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海底二万哩(1954年ディズニー版)


1954年にディズニーが製作した『海底二万哩』

上の写真は原作者であるジュール・ヴェルヌの生まれた国、フランスで公開された時のポスターです。

舞台は19世紀の半ば、世界各地の海で軍艦が沈没するという事件が多発する。怪物の仕業だと語る唯一の生存者。原因解明のためアメリカ政府は調査船の派遣を決定する。
銛打ちの名手ネッド、海洋学者のアロナクス教授と助手のコンセイユらが乗り込んだ調査船は、怪物の襲撃を受けて沈没。
教授とコンセイユ、ネッドの三人は巨大な潜水艦に助けられるのだが、ノーチラス号というこの潜水艦こそが怪物の正体であり、三人はネモ船長により囚われの身となってしまう・・・

『海底20000マイル』や『ネモ船長』の映画は数多く存在しますが、未だにこのディズニー版を超えるものはありません。それどころか、全ての海洋アドベンチャー映画、数多くあるジュール・ヴェルヌの映画化作品中の最高傑作と言ってもいいでしょう!

・・・というのはあくまでも個人的な感想ですけど(^^;)

まぁ、それほどお気に入りの映画であり、褒め言葉以外が思いつかない、数少ない映画の一つなのです。

ジェームズ・メイソンやカーク・ダグラス、ポール・ルーカス、ピーター・ローレなど、俳優陣も充実。オットセイのコミカルな演技も忘れがたい。


この作品には画期的ともいえる点、いくつかの特徴があります。

その一

侵略SFやモンスターが主流だった1950年代に、あえて海を舞台にした冒険映画が作られたという事。まぁ、これはディズニーの製作ですから・・・らしいといえばディズニーらしいですが、話は悲劇的。感動できるSF作品って珍しい。

その二

ヒロインと呼べる女性が登場しない。これは珍しいですね。色気に頼らないというのは、製作側の自信の表れか? SF映画に恋愛を絡めるのが好きではない私にとっては心地よいものでした。エンターテイメント作品ながら、作品全体にリアリティーを感じるのは、これが理由の一つかもしれません。

その三

ネモ船長が、冷血でねじ曲がった性格の人物として描かれている事。他の作品のネモ船長像とはちょっと違いますが、これはこれで良かったかも。ジェームズ・メイソンの狂気の演技が凄まじかったです。ジェームズ・メイソンといえば、SFファンには同じジュール・ヴェルヌ原作の『地底探険』(1959)での探検隊のリーダー、オリヴァー教授役が印象深いです。

その四

世界初とも言われる本格的な水中撮影。困難を極めた撮影は、水中での葬儀のシーンだけで一ヶ月を要したとか・・・

その五

ラージ・スケール・メカニカルの巨大イカ。このイカだけで制作費は二十万ドル、操作したオペレーターは30人近くもいたとか。こんな大がかりな仕掛けは間違いなく世界初。この大イカを作ったのはロバート・A・マッティという人で、『JAWS/ジョーズ』(1975)のサメを作ったのもこの人。これはアナログ的な特撮としては最高峰だと思いますが、CGを見慣れた現在では微妙・・・


というわけで、

この映画はかなりエポックメイキングな作品だったわけですが、それらの全てを差し置いて、最も記憶に残っているのがノーチラス号。


ある時は海底をゆっくりと浮遊し、またある時は超スピードで疾走し軍艦を撃沈する。ライトをつけて海面に現れた最初の登場シーンから、息絶えるように沈んでいくラストシーンまで、まるでネモ船長の怒りや悲しみが憑依したかのような動きを見せるノーチラス号は、それ自体がまるで意思を持った生物のように見えました。

これは、デザインが魚っぽいのも微妙に影響しているかも・・・

このノーチラス号をデザインしたハーパー・ゴフ(Harper Goff)という人は、『ミクロの決死圏』(1966)のプロテウス号もデザインしています。そういえば、監督も同じリチャード・フライシャーですね。

