
『地底探険』(1959)はジュール・ヴェルヌ原作の冒険映画。私が子供の頃はよくテレビで放送されていました。
CGが主流になる以前、恐竜やモンスターなどが登場する映画を製作するのに使用される特撮の手法は、大きく分けて(かなり大雑把に)三つありました。
一つはハリーハウゼンに代表されるストップモーションによる人形アニメ、もう一つは日本のゴジラでお馴染みの着ぐるみによる撮影。
ハリーハウゼンは着ぐるみが嫌いで「エキサイティングな方法とは思えない」とコメントしております。
そして、上記二つ以外の撮影方法が、本物の爬虫類を利用した特撮です。
昔の映画では本物のワニやトカゲ、イグアナなどに背びれなどを付けて高速で撮影して、合成処理で大きく見せた恐竜がよく登場したものです。
子供が見ても明らかにトカゲとバレてしまうその撮影方法は、特撮ファンにはあまり評判がよろしくないようです。トカゲが出てくるのはB級映画、というイメージは決して偏見ではないでしょう。
しかし、例外もあります。
今回取り上げた『地底探険』にもトカゲが使用されているのですが、そこはさすがに20世紀フォックス製作のメジャー映画。エンディングに登場する真っ赤なトカゲはともかく、映画の中頃に登場する恐竜の方はほとんど違和感がありません。

トカゲをこれほど上手く使った特撮は他には無いかも知れません。トカゲによる撮影が抵抗なく受け入れられる作品は珍しいと思います。このシーンはとても良く出来ていて一見の価値ありだと思います。
この作品の恐竜は、実際は恐竜ではなく、ペルム紀に生息していたトカゲ型のディメトロドンがモデル。
下の写真がディメトロドン。

トカゲ型の生物をトカゲで撮影した、というのが違和感が無い理由かもしれませんが、それを差し引いてもなかなかの迫力でした。
アレック役にパット・ブーンを起用したのもよかったと思います。パット・ブーンが恋人のためにピアノを弾き語りするシーンがあります。さすがに上手い。
"Sir(サー)"の称号を与えられたオリバーを称えて、学生たちが歌をプレゼントするシーンは必見。お前ら全員プロだろってほど歌上手すぎ。
原作も楽しめましたが、映画も最高! アイスランドの火山から地底世界へと旅立つ探検隊、そして地底に広がる別世界の映像。冒険心をくすぐられる事間違いなしの大傑作です。