SOS地球を救え |
2011-6-30 23:26 |

前回スタンリー・キューブリック監督について書いたのですが、スダールさんから、あのアンソニー・ドーソンが『2001年宇宙の旅』の特撮スタッフに入る予定があった、との情報が・・・
信じるかどうかは…( ̄  ̄;)
それならば
というわけで、今回はアンソニー・ドーソンの監督デビュー作『SOS地球を救え』(1960)
そんな話はデマに決まっている、と思っている人も、この作品を見ればもしかしたら信じられる、かも・・・
( ̄" ̄;)…
えーと、この作品は、現在DVDが発売されています。
思いっきり手抜きをして、公式サイトからストーリーをコピペにて紹介!
時は21世紀、人類は既に太陽系外にも進出していた。若きレポーターのロイは、スペースマン(外宇宙飛行士)の取材のために宇宙船BZ−88号に乗船する。彼には知らされていない極秘任務を帯びた航海であった。それは、故障により強烈な光子放射線を放ちつつ、地球帰還コースを航行する光子力宇宙船アルファ2号を止めることであった。もし、アルファ2号が地球の軌道に達すれば、地上は焼き尽くされて人類は滅亡してしまうのだ。スペースマンたちの努力も空しく、光子放射線が妨げとなってアルファ号に近づくことができない。ミサイルすらも着弾前に爆発してしまう。なす術は無いのか?まさに地球SOS!
といったストーリーに、司令官、女性隊員、レポーターのロイの三角関係を絡めたのがこの作品。
三角関係で女を取られ、美味しいところは全て主人公に持っていかれる冴えない司令官という、掃いて捨てるほど良くあるパターンの作品です。
発売中のDVDのことは分かりませんが、私の所有する輸入版の映像の汚いこと・・・
次の画像は宇宙空間のシーンですが

『2001年宇宙の旅』と比べても決して引けを取らないこの美しさ・・・
とは言いすぎですけど、宇宙ステーションや流線型ロケットBZ888号など、登場するメカ類はなかなか格好イイし、全てが宇宙空間でのシーンというのも良い。
オープニングから連発される特撮映像は何度見ても燃えます!
そして、宇宙ステーションの住人たちが全て番号で呼ばれるという設定
うーむ、なかなか斬新です。
さて、先日同じアンソニー・ドーソン監督作品である『惑星からの侵略』のズンドコぶりを紹介しましたが、デビュー作であるこの『SOS地球を救え』でもすでにすでにその片鱗はうかがえます(笑)
番号で呼ばれる人々の背中にはでっかくその番号が・・・

この番号がマヌケすぎて、シリアスなシーンでも集中できないんですけど・・・
そもそも、何故番号で呼ぶのかという必然性も分からないし、この監督さんの作品を見ていて感じるのは、とにかく設定とか演出がいいかげんだなぁ、という事。
テキトーというか、大雑把というか・・・
あと、いつも思うのは、デザインは良いけど特撮は駄目、という事
言い換えると
静止画はそこそこ格好イイが、動いている画面を見るとズッコける、という事でもあります。
つまり、実際に映画を鑑賞してみると、特撮の出来は『2001年宇宙の旅』には遠く及ばないという・・・
爆笑、苦笑シーン多数ありですが、やっぱり文章では伝わらないので・・・
ちなみに宇宙空間での移動速度が速すぎるのは全ての作品に共通しております。
しかし、この作品が作られたのは1960年
今回、再見して「これがデビュー作とはちょっと凄いのでは?」とあらためて思いました。さすがにイタリアSF界の第一人者と呼ばれるだけの事はある、と。
かなり真面目に作られた作品という印象なのですが、字幕が無いDVDでの鑑賞なので、細かい所を理解できないためにそう感じるだけかもしれませんけど・・・