この作品は、1954年のアカデミー賞で、特殊効果と美術の二部門を受賞。

外観、内装共に他の作品のノーチラス号とは比べ物にならないほどの出来栄えで、今見てもその潜行シーンの美しさには見とれてしまいます。


海底都市 アーウィン・アレン


『海底都市』の製作と監督は、以前にブログでも書いた事のあるアーウィン・アレン。

アーウィン・アレンといえば、TVのSF番組『宇宙家族ロビンソン』(1965〜1968)、『タイムトンネル』(1966〜1967)、『原子力潜水艦シービュー号』(1964〜1968)などを手がけた名プロデューサー。

この作品はTVシリーズ『巨人の惑星 』(1968〜1970)の終了後の1970年の製作です。

その後、映画に進出し、『ポセイドン・アドベンチャー』(1972年)、『タワーリング・インフェルノ』(1974年)などを手がけ、パニック映画の巨匠と呼ばれるようになるアレン監督作品だから面白くないわけがない。

と言いたいところですが・・・

実際のところ、アーウィン・アレンを語る時に、ほとんど触れられる事が無いのがこの作品。何故、この時期にこのような作品を? というのが率直な印象。

あらすじは

舞台は2051年の近未来。海底都市の設立者であるマシューズは、大統領の要請により、強力なエネルギー源であるH-128を海底地震による誘爆から防ぐための対策を講じる、という特命を受け、再び司令官の任務に就く。しかし、H-128用の貯蔵庫を建造中に小惑星衝突の危機が迫り、決死の避難作戦が始まるのだが、その裏では、H-128を盗み出そうと目論む一派の謀略が着々と進行していた・・・。

海洋アドベンチャーとしては、可もなく不可もなく、といったところでしょうか。しかし、同じ海洋物としては、数年前に作られた『シービュー号』やその原型でもある『地球の危機 』(1961)の方が明らかに上。

物語の前半部分は、マシューズの司令官復帰を快く思わない人たちとの確執による人間ドラマに終始。そして後半は、小惑星衝突の危機によるドタバタの脱出劇へと路線変更。いきなり衝突まで7時間って・・・

脚本や演出はともかく、いかにもアーウィン・アレンらしい特撮部分はこの作品の見どころです。


キラキラと金色に輝く海底都市。そこを往来する潜水艦や、透明チューブの中を移動する車は、少年時代に夢見た未来都市そのまま。話のスケールの大きさに反比例するかのようなお粗末なセットも含め、まぁ、そこそこ楽しめる内容ではありました。『シービュー号』の飛行潜水艇「フライング・サブ」の登場も、ファンサービスというよりも、予算の都合と思えてしまうのがちょっと悲しい。

この作品には、アーウィン・アレン作品の常連俳優がたくさん出演しています。

主な登場人物はこちら


『タイムトンネル』からはダグとトニー、そして所長さんも。そしてシービュー号のネルソン提督ですね。

次の画像


上はこの映画の主役、マシューズ提督とヒロインのリアです。この二人がやがて恋に落ちるという・・・

スチュアート・ホイットマンは、この人がヒーロー役でいいの? と思える風貌だし、ヒロインのローズマリー・フォーサイスも微妙。まぁ、美人だとは思いますけど・・・

そしてH-128強奪を目論む悪役、ロバート・ワグナー。私はこの映画のビデオを持っているのですが、悪役のワグナーの写真がパッケージになっているのは一体? 主人公のビジュアルに難あり、というビデオ会社の判断でしょうか。

一番印象的だったのが、水中で息が出来るという設定の両棲人間を演じたバール・デベニング。

最初は両方の頬にくっついている物を見て、「おぉー、特殊メイクでエラを付けたんだ!」と思っていたらただのモミアゲだったという・・・

個人的には、リチャード・ベースハートやバール・デベニング、ローズマリー・フォーサイスなど『刑事コロンボ』で見た事がある人が多く出演していたのが一番楽しめました。

ホムンクルス(Homunculus) シンドバッド黄金の航海


今回はハリーハウゼンのモンスター図鑑第十二弾としてホムンクルス。

なんとも地味なキャラクターですが・・・

映画の中では魔術師クーラの手先として登場。クーラの目と耳につながっており、スパイの役割を果たしていました。

一匹目が殺された後、クーラは新たにホムンクルスを創造します。


生命を吹き込まれたホムンクルスがゆっくりと頭を上げ、辺りを見回す。最初はクーラを怖がっていたが、やがてクーラを主人と認識し、腕に飛び乗る。
イーマの誕生シーンと良く似た演技を見せるこの場面は、ハリーハウゼン自身もお気に入りのシーンだとか。

