| インビジブル・インベーダーズ/Invisible Invaders | 
 | 2014-1-26 21:38 | 
 |  インビジブル・インベーダーズ/Invisible Invaders (1959)
 
 訳すと「透明の侵略者」とでもなるのでしょうか。
 
 監督は『恐怖の火星探険』(1958)や『暗闇の悪魔・大頭人の襲来』(1957)のエドワード・L・カーン
 
 主役であるアメリカ軍のジェイ少佐を演じているのは、『S.F.第7惑星の謎』(1961)や『金星怪人ゾンターの襲撃』(1966)などB級SF映画ではお馴染みのジョン・エイガー
 
 舞台は軍備拡大競争に明け暮れる50年代時代のアメリカ。
 
 核実験中の爆発により、研究者の一人であるノイマン博士が死亡するという事故が起る。責任者であるぺナー博士は核開発の中止を訴えるが、却下され辞任を決意。葬儀の後、悲観に暮れるのぺナー博士の前に死んだはずのノイマン博士が現る。
 
 その正体は、コミュニケーションを取るためにノイマン博士の死体に乗り移ったエイリアンであり、ぺナー博士に「24時間以内に人類が降伏しなければ地球への侵略を開始する」と地球人に警告するようにと告げる。
 
 彼らは別の銀河系からやってきて、2万年前から月を支配しているのだが、全てを透明にする技術により地球からは何も見えないのだという。博士だけの言葉では埒が明かないと分かると、エイリアンは地球人の体を乗っ取り、自ら地球人に警告を発するという手段に出る。
 
 だが人類は降服せずにエイリアンと戦う事を決意。怒ったエイリアンは世界中の死者を蘇らせ、地球への破壊活動を開始。
 
 世界中の科学者が、対エイリアン用の兵器を開発すべく集結し、ここに開戦の火蓋が切って落とされた。
 
 大体こんなストーリーなのですが
 
 宇宙人であり、透明人間でもあり、さらにはゾンビでもあるという侵略者、というアイデアはちょっと凄いかも・・・
 
 この時代によくあるホラーだかSFだか分からない音楽も良い雰囲気です。
 
 主な登場人物
 
 
  生き返ったノイマン博士(左上)この人はデヴィッド・キャラダインのお父さんですね。ぺナー博士(右上)。ぺナーの助手ラモン博士と娘のフィリス(左下)。主人公のジェイ少佐(右下)
 
 科学者がみんな人相悪い・・・
 
 ゾンビの映像はなかなか印象的なものでした。
 
 基地のモニタに映るゾンビ集団
 
 
  全員が背広姿というのが気になりますけど・・・
 
 青白い顔でよろよろろ歩くその姿は、どう見ても『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』(1968)あたりに影響を与えていると思われ。
 
 50年代のB級作品という事もあり、やはり突っ込みどころは満載であります。
 
 笑って済ませられるものがほとんどですが、これはちょっとひどいなぁ、と思ったのがエイリアン自ら地球人へ警告する場面。
 
 ホッケーの試合場や野球場で実況席のアナウンサーの首を絞め、マイクを奪い取って人類に語りかけるという・・・
 
 観客は簡単に信じて大パニックになるのですが、こんなやり方では普通イタズラと思われるだけでは・・・?
 
 
  その後の侵略者の破壊活動は、全部ストックフィルムの流用。というか、ほとんどがニュース映像と思われます。
 
 廃ビルの爆破シーン、台風、火事、洪水、火事、火事、火事、火事、火事・・・・・火事、と。こんな感じです。
 
 (ーー;)
 
 個人的にストックフィルムの映像大好きな私ですが、今回ばかりはアホらしいので、画像は無し。
 
 そして迎えたクライマックス
 
 もちろん最後は地球人がエイリアンを撃退するのですが、その方法というのが・・・
 
 古い映画では定番の「音」(^^;)
 
 捕らえたエイリアンが非常ベルの音に苦しむのを見た博士が音波銃を作り、地球側が反撃を開始します。
 
 そして、ブクブクと泡になって消滅するという、ベタな死に方をするエイリアン
 
 
  ゴーストバスターズみたいです。
 
 そしてワゴンの上には音波銃を構えたジェイ少佐が!
 
