バットマン(1966) |
2012-12-26 23:56 |
前回からのシーザー・ロメロ(ジョーカー役)つながりで『バットマン』(1966)
志村けんに見えなくもないですけど・・・
私が『バットマン』の実写作品を最初に見たのはティム・バートン版でした。
その後しばらくして初めてどこかのチャンネルで(WOWOWだったかも)1966年版を見た時のはかなりの衝撃を受けたものでした。
最初に頭をよぎったのが
「ティム・バートン版以前はこれが皆のイメージするバットマンだったのか?」ということ。
コメディタッチの軽いノリ、というよりも悪役も含めて能天気過ぎる作品なのですが「バットマンだからシリアスな作品に違いない」という先入観があったので、死ぬほど笑ってしまいました・・・
一人で見ていて声を出して笑ってしまう作品ってそう多くはありません。
ただ
この作品の場合、監督が意図的に笑いを取ろうとした部分と意図せずに視聴者の爆笑を誘っている部分が未だに私には区別出来ないのであります。
バットマンとロビンのやたらとハイテンションな動作は意図的に笑わそうとしたとは思えないのですがどうなんでしょうか?
アダム・ウェストの動きがやけにクネクネしたオーバーアクションなのが気になります・・・
まんまるの爆弾を頭の上に掲げて港のあちこちを駆けずり回るシーンなどは涙を流しながら笑ったものです。
有名な「バットマンのテーマ」をバックに国連のビルまで走って向かうシーンには「先に電話くらいしろよ!」とツッコミを入れつつ、まともに画面を見ていられないほどの大爆笑。
監督の狙いなのか真面目にやってるのか・・・
この作品以前にも『バットマン』は映像化されていたようで
上が The Batman (1943年)で下がその続編 Batman and Robin (1949年)だそうです。ダークな雰囲気はコミックで見かけるバットマンのイメージとそう大差無い気もします。
これらの作品は映像を見た事が無いので比較できませんけど、写真で見る限りでは1966年版のマヌケぶりが群を抜いているなような気も・・・
そういえば
バットマンがらみの作品でアダム・ウェストとバート・ウォードが本人役で登場するメイキングのような物もWOWOWで見たような気がするんですけど、アレ何だったのか・・・?
バットマンといえば、登場する数々のメカが作品ウリの一つであり、この作品に登場するバットモービルのデザインは秀逸でした。
手元の本によると
1955年に開催されたモーターショー用に製作されたコンセプトカー「リンカーン フューチュラ」をベースに、劇中車の制作で有名な社ジョージ・バリスによって改造され、その洗練されたデザインはバットマンシリーズの中でも特に高い人気を誇っている。
との事
なるほど、比較してみると
どちらも美しい、見事です。
関係ないけど、劇中車では私は「マッハロッド」が断トツで好きでした、特に前期型。
格好イイといえばオープニングの格好よさも必見でありますが、本編は全編ツッコミどころ満載の107分間。
まぁ、コントだと思って見ていたらそれほど笑えるシーンではなくとも、ある程度真面目に演技しているのでそのお間抜けぶりがツボに入ると・・・といったところでしょうか。
とぼけたキャラの憎めない悪役たちも安心して見ていられるし、何よりバットマンとロビンが仲が良いのが助かります。
ティム・バートン版はともかく、『ミスター・フリーズ』あたりになると、クライマックスに仲直りするまでずーっとバットマンと喧嘩ばかり。ロビンのセリフのあまりの馬鹿馬鹿しさには唖然としたものです。
と、書いていて今思い出したのですが
1966年版はバットマンとロビンが仲が良すぎて同性愛に見える、と視聴者から指摘があったのだとか。それが理由でバットガールを登場させたとの事。TVシリーズ見てないから何の事やら分かりませんけど・・・
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コメント |
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コメント一覧 |
投稿者 : たあ
最新の「ダークナイト」シリーズも傑作だと思いますが、実写版「バットマン」といえば1966年のTVシリーズの世代です。
ジョーカーやペンギン等のヴィランズのキャラが強烈でした。犯罪者と言うより(いや犯罪者よりたちが悪い)ほとんど○チガイ…
格闘シーンの吹出しもコミックのノリですな。
ヒーローであるバットマンも間抜けな作戦を大真面目に実行するところは呆気にとられてしまいます。
楽しくツッコミどころ満載のTVシリーズ版ですが、バットモービルは歴代で一番カッコイイと思います。
アフターバーナーのモチーフは以降の作品でほとんど踏襲されてますしね。
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2012/12/27 16:29 |
投稿者 : パラディオン
なるほど、やはり実写版といえばコレですか(笑)
もちろんTVシリーズの存在は知っていましたが見る機会が無かったんですよね。
たしかこの映画版はTVのシーズン1と2の間に作られたようなので、ほとんどTVシリーズと印象は変わらないと解釈して良いのでしょうね?