ホムンクルスの誕生は、中世ヨーロッパの錬金術の時代までさかのぼります。

ホムンクルスとは錬金術師によって作られた人工生命体で、土から作られたゴーレム、ギリシャ神話の青銅人タロス、フランケンシュタインなどと一緒に語られる事が多く、人造人間やロボットの誕生、歴史などを扱った本などでよく取り上げられています。

鉄や銅を金に変えるのが不可能だとすれば、全ての錬金術師と呼ばれた人々は詐欺師だった事になりますけど・・・

ホムンクルスの生成に関しては、様々な伝説がありますが、一般的に知られているのは、錬金術師のパラケルススという人が書いた本でしょう。
彼の著書「ものの本性について」の中に、男性の精子からホムンクルスという人工生命体を作る方法が書かれています。

その方法とは、

蒸留器に人間の精液を入れて40日密閉する。腐敗が始まると、透明で人間の形に似ているものが現れ、生命活動が始まる。馬の胎内と同等の温度で保温し、40週間に渡って人間の血液を与え続けると、小人のような人間が出来上がる。

今の試験管ベビーですね、当時としては凄い発想。

実際、錬金術師と呼ばれる人々の仲には、化学的な知識が豊富で、医学の技術も確かな人物も多かったとか。中世ヨーロッパではトップクラスの知識人だった、というのは事実だそうです。

自分はホムンクルスの生成に成功したと語るパラケルススは、イタリアの大学の医学部を卒業し、その後スイスのバーゼル大学医学部教授に就任した程の人物。

頭が良くないと、イカサマ師という商売は出来ないか・・・

もう一つ

ホムンクルスはマンドレイクの根を原料にして作られた、という説もあります。

マンドレイクとは、地面から引き抜くと悲鳴を上げて、それを聞いた人間を死に至らしめるという伝説がある植物で、いびつで奇妙な形をしている根の中には、本当に人間に似ているものもあるそうです。 


この画像も、人間に見えなくもないです。

古くから薬草として用いられていたマンドレイクは、魔術や錬金術の原料とされる植物で、錬金術師の血液をたらすとホムンクルスが誕生し、命令に従うようになると言われています。

映画のシーンはこっちの伝説をそのまま映像化したものですね。

化学的知識によって生み出されたホムンクルスは、もはや想像上の生物とは言えないのかも知れません。近い将来には伝説ではなくなっている可能性が大!

遺伝子操作で本当に人工生命体が作られた場合、それってやっぱりホムンクルスって呼ばれるのでしょうか・・・

クリスマスっぽいスノーグローブ


本格的にクリスマス・シーズン到来!

というわけで、

今回は映画とは関係なく、我が家の小さなイルミネーション、スノーグローブです。

スノードームの写真など何処でも見る事ができるし、珍しくもないですけど・・・

上の写真は、私がコレクションを始めるきっかけとなった映画『市民ケーン』(1941)のレプリカ。全て職人による手作りという、PERZY社のスノーグローブです。

次は成田のガラス細工専門店で購入したもの。


ジャックのスノーグローブ。これはハロウィンですね。秋葉原で購入。


クリスマスといえばこれ、ホリデーハウスとスノーマン。オルゴールとライトアップ機能付き。


最後はムーミンズランチのフィギュアと製作キットを使って、自分で作ったもの。自作はスノーグローブの楽しみの一つ。気泡が入らないようにするのが難しいですが、意外と簡単に作れます。

