いたいところですが、個人的に、初期作品の中で最も評価が高い『猿人ジョー・ヤング』が収録されていないのがちょっと残念。これが収録されていたら本当に完璧だったのに・・・。『猿人ジョー・ヤング』はお勧めですよ、初期のモノクロ作品の中では最も完成度が高いと思っています。

ミステリアス・アイランド


ジュール・ヴェルヌの『神秘の島』を原作とした映画は何度か作られていて、ハリーハウゼンの『巨大生物の島』もその一つ。

というわけで、今回取り上げるのは2005年に『神秘の島』を原作にして作られたTVムービー『ミステリアス・アイランド』です。

出演はカイル・マクラクラン、ガブリエル・アンウォー、パトリック・スチュワートなど、結構豪華なメンバーと言ってもいいのではないでしょうか?

巨大化した生物として、蚊、ネズミ、蟻、カメレオン、サソリ、鳥、蜘蛛などが登場します。リアルと言えばいいのか、想像力ゼロと言えばいいのか・・・

特撮はかなりショボい仕上がりで、典型的なTVムービーの映像といったところ。巨大生物たちも全く印象に残りませんでした。

あとは・・・あまり語る事はありません。個人的には、楽しめない事も無いのですが、一回見れば十分。

この作品は、前編が『巨大生物の島』、後編が『ノーチラス号の最後』となっており、レンタルして見るなら同時に借りる事をお勧めします。最初に一本だけレンタルしたら、後編は見る気力が無くなってしまうかもしれないので・・・

ハリーハウゼンの『巨大生物の島』が好きな人は比較しながら見てはいかがでしょうか。そこそこ楽しめるかも?

アルゴノーツ 伝説の冒険者たち


今回は『アルゴノーツ伝説の冒険者たち』(2000)という映画のお話です。

これはハリーハウゼンの『アルゴ探検隊の大冒険』のリメイク・・・というわけではなく、単純にギリシャ神話のアルゴノーツの冒険物語を映画化した作品。ブログで取り上げてみましたが、ハリーハウゼンとは何も関係ない映画と言ってもいいでしょう。『アルゴ探検隊の大冒険』のリメイクとして見たら納得できないでしょうが、見方を変えれば結構楽しめる作品だと思います。

しかし、この映画・・・究極のファンタジーであるギリシャ神話という雰囲気が希薄な気がします。様々なモンスターが登場するのですが、個人的にはあまりファンタジーっぽさを感じませんでした。普通に史劇といった雰囲気。

ちなみにこの作品はテレビ映画です。CGがしょぼいのも仕方ないでしょう。TVMとしては上出来と言えるかもしれません。ギリシャ神話好きの私も結構楽しめました。しかし、180分は長い・・・


主人公のジェイソンが、最初の頃どうにも頼りない所に違和感を感じてしまいました。神々の加護もあり、次第に逞しくなり乗組員の人望を得るようになる過程が描かれています。ヒーローの成長物語が主題の映画といってもいいかもしれません。


それ以上に違和感があったのが、海神ポセイドンが巨大な岩石男として描かれていた部分。船の乗組員が島と間違えて上陸しようとするとそれがポセイドンだったという・・・これには苦笑。単なる海に住む怪物扱い。

原作で描かれていて、『アルゴ探検隊の大冒険』には無かった描写としては、


ジェイソンの師匠とも言えるケンタウロス族のケイロンが登場する

竪琴の名手オルフェウスの活躍が描かれている

キューピッド(エロス)が登場する

ヒロインであるメディアが結構原作に忠実に描かれている


などが挙げられます。『アルゴ探検隊の大冒険』よりも、多少原作に忠実な気がします。比較して鑑賞するのも面白いでしょう。

やはり、というかジェイソンとメディアのその後は描かれていませんでした。まあ、それも当然でしょう。その後の物語が知りたければホームページのアルゴー船の冒険のページを参考にしてください。

ハリーハウゼンとキングコング



ホームページ作成の合間をぬって、久しぶりにブログの更新です。

ブログ再開の一発目は、ハリーハウゼンと『キングコング』について。

『キングコング』のリメイク作品というのはいくつかあって、1976年にはディーノ・デ・ラウレンティスが、2005年にはピーター・ジャクソンがリメイクしています。

ハリーハウゼンが『キングコング』(1933)に影響を受けてストップモーションの道に進んだのは有名な話ですが、今回はハリーハウゼン自身はリメイクについてどう考えていたのか、また実際にハリーハウゼンの手によるリメイクの話はなかったのか、という事について書いてみたいと思います。

