メドゥーサ タイタンの戦い |
2008-7-26 20:00 |

今回取り上げるのは、『タイタンの戦い』で登場したメドゥーサ。
最初はギリシャ神話のお話から。
メドゥーサというのは、ギリシャ神話に出てくるゴルゴンの三姉妹の一人です。
ステノ、エウリュアレ、メドゥーサの三姉妹は美しい娘であり、特に美しい髪を持っていたメドゥーサは、女神アテナの神殿で海神ポセイドンと交わったため、アテナの怒りを買い、醜い姿に変えられてしまいました。そのことに抗議した二人の姉も同じく、醜い姿に変えられてしまったという事です。
鱗のような身体に、飛び出した大きな目、猪の牙を持ち、長い舌が垂れている。青銅の腕に黄金の翼とを持ち、手の先には鉤爪、その頭髪は一本一本が蛇であるという・・・なんとも凄まじい描写。
三姉妹は皆同じ能力を持っていたとされていますが、最大の特徴は、その姿を見た者を石に変えてしまうという点。これは誰でも知っている有名な話ですが、不死という能力だけはメドゥーサには備わっていませんでした。この欠点があったからこそ、メドゥーサだけが有名になったとも言えるでしょう。
ちなみに『タイタンの戦い』にも登場する、三人で一つ目、一つの歯しか持っていないというグライアイ三姉妹は、神話ではゴルゴンとも姉妹です。そんな関係で、グライアイだけがメドゥーサの住処を知っていたというわけです。ちなみに、ゴルゴンのほうがお姉さん。
メドゥーサは英雄ペルセウスに首を切り落とされてしまうのですが、その傷口からは、天馬ペガサスとクリューサオールが産まれたとされています。
さて、メドゥーサで思い出される映画といえば、私が子供の頃テレビでよく放送していた『妖女ゴーゴン』(1964)というのがありました。ハマー・プロの作品で、これは結構怖かった。

他にもメドゥーサが登場する映画は数多く作られていますが、大抵メドゥーサ役には綺麗な女優さんがキャスティングされていて、頭にはゴム製の蛇がブラブラ・・・というのが多かったように思います。
ハリーハウゼン版メドゥーサが登場する『タイタンの戦い』ですが、メドゥーサとペルセウスの決闘シーンはハリーハウゼン作品でも屈指の名シーンとなりました。
映画では、ペルセウスが盾にメドゥーサの姿を映して戦い、剣でメドゥーサの首を切り落とすという決着だったのですが、初期の絵コンテには、盾を円盤投げのように投げて、メドゥーサの首を切り落とすというシーンがありました。
このシーンがボツになった理由は分かりませんが、個人的にはフリスビーによる首チョンパを見てみたかったです。
ハリーハウゼンのメドゥーサの凄い所は、なんと言ってもその頭の蛇が一本づつ全てリアルに動いているという事でしょう。
この頭の蛇、画面ではほとんど分かりませんが、よく見るとそれぞれ微妙にデザインが違っているそうです。一本づつデザインを変えておかないと、次に作業をする時に、どれを動かしたのか分からなくなってしまうから、というのがその理由だそうです。
一日中作業して、5秒から10秒程度のフィルムしか完成しないというストップモーションの仕事は大変な作業だったのですね・・・
最後に、
私のホームページでは、『タイタンの戦い』の番外編として『英雄ペルセウスの冒険物語』(ギリシャ神話編)を紹介していますので、興味のある方はどうぞ。
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