メソメソ


旅立つスナフキン


全部載せたら大変な事になってしまうので、クリスマス的なものに絞ってほんの数枚だけのっけてみました。

19世紀にペーパーウェイトとして誕生したスノーグローブ。日本での愛好者はあまり多いとは言えませんが、ネットで検索してみると、結構スノードームを扱ったサイトがあります。これにハマって集めだすと、いくらコレクションしてもきりが無いので要注意・・・

宇宙大戦争 サンタvs.火星人


何となくクリスマスっぽくなってきました。

クリスマスとは全く無縁の私のブログですが、今年は何かクリスマス的な映画でも、と考えたのですが、クリスマスを題材にしたファンタジー映画は数多くありますが、SFでは・・・

と考えていて、ふと思いついたのが、1964年製作のアメリカ映画、『宇宙大戦争 サンタvs.火星人』

自分の子供たちを喜ばせようとした火星人が、地球に住むサンタクロースを誘拐して大騒動に、というファミリー向けのSF作品です。

これ知ってる人って、日本に何人いることか・・・

あまり語る事もないので、簡単にストーリーでも


地球の電波を受信して、サンタクロースのオモチャ工場から中継されるテレビを見ているのは火星人の子供たち。

サンタに夢中になっている子供たちのために、地球からサンタをつれて来る事を計画するお父さんたちは、宇宙船で地球へと出発。

地球で出会った幼い兄妹を宇宙船に連れ込み、サンタの居場所をきいた火星人たちはいざ北極へ

あれ? 子供たちが逃げたぞ、ロボットを出動させて兄妹を捕らえるのだ!

というわけで、登場したのがこのロボット


こりゃ、酷い・・・

玩具工場を襲撃しサンタを捕らえる事に成功した火星人ですが、一人だけ火星にサンタを連れて行くという計画に反対する者がいました。

こいつが悪役で、サンタを始末しようとしている、というわけです。

サンタの一行が無事火星に到着してからも、この人物が原因で一悶着あるのですが、結局、反逆者は捕らえられ、地球からやって来たサンタのおかげで、楽しみというものをあまり知らなかった火星人の子供たちにも笑顔があふれて、めでたしめでたし・・・とまぁ、大体こんなストーリーです。

子供たちが水鉄砲や洗車など、玩具を使った攻撃で悪役を撃退するシーンはなんとも大らかというか、能天気というか・・・

さらには、あのロボット・・・

SF作品に登場するロボットとしては最低の部類ですが、ブリキの玩具として見れば、結構いい味だしていると思うのですがどうでしょう?


そういえば、悪役に捕らえられたサンタが、煙突から家に入れるという特技を生かして脱出。サンタが死んだとばかり思っている悪役の前に笑いながら登場する、というのはいいアイデアでした。

ファミリー向けコメディとしては、まあまあ、という気もしますが、一回見れば十分かなぁ・・・


それにしても、どうしてコメディに出てくる火星人って、頭にアンテナ二本なんでしょうか?

SF映画の空飛ぶ円盤


人類は流線型の宇宙船で他の惑星を目指す。それでは宇宙人が地球にやって来る時は・・・

現実はどうか知りませんが、古いSF作品では、ほとんどの異星人が円盤状の宇宙船で飛来します。ロケットでやって来る宇宙人ってあまり見た事がありません。

というわけで、前回の「流線型の宇宙船」に続いて、今回は「SF映画の空飛ぶ円盤」あるいは「UFOの出てくるSF作品」を個人的な趣味で集めてみました。

まずは上の画像、比較的メジャーな作品から、左上、右上、左下、右下の順番

『禁断の惑星』(1956)に登場した宇宙連邦船は唯一の例外。宇宙人の円盤ではなく、地球人の乗り物でした。

微妙に前後があるデザインは『宇宙水爆戦』(1954)のメタルーナの宇宙船。

テレビ・シリーズ『謎の円盤UFO』(1970〜1973)の円盤。どこに人が乗っているのか不思議。

典型的なアダムスキー型の円盤は『インベーダー』(1967〜1968)から。

続いて日本の作品から。日本の特撮映画は円盤の宝庫でした。


東宝作品『怪獣大戦争』(1965)に登場したX星人の円盤。

同じく東宝から『地球防衛軍』(1957)のミステリアンの円盤。

大映作品『ガメラ対大悪獣ギロン』(1969)のテラ人の宇宙船。

松竹からは『吸血鬼ゴケミドロ』(1968)の円盤。この画像では分かりにくいですが、これもアダムスキー型。四つの突起物を回転させながら、地面を這うように近づいてくる様子は巨大生物を思わせる迫力。これほどUFOそのものの存在が怖い作品はありません。SFホラーの傑作。