結論から先に言ってしまうと、ハリーハウゼンの特撮によるリメイクの話は二回ありました。

1960年代後半、『キングコング』のリメイクを検討していたハマー・フィルムがハリーハウゼンに連絡を取ったのが一回目。結局この企画は、『キングコング』の著作権を持つRKOとハマー・フィルムの交渉がうまくいかずに流れてしまったという事です。

二回目は1970年代半ば、ユニバーサルと前出のディーノ・デ・ラウレンティスが映画化の権利を争う事になった時。最終的に映画化権を得たのはディーノ・デ・ラウレンティス。このあたりのいきさつは、ホームページのジム・ダンフォースのページ(5ページ目)に書いてあるので省略しますが、実はこの時、ユニバーサルはハリーハウゼンに特撮を依頼していたのです。

しかし、この時ハリーハウゼンは『シンドバッド虎の目大冒険』(1977)の製作に入っていたので参加する事はできませんでした。


そして・・・

ハリーハウゼン自身は『キングコング』のリメイクをどう考えていたのか。

ハリーハウゼンの言葉によれば、それは「立ち入ってはいけない領域の物」という事らしいのですが・・・なんとなく、言いたい事は解るような気もします。
『キングコング』は完璧な作品であり、リメイクをしたところで、カラーになる事とストップモーションがスムーズになるという事以外は改善の余地が無い、と語っています。つまりリメイクする必要は無いと考えていたという事です。

後年、ハリーハウゼンは「『キングコング』をリメイクするのは無意味だ」といった発言をしていたようですが、本心は自分の手でリメイクしたかったのではないでしょうか。
ハマー・フィルム版の企画が流れなければ、ハリーハウゼン版『キングコング』は実際に作られていたはずなのですから。

ハリーハウゼンが関わっていたら、オブライエンに敬意を表し、オリジナルの価値を損なわない素晴らしい作品が出来上がっていたのではないでしょうか。

ハリーハウゼン コンプリート・コレクション

ハリーハウゼン コンプリート・コレクションというDVD BOXが発売されます。

2007年12月19日発売!

やっぱり買ってしまうのでしょう・・・

今回は特典が凄い。

初期三作品がカラー化されているという・・・これはどうなんでしょう? 興味はひかれます。


『ジ・アーリーイヤーズ』というデビュー前の作品が収録されているのが嬉しいですね。日本で発売されるのは初めてじゃないでしょうか? Tou Tubeなどで見る事はできるのですが、これで大画面でじっくりと鑑賞できます。

あとは、30センチのイーマ・・・うーむ

一番の楽しみは、『ハリーハウゼン・ガイドブック』というもの。コアファンも知らない各作品毎のトリビア情報・・・とあるので期待してみましょう。

詳しくは公式サイト


あと、久しぶりに自身のホームページを更新しました。
映画のポスターを集めただけなのですが(−。−;)

映画ポスターのページです

ハリーハウゼン映画の役者さんその3

ハリーハウゼン作品の役者さんネタ第三弾。というわけで、これが最後です。

ハリーハウゼン作品は無名な俳優さんがほとんどですが、今回紹介するのは、その他の映画でも見かけるちょっとメジャーな俳優さんたち。ほかの映画ではどのような役を演じていたのか・・・という事を少しだけ取り上げてみます。

最初はシンドバッド虎の目大冒険(1977)で、ミナトンの着ぐるみに入っていたピーター・メイヒューという人。

この人の名前どこかで聞いたことある、と思っていたらスターウォーズでチューバッカを演じていた人でした。

ミナトンとチューバッカ・・・本当はこんな顔してます。



次は、恐竜グワンジ(1969)で主人公タックを演じていたジェームス・フランシスカス。


SF作品では、続・猿の惑星(1970)でブレント役を演じていました。

ブレントが何者だか分からない人のために説明すると、チャールトン・ヘストン演じるジョージ・テイラーと檻の中で戦った人です。テイラーと同じ道程で猿の惑星にたどり着いた二人目の男、と言えば分かり易いでしょうか。子供の頃はチャールトン・ヘストンに似た人だなって思いながら見ていました。

これ





シンバッド七回目の航海(1958)で魔術師ソクラを演じていたトリン・サッチャーも多くの映画に出演しています。私の好きなミステリー関係ではビリー・ワイルダー監督の情婦(1957)に検事役で出演していました。