バットモービルは新シリーズもカッコイイですが、眺めていてうっとりするほど美しいと感じる1966年版が一番好きです。
呆気にとられる行動はある意味楽しいですね。サイドカーが意味無く分離したり、映画の最後にエレベーターを使用せずにロープで窓から降りたり…
TVシリーズが見たいです。
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2012/12/27 22:33 |
投稿者 : 野辺夏夫
ひと月余りのオフライン生活を終えて久しぶりにお邪魔してみるとまた懐かしいものが…あの主題歌は Bat man〜♬ と歌っていたのだ、と、バートン版第一作の時の『バット・ダンス』を聴いてはじめて私は理解したのでした(昔はべっぺ〜♬としか聞こえなくって)。
オープニングはイラストで構成されていましたっけ? いやあれはTVシリーズの方だったか…? ともかく、夜の街をバックにしたバットモービルの絵がやけにクールだったのを覚えています。本編はめまいがしそうでしたが。
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2012/12/28 17:40 |
投稿者 : 野辺夏夫
(二カ所の音符記号が文字化けしてしまいました。たいへん失礼いたしました…)
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2012/12/28 17:45 |
投稿者 : パラディオン
あらら、私のパソコンでも文字化けしてますね。
映画版のオープニングはイラストではなく、実写を二階調のイラストっぽくしたものでしたね。イラストバージョンはテレビでしょうか。
特に女性コーラスのやつは「べっぺ〜」って聞こえますよね。
子供時代はそういう勘違いよくしてました。私なんて「ルパン・ザ・サード」を「ルパンですぅ〜」って歌ってると思ってましたから、ヒドイもんです…
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2012/12/28 21:18 |
投稿者 : 野辺夏夫
〈バットマンカー〉が街路を縫って爆走中、のイメージで、クルマのクラクションふうのスキャットなんだろう、とか適当に考えていたのです。
夜の番人のはずのバットマンが、真っ昼間の大立ち回りばかりでしたね…でも、アメリカ漫画をそのまま素直に実写化すると、つまりこんな様子になるのでは、とも思えます。やたらに明るくてキラキラしたバットケイブはSF雑誌的で、私はけっこう魅了されました。お屋敷直通のリフトが上昇する時にはわざわざロケットを噴かして上がっていったり。あのバットマンって噴射が好きだったのですね。
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2012/12/30 14:14 |
投稿者 : パラディオン
あはは、車のクラクションですか。今後完全にそう聞こえてしまいそうですね。
アメリカ漫画ってイラスト程度しか知らないのですが、そういえば新シリーズなどは夜間のイメージが強いです。
この1966年版もひとくくりにして「バットマン・シリーズ」とか言って良いのか分かりませんが…
バットケイブ確かに素敵でした。ロケットを噴かして上昇するリフトもそうなんですが、そういった無意味とも思えるギミックが不思議とこの作品の魅力でもあったように感じます。あるものは格好良く見え、あるものは間抜けに見え、ですが。
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2012/12/30 16:59 |
投稿者 : esme
コメディタッチと言うか、完全にキャンプなコメディとして作られたみたいですね。
たしか当初シリアスな活劇として企画されたのを製作兼ナレーターのウィリアム・ドージアが方針変更したんだったような・・・
脚本家もそっち系の人達が集められたんじゃなかったかな?
