キャプテン・シンドバッド |
2013-12-15 22:37 |
これは『キャプテン・シンドバッド』(1963)のビデオパッケージです。
同名の映画がありますが、これはバイロン・ハスキン監督の作品。
『宇宙戦争』 (1953)をはじめとするジョージ・パルとの共同作品や、『宝島』 (1950)などで有名な人ですね。
主役のシンドバッドは何と、宇宙家族ロビンソン(1965〜1968)のお父さん、ガイ・ウイリアムズ!
ところで、シンドバッドといえば
以前ブログで4回に渡って『アラビアンナイト』のシンドバッドについて書いた事がありました。
原作では船長でもなければ、剣を振り回して戦う事もない。職業は商人であり、多くの映画で描かれるヒーロー像とは程遠いというわけです。
で、
その時に「一番原作に近いのは何か」ということで、カレルゼマンのアニメ作品『シンドバッドの冒険』(1972)を挙げたわけです。
私にとってシンドバッドといえば、勿論ハリーハウゼンのシリーズ。
若き日のジム・ダンフォースは『シンドバッド7回目の航海』を製作中のスタジオにハリーハウゼンを訪ねた際、『シンドバッド7回目の航海』に使用されるさまざまなモンスターなどを見て、「この作品はシンドバッド映画のスタンダードにはならないだろう」と思ったらしい。
といった事もその時に書いたのですが・・・
原作との違いは考慮しないとして、実際のところ、シンドバッド映画の決定版って何なのでしょうか?
該当作品無しとか?
いつからシンドバッドが剣を振りかざして悪党と戦うヒーローとして描かれ始めたのか。
アニメか子供向けの絵本あたりが最初なのかもしれませんが、ちょっと分かりません。
実写版では、1946に『船乗りシンバッドの冒険』という作品があって、この時すでに姫を守る冒険家として描かれています。
ちょっと軽薄で女ったらしのようなシンドバッドはヒーロー然としたものではなく、やり手の詐欺師を思わせる振る舞い。
しかし、むしろこちらの方が原作には近いような気がします。
映画としてはすごく面白かったです。
ヒロイン役はモーリン・オハラ
この時代の女優さんは独特の美しさがありますね。
原作にも巨人や怪鳥がでてくる事だし、いっそのこと、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のようなセンスと特撮ででシンドバッドを描いてくれたら、それがすぐにでも決定版になりそうな気もしますが・・・
話を『キャプテン・シンドバッド』に戻さねば(汗
今でもDVDのタイトルに「シンドバッド」の文字を見かけると迷わずレンタルして見てしまほど好きなので、つい話がそれてしまいます。
この作品もご多分にもれず、お姫様を助けるヒーローとして描かれております。
そんなわけであまり書く事ないんですが・・・
ガイ・ウイリアムズ演じるシンドバッドに関して言えば、ハリーハウゼンのシリーズで演じたどの役者さんよりも、違和感なく見る事ができました。
あくまでもヒーローとしてとらえるならば、個人的にはガイ・ウイリアムズのシンドバッドが最も適役だったような気もします。
作品に関しては、前出の『船乗りシンバッドの冒険』あたりと比べるとさすがに1960年代なりの特徴はあります。
荒唐無稽さが数段増しており、アドベンチャーというよりも、完全にファンタジーの世界。
「心臓を別な場所に保管してあるから不死身」という設定
心臓や心が別な場所にあるという話は童話や映画でも時々見られる設定なので、この映画がオリジナルではないと思いますが、おそらく私がこの設定を最初に見たのはこの作品。
なので、結構インパクトがあったのを覚えております。
ドラゴン、お姫様、邪悪な君主、魔法使いなどなど、ファンタジーの定番キャラクターも多数登場。
とくに印象的だったのは、塔のてっぺんに保管された心臓を守る巨大な手
大きな大きなハリボテの手が人差し指を立てて、「チッチッチッ」と・・・
冒険物とはいえあまりシビアな映画ではないので、遊び心いっぱいの作品、と受け取るか子供じみてバカバカしいと解釈するかは人によって様々でしょう。
ヒーローがヒロインを守り、悪党を退治してめでたしめでたしという、フツーすぎる作品。
でも、この映画のエンディングの魔法使いのおじいちゃんの一言が大好き。
映画の中盤、魔法使いのカルゴが、明日処刑される運命のシンドバッドとお姫様を3分間だけ会わせる魔法を使います。
いろいろあって、映画の最後
シンドバッドと結婚して幸せになったお姫様が言います。
「カルゴが見せてくれた夢と同じだわ」
そして魔法使いの一言
「あれは夢ではなく、私の予言だったのです」
というわけで
いかにもファミリー向けの作品ですが、それなりにツボを押さえた作品と言ってもいいかもしれません。
最後に、この映画で一番驚いた事
この状態で、像が頭を踏み潰すという処刑方法 (((( ;゚Д゚)))
色々な処刑方法が図解付きで解説されている本を昔持っていましたが、こんなムゴいのは見た事ないんですけど・・・
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コメント |