あとは・・・

ハリーハウゼン最後の作品で、最初で最後の大作映画と言えるタイタンの戦い(1981)では有名な俳優さんが数多く出演していますが、ホームページのネタとダブるので省略します。

興味のある方はタイタンの戦いのページを参考にして下さい。

役者さんネタはこれで終了。

ハリーハウゼン映画の役者さんその2

前回に続き、ハリーハウゼン作品で、二作品以上に出演した役者さんたちを紹介していきます。

パート2は後半カラー作品の俳優さんたちです。ホームページのネタとダブるんですけど・・・

最初はグレゴワール・アスランという役者さん。


ガリバーの大冒険(1960)ではブロブディンナグ国(巨人の国)の王様役。顔が長いという事以外は印象に残っていません。シンドバッド黄金の航海(1973)ではカート・クリスチャン演じるお調子者ハロウンの父親役(お店のご主人でお金持ち)でちょっとだけ出演していました。

そして、お調子者を演じたカート・クリスチャンは、シンドバッド虎の目大冒険(1977)では一転して悪役を演じています。王子の座を狙う、魔女ゼノビアの息子役。特徴のある顔だからすぐに気がつきました。


アルゴ探検隊の大冒険(1963)でオープニングから登場し、悪役であるペライアス王を演じていたダグラス・ウィルマーという人は、シンドバッド黄金の航海(1973)では、黄金の仮面をつけて王様を演じていました。


アルゴ探検隊の大冒険(1963)で、船大工アルゴス役だったローレンス・ネイスミスは、恐竜グワンジ(1969)では名誉欲の権化ともいえるブロムリー教授を演じていました。


最後はパトリック・トルートンという役者さん。

シンドバッド虎の目大冒険(1977)で賢人メランシアスを演じているのがこの人なんですが、アルゴ探検隊の大冒険(1963)にも出演しています。個性的な風貌のこの俳優さん、どこに出演しているのかと思ったら、フリジアの神殿で怪鳥ハーピーに襲われていた盲目のフィニアスという人でした。


興味が無い人にはさっぱり分からないお話でした(;^_^A

でも、結構気が付かないで見ていた人も多いのでは?新発見と思ってくれた方が一人でもいたら幸いです。

ハリーハウゼン映画の役者さんその1

興味の無い人には全く分からない、ハリーハウゼン映画の役者さんたち。

この役者さんがこんな役でも? というわけで、今回はハリーハウゼン作品で、二作品以上に出演した役者さんたちを紹介していきます。

パート1という事で、初期モノクロ作品の俳優さんたちです。

最初はケネス・トビーという役者さん。


『原子怪獣現わる』(1953)と『水爆と深海の怪物』(1955)に出演していて、どちらも軍人役。

この人についてはホームページでも紹介しているように、『遊星よりの物体X』(1951)で主人公の軍人、ヘンドリー大尉を演じているという50年代の特撮映画には欠かせない役者さんです。

『水爆と深海の怪物』でカーター教授を演じていたのが、ドナルド・カーティスという役者さん。


『空飛ぶ円盤地球を襲撃す』(1956)ではマービン博士の監視役としてちょっとだけ登場します。やたらと背が高いという事以外、これといって印象に残っていません。

次はジョーン・テイラーという女優さん。


『空飛ぶ円盤地球を襲撃す』では、マービン博士の妻役、『地球へ2千万マイル』(1957)ではレオナルド博士の孫娘マリサ役で、どちらも知的な印象。

この二作品で競演しているのが、ジョン・ザレンバという役者さん。どちらの作品でも博士役で、ほとんど目立った活躍はしていません。『空飛ぶ円盤地球を襲撃す』ではエイリアンに殺される役で、『地球へ2千万マイル』では、たくさんの登場人物と一緒にちょっと画面に映る程度。

この人はTVシリーズ『タイムトンネル』でも博士役でした。これが一番有名かも。

この写真の人です。


ちなみに、手前の女性はリー・メリーウエザー。映画『バットマン』ではキャットウーマンを演じていました。あまり有名な女優さんではありませんが、SFファンには忘れられない女優さんではないでしょうか。

トーマス・ブラウン・ヘンリーという役者さんもこの二作品に出演しています。どちらも軍人役。ちょっと強面、というか迫力のある顔です。『地球へ2千万マイル』のワンシーン。


後ろにいるのは前出のジョン・ザレンバさん。

今回紹介した役者さんで、その後も映画界で活躍していたのはケネス・トビーくらいでしょうか?