子供の頃は真面目に観てましたが。
アメリカ本国では異常なほどの大人気番組だったそうですね。
本国のファンから「なぜ日本では人気がないのか?」と抗議(?)が寄せられたとか。
>1966年版はバットマンとロビンが仲が良すぎて同性愛に見える、と視聴者から指摘があったのだとか。
>それが理由でバットガールを登場させたとの事。
それって、ロビンの叔母さんのハリエット登場にまつわるエピソードじゃありませんか?
彼女の登場についてドージアがそのように語ったそうですが、ハリエットおばさんは以前から原作に登場していたので疑問視されているとか。
ゲイに大人気だったのは事実みたいです。ゲイカップル理想の生活・・・みたいなことで。
注:以上のコメントはうろ覚え(と言うより元々情報源がいい加減)の不確かな記憶で書いてます。
そのまま信じないでください(笑)
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2012/12/30 22:04 |
投稿者 : esme
追伸
上のコメントはTV版に関してのものです。
TV版のオープニングはアニメーションでした。
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2012/12/30 22:10 |
投稿者 : パラディオン
おぉ、色々と情報ありがとうございます!
なるほど、それにしてもバットマンを最初からコメディとして制作したとは、テレビならでは…ですかね?
まぁ、様々なシーンからコメディだというのは明らかですが、制作者の意図しないところで大笑いしていた部分も結構あったのでは、と感じています。
私自身うろ覚えで書いてしまったので、バットガールではなくハリエットおばさんで正解でしょう。ハリエットおばさんの存在自体知らなかったし(大汗)
ゲイに大人気って(笑)なるほどそれならば当時苦情が寄せられたのも分かりますね。私は全くそういった連想はしなかったですが、映画だけではそれも当然かもしれませんね。
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2012/12/30 22:35 |
投稿者 : 野辺夏夫
(格闘技、で思い出しましたが)
60年代実写シリーズのキャットウーマンさんは、「キャット・カラテ」の遣い手だったのでした。
バットマンに追い詰められて、「かかってらっしゃい!キャット空手でお相手するわ」と大見得きって構えをとるんですが、それは確かに空手だけれど受け返しの技ばかりの防御専用、相手が攻撃しなければ使えないことをとっくに見切っていた達人バットマンに指摘されて、地団駄ふんで観念する一幕に笑ったのを憶えています。
空手に先手無しを地でいってるなんて、バットマンより平和的・・・時代を考えると、スーパーヒーローが女をぶちのめすシーンを避けるための策だったのかもしれませんが。
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2013/01/31 16:17 |
投稿者 : パラディオン
ほほお、興味深い描写ですね。悪人らしからぬ武道精神、というよりも矛盾と言った方がいいのか…?
そもそもキャットウーマンという人が悪人という設定だったのかすら知りませんけど…
女をぶちのめすで何故か連想したのがハンフリーボガードのグーパンチ。昔の映画は凄かったです…
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2013/01/31 20:54 |
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ジョーカーやペンギン等のヴィランズのキャラが強烈でした。犯罪者と言うより(いや犯罪者よりたちが悪い)ほとんど○チガイ…
格闘シーンの吹出しもコミックのノリですな。
ヒーローであるバットマンも間抜けな作戦を大真面目に実行するところは呆気にとられてしまいます。
楽しくツッコミどころ満載のTVシリーズ版ですが、バットモービルは歴代で一番カッコイイと思います。
アフターバーナーのモチーフは以降の作品でほとんど踏襲されてますしね。