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宇宙原水爆戦・人工衛星X号

『宇宙原水爆戦・人工衛星X号』(1956)はスイス/イギリスの合作映画。

あまりにも強力すぎて地上での実験が出来ない新型のトリトニウム爆弾。
それを宇宙空間で爆発させるという任務のもと、四人の乗組員たちが実験ロケット「スターダスト号」で宇宙空間へと飛び立つ。
爆弾をロケットから切り離し、実験は成功するかと思われたが、スターダスト号と原爆の質量が相互に作用し、原爆は機に張り付いてしまう。
一定時間後、爆発するようにセットされた原爆が爆発すれば、全員の命はない。乗組員たちはこの危機をどう回避するのか・・・

というわけで

宇人類初の有人宇宙飛行と宙空間での核実験をテーマにした作品で、至って真面目に作られた映画ですね、これ。

邦題からは、全く別の内容を想像してしまいますけど・・・

えーと、世界初のカラーSF映画といえば、1950年にジョージ・パルが製作した『月世界征服』ですが、もしかしたら、英国ではこの映画が初のカラーSF映画かもしれません。

ちゃんと調べたわけではないので、はっきりとは分かりませんけど。


優雅に大空を舞う爆撃機の映像(これは美しい!)で映画は始まり、爆撃機が降り立った基地でのとっても長い記者会見のシーンの後、それぞれのパイロットの人間ドラマが延々と続き・・・

宇宙に出発する頃には映画の半分が過ぎていました。

宇宙空間でのトラブル発生後は、スターダスト号内部で極限状態に置かれた人たちのドラマが始まり、と

ドラマがあまり好きではない私にとってはちょっとシンドイ場面も多かったのですが、1950年代の作品にしては良く出来ているなぁ、といった印象でした。

映画007シリーズのマネーペニー役で有名なロイス・マクスウェルがこの映画のヒロイン。


特ダネをつかむため機内に忍び込み、一緒に宇宙空間へ旅することになった記者を演じています。
こんな大事な実験機に簡単に忍び込まれてしまう警備の甘さに唖然・・・

それより気になったのが

この時まだ20代って老けすぎじゃないか? という事。綺麗な人ですけどね。

この映画の特撮を手がけたのはウォーリー・ヴィーヴァーズ。

『2001年宇宙の旅』(1968)の特殊効果マン(special photographic effects supervisor)として、ダグラス・トランブルとともにクレジットされている、あのウォーリー・ヴィーヴァーズです!

スターダスト号は格好良かった。


発射台はサンダーバード2号、飛び立つシーンは『地球最後の日』(1951)に酷似してます。

当時のアメリカ産SFとはまったく違う雰囲気が楽しめるのがこの作品。能天気なところが全く無い、かなりシリアスな作品でした。

ただ、

限られた時間内でどうやって危機を回避するのか、といったサスペンスよりも、明らかに人間ドラマを中心に描いたこの内容では、SFファンの関心を引くのはちょっと難しいのでは? とも感じましたけど。何故『宇宙原水爆戦』などという邦題になったのか、なんとなく分かるような気がします。

最後に

乗組員たちが爆発の危機をどうやって回避したのか、というと

全員が死を覚悟した船内。
お約束どおり恋に落ちた主人公とヒロインが熱いキスを交わしている間に、この事態を招いた事に責任を感じた科学者二人が船外に飛び出し、宇宙服のロケットを点火。なんと爆弾を抱えて機から離れるという荒業を敢行します。それを見た主人公、「二人の犠牲を無駄にするな」とばかりに、なんのためらいも無くエンジン点火。爆弾を宇宙空間に残し、一路地球へ。やがて宇宙空間で大爆発が起こり、エンド・マークとなるわけですが・・・

なんだか、素直に喜べないような微妙なエンディングでした。
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