火星着陸第1号 |
2010-6-27 19:02 |
古いSF映画のファンにはたまらないデザインのポスターは『火星着陸第1号』(1964)
えーと、SF作品にも細かく別けると色々なジャンルがあるわけで・・・
地球侵略、モンスター、タイム・トラベル、近未来などなど。中でも私が好きなのは、宇宙SFというやつ。別の惑星を舞台にした作品、あるいは宇宙探検物とでも言えばいいのでしょうか。
未来を描いたはずなのにノスタルジーを感じさせる、というのも私が古いSF作品が好きな理由の一つで、特にそれが顕著なのが宇宙SFというジャンル。
地球ではない別の惑星の風景、宇宙船の外観と内部、さらには光線銃や無線機などの小道具まで、未来的でありながらもレトロなデザインを堪能するのも古典SFを見る時の楽しみの一つなのです。
いわゆるレトロフューチャー。昔の人が考えた未来像を見るのって本当に面白い。
いきなり前置きが長くなりましたが
この『火星着陸第1号』もそんなレトロなデザインが多く見られる作品です。
宇宙船「エリナーM」は、流星群により予定のコースを外れ火星に不時着。宇宙飛行士のドレイパーとペット(実験用か?)の猿は、わずかな酸素と食料でのサバイバル生活を余儀なくされる。ある日、ドレイパーは一人の異星人と出会う。彼は火星の鉱物を採掘するために送られてきた奴隷であった。脱走を計り逃げてきた異星人に敵意がない事が分かると、ドレイパーは彼をフライデーと名付け、共同生活を始める。異星人はフライデーの居場所を突き止め、攻撃を仕掛けてくる。住居を破壊され、異星人の追っ手から逃げながら食料と水を求める苦難の旅が始まった・・・
昔テレビで放送された作品の中でもとても印象深い作品の一つで、“ROBINSON CRUSOE ON MARS”という原題からも分かる通り、これは『ロビンソン漂流記』の舞台を火星に置き換えた作品です。
さて、この作品にはいくつかの見逃せないポイントがあります。
テレビ・シリーズ『バットマン』のアダム・ウェストが出演していました。
火星に不時着した時点で事故死してしまうという脇役だったのがファンとしてはちょっと残念。
監督はあの名作『宇宙戦争』(1953)のバイロン・ハスキン。
SF・ファンタジー関連の作品では『宝島』(1950)、『黒い絨氈』(1954)、『宇宙征服』(1955)、『キャプテン・シンドバッド』(1963)などを監督しています。
そして、脚本を手がけているのが、イブ・メルキオール。
何故かこの人が絡んだ作品は不思議とツボにはまるんですよねぇ・・・。監督作品である『巨大アメーバの惑星』(1959)をはじめ、脚本を担当した『原始獣レプティリカス』(1961)、『S.F.第7惑星の謎』(1961)、『タイム・トラベラーズ』(1964)、『バンパイアの惑星』(1965)など、どれもお気に入りの作品ばかり。
監督が同じという事もあってか、異星人の円盤が『宇宙戦争』のものとソックリ。
特撮担当が違う人のせいか、全く異なるイメージで多少デザインも変更されています。光線を連射し、火星の岩肌を破壊しながら迫り来る姿はかなりの迫力で、この作品の見どころの一つ。そのすばやい動きは『宇宙戦争』のものとはまた違った怖さを感じさせました。
岩だらけの地表、火山の爆発、寂しげな夜景から雪景色まで、季節によって変化する火星の描写はとても美しく、見ていて飽きる事がありません。地表シーンのロケ地はカリフォルニアのデス・バレーだそうです。
大宇宙に一人ぼっち、というシチュエーションの映画って何故か惹かれるものがあります。
『サイレント・ランニング』(1972)や『惑星ソラリス』(1972)、『第5惑星』(1985)など、この手の作品には傑作が多いような気がします。
登場人物が少なくてストーリーがシンプルな分、観客を飽きさせないための工夫がなされているからでしょうか?