まぁ、日本人の私が知らないだけで、テレビなどに活躍の場を移した人もいるのかもしれませんが、低予算のB級SF作品に出演していた役者さん達は、その後もあまり大きな役には恵まれなかったのかもしれません。

次回はパート2として、カラー作品に登場した役者さんたちを紹介する予定です。

トロイア人の力


『タイタンの戦い』(1981)で引退したハリーハウゼンですが、この映画の完成直後に引退を宣言したわけではありませんでした。その後、チャールズ・シニアと共に製作予定だった作品が存在しています。

タイトルは『トロイア人の力』

原作はトロイア戦争の後日談を描いた『アエネーイス』

1980年にアイデアを発展させ、81年にはほぼストーリーもまとまっていたという事です。そして、1983年にはタイトルが『トロイア人の力』(Force of the Trojans)に正式決定。

ダイダロスとイカロス、スフィンクス、女神ヘカーテ、スキュラとカリブディス、トロイの木馬などギリシャ神話でお馴染みのキャラクターが登場する超大作になる予定でした。

ハリーハウゼンは、幾つかのスケッチとスフィンクスの像、そして一連のシーンの絵コンテまで用意していたのだが、あまりこの作品の制作に乗り気ではなかったらしい。60歳を超えたハリーハウゼンにとって、あまりにも仕事量が多く、肩の荷を降ろしたい気分だったという事らしいのですが・・・

上の写真は、ハリーハウゼンが描いたスキュラです。

スキュラとはカリブディスに面する洞窟に棲む海の怪物で、三重の歯を有する六つの頭と12の足を持ち、船が近づくと一度に六人の船乗りを捕まえて食べたとされています。

ハリーハウゼンのイラストはタコのような足を持ち、その数は六本!

足が六本・・・これは意図的なものでしょう。
こういうこだわりを見ると、ファンとしてはちょっと嬉しい。


このプロジェクトにM.G.M.が興味を示していたということです。監督や、主演女優まで決定していたのですが、結局この作品が制作される事はありませんでした。

しかし、リサーチの結果、当時の観客はもっとバイオレンスな作品を求めていたという事が判明します。

ギリシャ神話を題材にしたエンターテイメント作品は当時の観客の要求とは一致しないという見解で、M.G.M.はこのプロジェクトから手を引く事になりました。

その結果、資金調達が困難になり、このプロジェクトはやがて自然消滅する事になってしまいました。

そして1985年にハリーハウゼンは引退を決意し、結果的に『タイタンの戦い』がハリーハウゼン最後の作品となってしまったというわけです。

この作品には、ジム・ダンフォース、デビッド・アレン、デニス・ミューレンらが集まり、ILMがヴィジュアル・イフェクツを担当する事になっていたという事ですが・・・

ハリーハウゼンが乗り気ではなかったって、もしかしてこの辺りに原因があったりして。

これだけの超大作になったら、制作されたとしてもハリーハウゼンが作品をコントロールするのは不可能だったかも。その結果、ハリーハウゼンらしさが感じられない映画になってしまうとしたら、制作されなくて正解だったのかもしれません。

レイ・ハリーハウゼンとレイ・ブラッドベリ



レイ・ハリーハウゼンの映画デビュー作が『原子怪獣現る』(1953)

その原作となった短編小説『霧笛』の作者がレイ・ブラッドベリ。

『原子怪獣現る』は、少年時代からの親友である二人の夢が結実した作品と言われています。

原作といっても、映画で取り上げられたのは、リドザウルスが灯台を破壊するシーンのみで、実際のところは映画と原作はほとんど無関係といってもいいほど似ても似つかないものでした。

この映画の脚本に関しては、原作とは別に書かれたという説もり、核実験の影響を受けたモンスターがニューヨークを襲撃するという映画の準備が進められており、数人の脚本家が何度か脚本の書き直しをしていたらしいのです。

ブラッドベリ自身が語ったところによれば、別の脚本家が書いた作品の改訂を頼まれたところ、そのストーリーが自身が数年前に書いた『霧笛』に似ていると思ったので、その話をプロデューサーにしたところ、『霧笛』を脚色していた事をプロデューサー自身ががすっかり忘れていて、翌日「短編の権利を買い取りたい」と電報が来たという事です。