 この姿で円盤と戦い、世界を救うという・・・
 
 しかもたった4人で
 
 でも
 
 アイデア自体は、もしかしたら予算があればとても良い映画になったのでは、と思わせてくれるものでした。
 
 この映画は67分という短さ。
 
 個人的に好きでない人間ドラマがほとんど無かったので、テンポよく見る事ができました。
 
 と、一応褒めておきますか。
 
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     | 投稿者 : 殷狼 これに出でてくる透明怪物「恐怖の火星探険」の吸血怪物の白塗りだそうですよ。これの宇宙人が乗り移ったゾンビ、足を上げて歩く事ができず、常にすり足でしか歩けないから透明であっても足跡がズズ〜っと残ってるとこが笑えますね。透明になる以外の超能力とかないから、ゾンビが銃使ったりするところは斬新ですがw |  
     | 2014/01/27 01:26 |  
     | 投稿者 : パラディオン えぇ? あの音波にやられてゾンビから出てくるぼやけたやつですよね?全く気付かなかった、というよりもわざわざあの怪物を使う意味あったのか・・・? 足跡の特撮はちょっと笑えましたね。しかしなぜゾンビ? 生身では地球で活動できないって設定ありましたっけ? そんなエイリアンが地球侵略してどうなるのか・・・
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     | 2014/01/27 19:42 |  
     | 投稿者 : たあ この手の侵略モノで必ず浮かんでくる疑問。物体を不可視にしてしまうほどのテクノロジーを持ちながら効果的な使い方がされていない、宝の持ち腐れ的な技術の多い事(笑)
 そういえばあの東宝の超大作『怪獣大戦争』のX星人も高周波に弱かったですな。
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     | 2014/01/29 21:24 |  
     | 投稿者 : パラディオン 高度なテクノロジーを効果的に使われたら間違いなく侵略されてしまいますからね(笑)必ずどこかに弱点を作っておかなけらばならないために生じる不自然さは古い映画に限ったことではありませんね。
 難攻不落に見えて、ある1点を狙い撃ちされたら壊滅する、みたいな・・・
 そういえば侵略物って最近見ない気がしますが?
 弱点を見つける場面は『怪獣大戦争』とほぼ同じでありました・・・
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     | 2014/01/29 21:36 |  
     | 投稿者 : na たしかに予算が潤沢だったらと思う映画でした。自分は他にももし製作状況が整っていたらとても良い作品になっていたらという映画がいくつかあります。海獣ビヒモスとレプティリカス,シンドバッド 黄金の航海,コングの息子(コングの復讐)です。ビヒモスはピート・ピータースンの体調が良く、もっと予算があったら特撮シーンももっと長く、迫力のある作品になったでしょう。レプティリカスは予算さえあればレプティリカス本体も含めた特撮シーンもあんなチープにならなかったでしょうし、黄金の航海のグリフィンも予算さえあれば空を羽ばたきながら飛ぶシーンも撮影されたかもしれません。コングの息子は十分な予算と時間を与えられていたら前作と同レベルとはいかなくても十分良作になっていたと思います。パラディオンさんはこれらの映画の他にもしもっと時間と予算があったらと思った作品はありますか。 |  
     | 2021/07/10 14:06 |  
     | 投稿者 : n この映画の他に予算がもっとあればとても良い作品になったと思う映画はありますか? |  
     | 2021/07/17 15:14 |  
     | 投稿者 : パラディオン こんばんわ。言われてみると、予算があれば…とかって、ほとん考えたことなかったですね。ハリーハウゼンの場合は映画のクオリティが上がるというよりも、ストップモーションを含めた特撮シーンが増えるかな、程度に感じたことはあります。予算次第で凄いものを作りそうな気がしたのはデヴィッド・アレンですかね。まるでCGのようなコマ撮りを見せてくれましたから。
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     | 2021/07/17 18:55 |  
     | 投稿者 : na パラディオンさんはSF映画や怪獣映画などの尺についてどれくらいが最適だと思いますか。自分はインビジブル・インベーダーズやコングの復讐のように60分以上70分未満がいいと思います。ハリーハウゼン作品はどれもそう思います。彼の作品はストップモーションなどの特撮部分は良いんですがドラマ部分はひどいですから。余談ですが日本では水爆と深海の怪物が41分の短縮版で上映されたそうです。いらないドラマ部分をカットしたらそれぐらいになるよなと思いました。パラディオンさんはSF映画や怪獣映画はどれくらいの尺がいいと思いますか。また、尺がもっと短かったら、逆にもっと尺が長かったらよかったのにと思った映画はありますか。 |  
     | 2021/07/20 13:29 |  
     | 投稿者 : パラディオン 映画の尺についてですが、ほとんど考えたことありません。どんな作品もそのまま受け入れてしまっているようです。思い返してみると、長いなぁ…と感じたのは「砂の惑星」くらいしか思いつかないですね。でも、おっしゃる通り70分くらいがいいですね。 |  
     | 2021/07/20 22:02 |  | 
 
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