この『火星着陸第1号』も、酸素を生み出す鉱物の発見、機材を利用した砂時計の製作、相棒の猿が食料や水の発見に一役かったりと、物語が単調にならないための工夫が随所に見られました。客観的に見て、傑作とは言えない出来ですけど・・・
最後にレトロなデザインの宇宙船やメカ。
脳内麻薬物質が激しく分泌されるような快感。やっぱりいいなぁ、こういうの・・・
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コメント |
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コメント一覧 |
投稿者 : barbie
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かなり古い作品ですね、昨年アポロ11号着陸50周年記念の記録映画を4K高画質で見ましたが、それよりも古い作品だ。当時の特撮技術から言えばかなり頑張ってる方ですが・・・・監督バイロンハスキンと言えば有名な「宇宙戦争」ですが、異星人の宇宙船がそっくりで 異星人の着てる宇宙服がジョージパルの「月世界制服」の宇宙服だった(笑)確か宇宙人は宇宙服なんて着ないでしょうと思ったよね、この作品、宇宙航行中の場面はアニメーションですが東宝映画の糸で吊ったぎくしゃくした特撮よりは良いと思います。21世紀の現在・・・・火星は\"実は人間が呼吸出来るだけの大気圧がある\"ことがわかっている(350hpl〜450hpl)からこの作品そんなに荒唐無稽とは言えないかも、BDの英語盤出たそうなので、とりあえず購入したいですね
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2020/09/24 15:42 |
投稿者 : パラディオン
barbieさん こんにちわ
これもBDのですか。このブログ書いてから見ていないので大分記憶が薄れてきました。監督さんは同じでも宇宙船の動きは全く違いますね。いただいたコメントを切っ掛けに再度鑑賞する事がよくあるので、今晩の映画はこれで決まりです!
なかなか面白い作品なのでbarbieさんもぜひ。
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2020/09/24 16:04 |
投稿者 : barbie
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・・・・とりあえずニコニコ動画の予告編見たら、確かに宇宙戦争の画面の動きと違いUFOらしい素早い動きでしたね、宇宙人は悪人だと言うハリウッドの決め付けには残念ですが・・・・昔は悪人一辺倒だから仕方ないか・・・・。
UFOものと言えば「未知との遭遇」ですが、実はあのストーリーは実話だったのはご存知でしたか?当時のアメリカ大統領RレーガンがSスティルバーグ監督にこっそり耳打ちしたこと。1947年ロズウェルに墜落したUFOの生存した宇宙人(イーブ1号という)とやり取りして、遂に彼らの故郷レティクル座ゼータT、2と連絡を取り(地球から39光年)科学者達と会話の訓練を繰り返して、やがて科学者の提案で地球人と交換留学の話が進んで・・・・
1960年代に地球人10名が彼らの宇宙船で15ヶ月かけて彼らの故郷惑星セポロに到着・・・・13年後に帰還したという、もちろん極秘裏の計画、歴代大統領もこの計画を承認していたとの事。・・・・・21世紀の現代の火星探査機で火星には様々な生物がいること、火星の地下に古代の地下都市があること、古代の火星人は10万年以上前に姿を消した事(火星と木星との間の惑星が爆発して火星の環境が破壊されてしまって一部は地球へ脱出したという)NASAは全て知っているのに・・・火星には何も居ないと嘘をついてますね。火星の空は青かった。
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2020/09/24 18:49 |
投稿者 : barbie
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・・・・・ロズウェルUFO墜落事件の生き残りの宇宙人の故郷は惑星セルポでした
(レティクル座ゼータT、2)
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2020/09/24 18:52 |
投稿者 : パラディオン
惑星セルポの話は知りませんでした。
ロズウェル事件に関しては色々なサイトで動画を見たり読んだりしましたが…
突拍子もないSFのような話ですが、信じたくなりますね。
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2020/09/24 20:40 |
投稿者 : barbie
