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遊星よりの物体X

映画史上初の本格的侵略SFといわれる、『遊星よりの物体X』(1951)

アラスカの氷河で氷に埋もれた円盤が発見されるところから映画は始まります。
氷から掘り起こすために使用したテルミット爆弾が円盤に引火、円盤は爆発してしまうが、氷の中に人間のような形をした「物体(エイリアン)」が残っているのが確認される。
氷ごとその「物体」を掘り出し基地に持ち帰るのだが、やがて氷が溶けるとエイリアンは息を吹き返し、次々と人間を襲い始める・・・

この映画の原作は、ジョン・W・キャンベルの『影が行く』という作品で、蘇ったエイリアンは、ほかの生物に寄生し、どんな姿にも形を変える事ができるという設定。怪物が人間を吸収し、「誰が体を乗っ取られたエイリアンなのか?」というサスペンスがメインの作品なのですが・・・

この『遊星よりの物体X』では、寄生能力も変身能力もなく、血を吸って生きる野菜のような特徴を持った怪物という設定に変更されているため、原作の持つサスペンス性は全て排除され、エイリアン対軍人の一騎打ち、といったSFアクションのような作品になっています。

逃げ場のない基地内での戦い。なかなか姿を現さない怪物。ガイガーカウンターで怪物の位置を確かめるシーンなどの演出は秀逸で、これらのシーンは『エイリアン』(1979)にも影響を与えたと思われます。

そして、ようやく姿を現す「物体X」


悪役プロレスラーにしか見えないんですけど・・・宇宙人らしさが微塵も感じられません。

この映画の特徴の一つとして、SF作品なのに特撮がほとんど使用されていない、という点が挙げられます。

これは、エイリアンを人間型という設定にしてしまったため、単なる大男が大暴れしているだけの作品になっていまったためでしょう。

特撮らしい特撮といえば、映画のラストで「物体X」が電流で焼き殺されるシーンくらいのもの。

高圧電流を流された「物体X」がだんだんとしぼんでいくシーンは、巨人のジェームズ・アーネスと普通サイズの人、そして小人の三人の俳優さんが演じています。足元から煙を出し、放電の稲妻のアニメーションを合成して、「物体X」の最後のシーンの出来上がり・・・

他にこの作品の見どころといえば、登場人物たちの会話や人間ドラマでしょうか。

科学的な探究心ばかりで目の前の危険をかえりみない科学者と、部下の命を第一に考える軍人の対立、今となっては当たり前の演出ですが、両者の怪物に対する見解の相違など、エイリアン(未知の恐怖)へのアプローチの違いが明確に描かれたのも、この作品が最初ではないでしょうか。

ところで、

『冷戦』や『共産主義』といったキーワードで語られる事が多いこの作品では、あからさまに「エイリアン=ロシア人」のうような描かれ方をしています。

ラストのあまりにも有名なセリフ

「空の監視を怠るな!“keep watching the skies!”」というのも、

「ロシアからミサイルが飛んでくるから気をつけろ!」と言っているようなものなのでしょうが・・・

そんな事に興味が無い私にとっては、かえって興ざめ。時代背景とか考えなくても充分に楽しめる作品です。

低予算でもこれだけの作品が作れるという事を示し、この作品以降、エイリアンの襲撃をテーマにした作品が数多く作られるようになりました。

後の作品に与えた影響という点では、SFブームを作ったとされる『月世界征服』(1950)や、原爆によるモンスター映画の原点である『原子怪獣現わる』(1953)に匹敵すると言ってもいいかもしれません。

この作品のリメイク版『遊星からの物体X』(1982)ですが、こっちは原作にも忠実で、登場人物の名前から、ハスキー犬や人間への寄生、誰がエイリアンなのかといったサスペンスから、血液による判別方法、さらには隔離されていた人物が実はエイリアンで、密かに宇宙船を建造していたという設定まで同じ。

違うのは、エイリアンは人の思考を読み取る能力があるという点と、結末くらいのもので、ハラハラ、ドキドキする緊張感はリメイク版の方がはるかに上。そしてモンスターの造型は、まさに特撮マンの腕の見せ所。

原作の設定だけを拝借したオリジナルと、比較的原作に忠実なリメイク版を比較するのはほとんど無意味。どちらも面白いし、完璧に別な作品として楽しめるのが良いところでもあります。

最後は「物体X」の正体、ガンスモークのジェームズ・アーネス


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