|
(トラックバックURL) http://palladion.fantasia.to/step_blog/archive_212.htm
|
コメント |
|
コメント一覧 |
投稿者 : たあ
宇宙船内の俳優が定番の「無重力歩き」(一人スローモーション?)になってるのは笑えます。
宇宙服もパイロットヘルメットの上からバケツのようにでかいヘルメットをかぶる斬新な仕様になっていて驚き!
あと、どうでもいい事ですが宇宙空間で酸素切断(いや、この時代には無酸素の状態でも鉄板を切断できる機器が発明されているのでしょう)をやっておりますが・・・・
まさにツッコミどころ満載、期待を裏切りませんね。
これぞエンタテインメント。
|
2011/07/02 19:24 |
投稿者 : パラディオン
宇宙服姿のパイロットがトンボのように移動するシーンは、一人スローモーションとは逆に早すぎて笑えます。
このデビュー作以降、突っ込みどころ満載という傾向がさらに本格化していくのはどうしたことなのでしょうか?
でも、『スターレジェンド』(1987)などを見てみると、ある程度の予算があるときはそれなりに良い作品を作るんだなぁ、とも感じます。
やっぱり商売に徹した手抜きなのか・・・?
|
2011/07/02 20:59 |
投稿者 : スダール
日本で発売したDVDもたしか汚い映像だった気がします。
WHDですからね、安いあとはなし!!って感じの会社です。
アンソニー・ドーソンはもしかしてミニチュアで映像をとるのが好きであとはなんとなる!!っていう人?・・・惑星からの侵略も最初5分はさっすがドーソン!!でもだんだんつっ込み所が増えてしっかりしろ!!雛菊アンソニー!!(アンソニー・ドーソンになる前のアメリカ向け名前に候補になっていた名前 アンソニー・デイジーズ 直訳すると雛菊のアンソニーになるらしいです)
たしか、キラーフィッシュもダムとか発電所のミニチュアはすごい立派でしたかダムを決壊させた竜巻がこれでもか!!ってしょぼかったです(ミニチュア特撮のすごさとのギャップがすこいです)
|
2011/07/02 21:16 |
投稿者 : パラディオン
私もある程度はSF関連の書籍なども読みますが、アンソニー・ドーソンの名前って2〜3回しか目にした事ないです。イタリアSF界では有名な人で自分の特撮工房をもっている、という事くらいしか情報がありません・・・
作品を見ているとミニチュアが好きなのは明らかですよね?
でも特撮は駄目駄目という・・・
ほぼB級専門だが予算があれば、というのはなんとなくロジャー・コーマンとイメージがかぶります。
そういえば、名前を使い分けているのにも何か理由があったような?
何かで読んだ気がするのですが、すっかり忘れてしまいました・・・
|
2011/07/02 21:37 |
投稿者 : スダール
アンソニー・ドーソンは少し前のSF関係の映画ではイギリス人俳優のアンソニー・ドーソン(ダイヤルMを廻せ!の殺し屋 007 ドクター ノオのタランチュラを使ってボンドを殺すそうとする男の役とうとう)と同一人物だと書かれていたことがあります。
アンソニー・ドーソンの本名はアントニオ・マルゲティオだったと思います。イタリア映画界ではとにかく儲けるためにアメリカ人の名前を名乗ることが多いそうです。
で、アメリカのB級映画の帝王ロジャー・コーマンは特撮が大っきらい!!っと言う人らしく(時間かかる、金かかる、おそらく特撮パートに口出しができない)初期の作品以外は特撮を使わなかった気がします。
エドガー・アラン・ポーもマッド・ペイティングでだいだい火災のシーンは実際に燃やした家を流用 X線の目を持つ男は建設途中のビルを撮影してビルが骨組み?だけのこっているぽい映像を作ったらしいです。(ヴィンセント・プライスとレイ・ミランドのギャラのせいで使えなかったかも知れませんが (-_-))
|
2011/07/03 04:57 |
投稿者 : スダール
訂正
少し前のSF映画の本です。
|
2011/07/03 05:58 |
投稿者 : パラディオン
スダールさん情報ありがとうございます。トリビア、というか裏話のような事が書かれた本なども面白そうですね。眉唾のような事も多いとか?
Anthony Daisiesで検索したら、雛菊ばっかり出てきました・・・
で、なんとかアンソニー・ドーソンの画像を見つけた(初めて顔を見ました)のですが、全然違う人じゃないですか(笑)
名前の変更は単純にアメリカ進出の為と考えて良いわけですね。
ロジャー・コーマンって特撮が嫌いだったんですか!?
以前、手抜きっぽいとか、SFに関しては商売になるから撮っているという印象、などと書いた事があったのですが、その本が正しければ、私の勘が当たっていたという事? 嬉しいような悲しいような・・・
アンソニー・ドーソン作品からはSFに対する愛情のようなものを感じますけど。
|
2011/07/03 09:03 |
投稿者 : 野辺夏夫
はじめまして……野辺と申します。私はこの場にお集まりの皆さんほどたくさんの映画に親しんではいないのですが、この作品、ふと心惹かれるものを感じて、つい先日、DVDで観ました。
ヘルメットとマスクの上から大きな気密帽をかぶるスタイルの宇宙服は、昔々のSFイラストには、けっこうあったのです(私は割合好きです……いかにも奇ッ怪で)。
ところでこの映画は、日本劇場未公開だそうですが、ひょっとしてTV放映されませんでしたか? ゴーグル付ヘルメット姿の面々が雁首そろえて緊迫している画と、火を噴くロケットが突進してゆく画の組み合わせが、三十年以上前の私の古い記憶にあって、私はそれをずっと「惑星からの侵略」の放映予告を見た記憶だろうと思っていたのですが……ひょっとするとこの作品だったのかも。
|
2011/07/05 15:02 |
投稿者 : パラディオン
野辺さん、はじめまして。
この作品のテレビ放送ですか・・・
私は二機の宇宙船が並んで飛行する姿を見た時、昔見たかなぁ?と一瞬思ったのですが、他のシーンは全く記憶に無かったので、おそらく雑誌か何かで見たのだろうと思っていました。この監督さんの作品はたしか何本かはテレビ放送されたと思うのですが、これも放送されたのかは残念ながら記憶にありません。
|
2011/07/05 19:48 |
投稿者 : 野辺夏夫
おそれいります……いえ私も、放送されていたとしても予告編を見かけただけで、本編は観ていないと思うのです。観ていれば、もっとはっきり記憶しているはずなので。(「惑星からの侵略」と同じくらい強い印象をもって……思えばあの映画も、日曜・月曜・水曜・ゴールデンのどれだったかは憶えてませんが、ともかく夜9時からの洋画劇場で、生真面目な解説付きで、放映されたのですよね……なんだか感慨が……)
|
2011/07/06 15:26 |
|
トラックバック一覧
|
|
宇宙服もパイロットヘルメットの上からバケツのようにでかいヘルメットをかぶる斬新な仕様になっていて驚き!
あと、どうでもいい事ですが宇宙空間で酸素切断(いや、この時代には無酸素の状態でも鉄板を切断できる機器が発明されているのでしょう)をやっておりますが・・・・
まさにツッコミどころ満載、期待を裏切りませんね。
これぞエンタテインメント。