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まあね(笑)皆さん有名な事件だから知っている人間は多いけど・・・・内容を詳しく知る人は少ないね。墜落したUFOから回収した部品から現代人に役立っています。携帯電話の中の集積回路は当時のUFO軍関係の責任者が民間に委託してメーカーに秘密にして開発させたもの またUFO内のある配線が長年解明出来なくて、ついに光ケーブルだと判った事 UFOの外殻が特殊な繊維で有ることが判って、これは・・・・今では軍事用の防弾チョッキに応用されています。
また20世紀の発明品と言われるトランジスターも当時真空管だったものをエイリアンからのテクノロジーの供与としてトランジスターの開発に協力したもの。・・・・・アメリカ政府と協定を結んだエイリアン「Kグループ」が協力したこと、とにかく、当時は扱いにくい真空管に取って代わるものを生み出す事が必要とされていた。エイリアン達は、ショックリーとその研究仲間たちに二極真空管をコンパクトにする方法や検波器としての利用方法、そして鉱石真空管による増幅回路の作成法を指導したのだ。トランジスターの当初の名前が\"鉱石真空管\"であった事を記憶に留めておいてほしい。(1946年代初期のもの) (MONTAUK REVISITED:Adventures in Synchronicity)モントークプロジェクト2
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2020/09/24 22:44 |
投稿者 : barbie
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輸入盤やっと到着したので早速試聴しました。50年前の作品と思えないほど特撮は素晴らしいです。普通過去の作品みるとがっかりするものですが、当時の作品にしてはよく作られていますね。火星探査機の母船が超高速で飛行する場面で宇宙空間であんなロケットエンジンの音がするのか(笑)まあ昔の映画だし・・・・。
火星探査機は火星の周回軌道に乗らずにいきなり着陸はかなり無謀ですが、この火星探査機は母船の両脇に着陸船を抱えていたのですね、画面をストップモーションかけて判った(笑)最初着陸船が何処から出てくるのか不明でした・・・。着陸船のデザインは当時NASAが計画していたジェミニ計画の宇宙船とそっくり、そのジェミニ宇宙船に着陸用の脚を取付けたデザインでしょう。すると火星探査機の母船はかなり大きなサイズになりますね、母船なのは他の宇宙飛行士は乗ってないのかな?映画の中で頻繁に上空を通過してますが連絡取れないのか?
また火星の上空にやたら隕石が通過してしょっちゅう爆発するが、隕石通り過ぎ(笑)
火星の表面は今ではもっと平坦なイメージですが、この映画ではかなり険しい起伏の多い地形だろうという当時のイメージですね。肝心要の火星の大気ですが、NASAは今でも真実を隠していますが・・・・近年の火星探査機の降下パラメータを専門家が解析したところ、350hpl〜450hplあるらしいことがわかりこれは地球の高度5000メートルくらいだから全く呼吸出来ない訳ではない、映画の中盤から主人公は普通に呼吸しているのは薄くてもなんとか呼吸は出来るという火星の\"真実\"を表しているのかも知れません、わたしは有り得ると思っています。また火星の空は実は青い空だという事が明らかになっています(NASAは火星探査機からの情報で青フィルターとグリーンのフィルターの情報をわざと外しています)なので近年YOUTUBEに投稿されているようにいろんな生物が存在しているようです。この映画では着陸して間もなく火炎の塊みたいな生物??が飛び交ってますが見事な発想ですね。素晴らしい 異星人の宇宙船は「宇宙戦争」の宇宙船と似ているが、光線が下からビームで発射されるのは視覚効果抜群で宇宙船の素早い動きは現代のSF映画にも全く劣らない見事です。
最後に火星の南極か北極付近で救助船がやってきて映画はエンドになりますが・・・・あのあと異星人フライデーは一緒に連れて行ったと思います、主人公が置いてけぼりにはしないだろうと命の恩人ですからね と思いたい・・・。
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2020/10/07 18:29 |
投稿者 : パラディオン
こちらも久々に鑑賞しました。たしかにジェミニ計画の宇宙船とよく似ていますね。一見荒唐無稽なようですが、今見てもデザイン等素晴らしく、よく出来ているなぁと感心してしまいました。なりゆきを考えれば最後は当然一緒に帰るでしょう。やっぱりSF映画は楽しい。
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2020/10/07 20:53 |
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