| キング・コング(1933年版) | 
 | 2009-10-24 21:07 | 
 |  監督はメリアン・C・クーパー、ウィリス・H・オブライエンが特撮、ストップモーションを担当した『キング・コング』は、もはや何の説明も要らないほど有名な作品。
 
 そんな理由から私のブログでもあえて取り上げなかった作品なのですが、先日久しぶりに鑑賞しまして・・・
 
 いやぁー、やっぱり面白い。
 
 特撮映画の原点ともいえる記念碑的な作品なのですが、それだけではなく現在見ても十分にたのしめる傑作です。
 
 1933の製作という事を考えると驚異的な映像ですね、これは本当に凄い!!
 
 南海の孤島にそびえ立つ城壁、独特のジャングルの雰囲気、コングや恐竜の出てくるタイミング、映画全体のテンポなど、どれをとってもパーフェクト。音楽も含めて文句のつけようが無いほど良く出来ています。
 
 古さを感じるとすれば、ちょっとギクシャクしすぎのストップモーションくらいのもの。それでも、当時の人は相当びっくりしたことでしょう。モンスターを撮影するカメラのアングルが良いので、ド迫力の映像に仕上がっています。城壁を破って外に出るシーン(一番上の写真がそれ)などは本当にシビれました。
 
 
  こうして書いていても、当たり前すぎる褒め言葉しか出てきませんので、個人的にお勧めのシーンでも。
 
 コングとティラノサウルスの対決は、ボクシングの経験者でもあり、レスリングなどの格闘技が好きだったオブライエンが、その要素を取り入れる事によって生まれた名シーンです。
 コングの動きがボクシングのフットワークのようで面白い。そればかりか、恐竜に対して「片足タックルで倒す」、「背負い投げで投げ飛ばす」、「バックに回って背中に飛び乗って首を絞める」などの戦い方はまるで現在の総合格闘技。モンスター同士の肉弾戦とは思えないようなシーンが続出します。
 
 あと面白いのは、コングの毛並みが風でなびいているように見える事。
 これはコングの体毛がウサギの毛皮で出来ていて、ストップモーションの撮影中にモデルを掴むたびに指の跡が残ってしまった、というのがその理由。
 これはどのシーンでも確認できますが、ラストのエンパイア・ステート・ビルのシーンが一番分かりやすいかも知れません。災い転じて、というか本当に風で毛が逆立っているように見えて面白い効果になっています。
 
 そういえば、ハリーハウゼンは自身の作品では指の跡が残らないように細心の注意を払い、なるべくカメラの反対側からモデルを動かしたそうです。
 
 もう一つ、
 
 オブライエンの作品にしては珍しくモンスターが「演技」をしている事。ラスト・シーンのコングの表情が切ない。
 
 当時の最新技術を導入して製作された『キング・コング』はRKOを倒産から救い、映画史上最も有名なモンスター、コングを生み出し、レイ・ハリーハウゼンが映画界に入るきっかけを作りました。
 この作品が特撮映画に与えた影響は計り知れません、そして続編『コングの復讐』が製作されることになるのですが・・・この問題作については気が向いたら、書いて・・・みようかなぁ、と
 
 他に思った事
 
 ヒロインのフェイ・レイ、絶叫シーンが多いなぁ、絶叫専門の声優さんの吹き替えだと思っていたら、本人の声だそうです。
 
 どうして、オブライエンってモンスターの顔のアップをやたらと挿入するのかなぁ? ストップモーション用のモデルと造型が違いすぎて違和感あるんですけど・・・
 
 
  
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     | 投稿者 : シザース まさに説明不要の名作ですね。これを円谷英二が研究。そして21年後、ビキニ環礁の水爆実験でゴジラが生まれました。コングvsティラノサウルス、コングvs人間のバトルシーンは、ゴジラ、ガメラシリーズの怪獣vs怪獣、ウルトラシリーズの巨人vs怪獣、人間vs怪獣に受け継がれたんじゃないでしょうか。
 