いずれにしても、プロデューサー自身が『霧笛』を原作と認めており、『霧笛(The Fog Horn)』の改題前のタイトルである『The Beast From 20000 Fathoms』がそのまま映画のタイトルに使用されたというのも事実。

ハリーハウゼンは原作の事を知らずに撮影を進めていて、粗編集の試写を一緒に見たブラッドベリからこれらのいきさつを初めて聞かされ、大変驚いたという事です。



二人のレイは共に1920年生まれ。映画と原作の関係はともかく、二人が大の親友である事は事実です。

美術学校でSFクラブに在籍していたハリーハウゼンは、SFファンと作家の交流会が開かれていたロサンゼルスで、ブラッドベリと出会いました。

ストップモーションの製作者になる事が夢だったハリーハウゼンと、一流の作家になる事が夢だったブラッドベリは意気投合し、それ以来、交友関係が続いているということです。共に、大きな夢を持っていた事と、恐竜が大好きという共通点が二人を結びつけたのかもしれません。

友情を深めた二人は、お互いに電話をかけ合い、何時間も夢について語り合ったりしたということです。

ブラッドベリの作品にも恐竜が出てくるものがいくつかあります。タイムトラベルが可能になった近未来に恐竜狩りを行なうという『サウンド・オブ・サンダー』(2004)は、記憶が正しければ、TVシリーズ『レイ・ブラッドベリ劇場』で一度映像化されています。映画化された作品で有名なものは、『華氏451』(1966)や『何かが道をやってくる』(1983)といったところでしょうか。あまり多くありませんね・・・

ブラッドベリの小説で個人的に一番面白かったのは『火星年代記』

これは面白かった・・・お勧めの作品です。映像化もされていますが、現在見る事は出来ないでしょう。見る事ができてもお勧めはしませんが。


ハリーハウゼンは、1991年にアカデミー賞のゴードン・E・ソーヤー賞を受賞。

ブラッドベリは自らアカデミー協会に電話をし、自分がオスカー像を渡すと言ったそうです。

「心は少年のままでいよう」と誓い合った二人が舞台で抱き合う姿はとても感動的なシーンでした。

ほら男爵の冒険



ホームページではレイ・ハリーハウゼンの作品を紹介していますが、取り上げる機会のなかった話をブログで書いてみたいと思います。

映画の世界では、お蔵入りとなって日の目を見ることが無かった作品というのは沢山あります。
もちろんハリーハウゼン作品もその例外ではありません。

というわけで、今回はハリーハウゼンが熱望していたにも関わらず、映画化が実現しなかった『ほら男爵の冒険』を取り上げてみます。

ハリーハウゼンがこの作品の実現を考えていたのは1940年代。50年代までのハリーハウゼンはモンスター映画のイメージが強いのですが、やはりファンタジー作品を作りたかったようです。ほらふき男爵の冒険物語はハリーハウゼンにとって魅力的な素材だったのでしょう。

『ほら男爵の冒険』は何度か映画化されていて、現在最も有名なのは、テリー・ギリアム監督作品の『バロン』でしょうか。これもお勧めの映画。とても面白かったです。

上の写真はハリーハウゼンによる、ほら男爵ことバロンが月面の巨人と対話するシーンのテスト映像です。

これまで、人形がしゃべるシーンといえば、パペトゥーンの技法を使用したものが主流でしたが、それをぎこちないと感じていたハリーハウゼンは、このシーンをストップモーションで撮影しています。

パペトゥーンの技法に関してはホームページのジョージ・パルのページを参考にして下さい。

ゴム、スポンジ、ラテックスを使用して作られた顔のモデルの大きさは20センチほどで、唇やほお、まぶたまで動かせるほど精密に作られています。

こうして見事な対話のシーンが出来上がったのですが、あまりにも時間がかかりすぎて、作業が大変だったため、これ以降のハリーハウゼン作品でも「ストップモーションでリアルに顔を動かす」というシーンが作られる事はありませんでした。そういう意味で、このテスト映像は非常に貴重なものでしょう。

『アルゴ探検隊の大冒険』(1963)の大成功の後、ハリーハウゼンが監督のドン・チャフィに『ほら男爵の冒険』をストップモーションで作りたいと話したところ、この物語が好きだったドン・チャフィはこの企画に賛成し、一緒に作ろうという事になりました。しかし別のプロジェクトにより、結局この企画が実現する事は無かったのです。二人が組んで作る事になった作品は『恐竜100万年』(1966)でした。

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