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コメント一覧 |
投稿者 : たあ
確かに一番頼り甲斐のありそうなシンバッドですね。 ただ、船乗りと言うよりは山男の印象が強いんですよ(^^)
ヒロインは「黄金の航海」のキャロライン・マンローが堪りません・・・ (^^;
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2013/12/17 19:25 |
投稿者 : パラディオン
ヤバイ、スクロールして上の画像見たら、もう山男にしか見えなくなりました(笑)
シンドバッドのヒロインといえばやっぱりキャロライン・マンローが一番印象的ですよね。
多くのSF誌で「奴隷が似合う…」といった紹介のされ方をしてますが。
個人的な好みでいえば、ジェーン・シーモアが・・・
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2013/12/17 21:09 |
投稿者 : たあ
ジェーン・シーモアもイイです! 確かにあの端正な顔立ちはお姫様のイメージにはピッタリです。 イイんですが、冒険活劇物には少し上品すぎる顔かな? で、ファラ姫よりもモルギアナの女豹のようなワイルドな顔立ちに魅かれてしまうわけなんですよ(^^)
・・・いやそれは建前で、あの胸の谷間を強調するコスチュームに身を包んだスタイルが・・・ (^^;
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2013/12/18 18:41 |
投稿者 : たあ
いろいろ検索したら、ガイ・ハミルトンはディズニー版の「怪傑ゾロ(The Sign of Zorro)」でも主役を演じていた事を知りました。
かすかに記憶にあるような無いような・・・ 雰囲気はありますね(^^)
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2013/12/18 19:53 |
投稿者 : パラディオン
着せ替え人形状態でしたよね(^^)
あれには目線釘付けでした。過去形じゃなくて今見てもですけど・・・
怪傑ゾロの件は全く知りませんでした。多分見た事も無いかと・・・
映画のサイト見たら普通にプロフィールに載ってましたね。
画像見たらメチャメチャ格好いいじゃないですか!
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2013/12/18 23:58 |
投稿者 : 三河の人
昔々にテレビで放映されたのを見てもう一度見たいと思っている映画です。
ネットで予告編を見て更に思いが強くなっております。
国内盤DVD発売は夢なんですかねえ?
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2013/12/19 12:12 |
投稿者 : パラディオン
なんとなくですが、最もDVD化されにくい位置にある作品のような気がします。
何の根拠もありませんが(笑)
悪くない作品ですが、ハリーハウゼン作品のようなアクの強さといったものが感じられないので、時代を超えて生き残るにはちょっと厳しいかも、です。
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2013/12/19 20:58 |
投稿者 : nemu
こんばんは。
5月はハリーハウゼンの一周忌という事でいくつかのCSで
特集が組まれるみたいですね。
イマジカBSでシンドバッド三部作が(5月4日放送分は無料)、
WOWOWではアルゴ、月世界、ハリーハウゼン特殊効果の巨人
などが放送されます。
「ハリーハウゼン特殊効果の巨人」は以前放送された分を見ましたが、
成人した娘さんのヴァネッサ・ハリーハウゼンが例のグワンジの
エピソードを語ってたりしていておかしかったです(笑)。
こういう企画は定期的にやってくれるのはうれしいですね。
下の世代の人にもハリーハウゼン作品に触れて欲しいなぁ
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2014/05/01 20:21 |
投稿者 : パラディオン
nemuさん、情報ありがとうございます。
映画はともかく、関係者のインタビューなどは興味深いですね。
我が家はテレビが映らないので、これは何としても知り合いに頼んで録画してもらわねば。引退して30年以上も経つのに忘れ去られていないのは本当にうれしいものです。
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2014/05/01 20:41 |
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ヒロインは「黄金の航海」のキャロライン・マンローが堪りません・・・ (^^;