 コングと電車のシーンは、ゴジラ1954年、ゴジラ1984年でマネされていますね。
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     | 2014/10/26 11:43 |  
     | 投稿者 : パラディオン 後世の作品に多大な影響を与えたばかりではなく、多くの後継者(特撮マンやモンスターメーカー)を生み出した作品ですね。この映画が無かったらその後の特撮は全く違うものになっていたのでは、と思わせるほど。
 ただ、ストップモーションによる特撮は日本では定着しませんでしたね。
 当時の日本特撮ではそれなりのポリシーがあってぬいぐるみ怪獣となったようですが。
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     | 2014/10/26 12:44 |  
     | 投稿者 : シザース ちなみにネットニュースで知りましたが29日にパリでチョコの祭典「サロン・デュ・ショコラ」でチョコでできた様々な作品が展示、チョコのキングコング(大きさは身の丈ほど)も展示されてました。 |  
     | 2014/10/30 13:32 |  
     | 投稿者 : パラディオン 早速検索してあちこちのサイト見てきました。サイズが人間より大きめなので、普通にゴリラに見えて思わず笑ってしまいました。
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     | 2014/10/30 18:45 |  
     | 投稿者 : シザース 2016年にスカル・アイランドという原題で11年ぶりにキングコングの新作が公開されるそうです。脚本はゴジラ2014年を書いた人と同一。ゴジラの新作も同じ2016年らしいです。
 ゴジラは生誕から今年で60年、コングはそれより21年前ですから81年になります。まだまだですが100年近いですねwwwwww
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     | 2014/12/09 13:32 |  
     | 投稿者 : パラディオン ほぉ〜、それは楽しみですね。ピーター・ジャクソンのはオリジナルに結構近かったですよね。今でも時々鑑賞してます。リメイク決定後音沙汰なしという作品が結構多いので、そうならないとよいですが。ゴジラといいキングコングといい、造形がシンプルなモンスターが人々に長く愛されているというのは面白いものです。 |  
     | 2014/12/10 00:01 |  
     | 投稿者 : シザース 私もシンプルなデザインの怪獣は大好きです。ちなみにキングコングは怪獣映画の元祖ですが、それより8年前にもうひとつの怪獣映画の元祖がありました。1925年の失われた世界です。怪獣というより冒険、恐竜ものですがラストでブロントサウルスが街で大暴れ、ビルを壊したりします。BGMは誰もが聞いた事がある物でそれをBGMにあらゆる物を破壊します。最後は海に去っていくなど、後のキングコング、ゴジラを思わせるシーンがいくつかあります。
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     | 2014/12/27 01:00 |  
     | 投稿者 : パラディオン 失われた世界、懐かしいです。忘れておりましたが、5年以上前にこのブログでも書いていたようです。映画の内容ではなくコナンドイルについて。これを機に再見決定です。
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     | 2014/12/27 05:42 |  
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     | 2020/11/03 12:37 |  
     | 投稿者 : na まさにゴジラと並んで原点にして頂点ですね。コングの復讐についてですが、自分は前作に及ばなくても良作だと思っています。とくに尺は69分と短かったのでサクッと見れるのが良かったです。もし、脚本家が乗り気で脚本に力を入れて、十分な予算と時間があったら前作ほどではないにしても傑作になったとおもいます。パラディオンさんはコングの復讐についてどのような感想をお持ちですか。 |  
     | 2021/07/20 12:49 |  
     | 投稿者 : na コングの復讐のアーカイブ(記事)を書いてほしいです。新着アーカイブは2014年で止まっていますが、またblogの更新を再開したりはしないでしょうか。 |  
     | 2021/07/20 12:51 |  
     | 投稿者 : パラディオン そういえばコングの復讐って記事にしませんでしたね。まぁ、なんと言うか…自分はこういった作品でも飽きずに見ることができるのですが、コング登場までの長さや、登場シーンのインパクトを考慮すると評価が低いの仕方ないのかな、と。詳しく調べていないので、ちょっと評価はしずらいですが…。ところで、更新止がまった理由は、仕事が忙しく、休日がかなり減ったためです。いまだに多くの方が訪問してくださっているので、増やしたい気持ちはありますが…。 |  
     | 2021/07/20 21:56 |  | 
 
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コングvsティラノサウルス、コングvs人間のバトルシーンは、ゴジラ、ガメラシリーズの怪獣vs怪獣、ウルトラシリーズの巨人vs怪獣、人間vs怪獣に受け継がれたんじゃないでしょうか。
コングと電車のシーンは、ゴジラ1954年、ゴジラ1984年でマネされていますね。