続けます


UFOといえばこの作品。ハリーハウゼンの『世紀の謎・空飛ぶ円盤地球を襲撃す』(1956)

『地球の静止する日』(1951)でクラトゥが乗ってきた円盤。継ぎ目の全く見当たらない円盤。その出口がスーっと開く様子が格好よかった。

『アウターリミッツ』(1963〜1964)の23話「遊星衝突の危機」に登場した円盤。遊園地のアトラクションが実は本物のUFOだったという・・・右の写真はそれが宇宙に飛び立つシーンのもの。

次第にマイナーな作品に


『ミステリー・ゾーン』(1959〜1965)の「幻の宇宙船」に登場したUFO。本物のUFO写真みたいです。実際にこの話の別のシーンが、円盤墜落の証拠写真として出回るという事件がありました。

巨大ロボットを地球に運んできた『クロノス』(1957)の円盤。

『プロジェクトUFO』(1978〜1979)には葉巻型やラグビーボール型だけではなく、様々な形の宇宙船が登場しました。その中から典型的な円盤の写真を一枚。

『宇宙戦争』(1953)のウォー・マシンにそっくりなのは『火星着陸第1号』(1964)の円盤。ゆっくりと地を這うように移動するウォー・マシンと違い、その動きはまさにUFOのイメージ。監督も『宇宙戦争』と同じバイロン・ハスキンですが、ジョージ・パルは無関係。

最後はSF作品のお約束、最低映画から


史上最低の映画と言われる、エド・ウッド作品『プラン9・フロム・アウター・スペース』(1959)の円盤。糸で吊られた円盤が左右にふらふらと揺れ動くシーンは、リアルさの欠片も感じられません。ただ、私はこれが史上最低の映画とは思えませんけど・・・

『火星から来たデビルガール』(1954)の円盤。爆笑物のロボットも必見。

イタリア/フランス/西ドイツの合作『侵略惑星スケルトン』(1962)から。うーむ、これは最低映画かどうかは微妙・・・

『宇宙からの少年 TEENAGERS FROM OUTER SPACE 』(1959)の宇宙船。地球侵略を目論むエイリアンが現れるのですが、

その登場シーンがこれ


こうやっててっぺんのフタを開けて、ちっともそれらしくない宇宙人が次々と登場するシーンは爆笑もの。いくらなんでもこれは・・・カバン持って通勤してるみたいじゃないですか。この平べったい円盤のどこにそんなに入ってたのか? これはエド・ウッド作品を超える最低映画の一つでしょう。

ふぅー、今回は長くなったなぁ・・・さて、

「空飛ぶ円盤」という言葉ができたのが1947年のケネス・アーノルド事件。それ以前の作品では「フライング・ソーサー」という概念そのものが無かったわけです。
1970年代になると、異星人の宇宙船も「メカ」を重視したデザインとなり、シンプルな円盤は銀幕からほぼ一掃されてしまいます。

そんな理由から、1950年代と1960年代の作品に集中してしまいました。

お皿型の円盤は同じような形でも、見ていて飽きないのが不思議です。子供の頃からの憧れの乗り物だからか、それともそういう世代(年齢)だからか・・・

SF映画に登場する流線型の宇宙船


一年に数回しかない二日続けてのブログ更新

連休で暇なので、SF作品に登場した流線型の宇宙船を集めて、一人で勝手に喜んでしまおうという・・・

上の写真は『地球最後の日』(1951)に登場したアーク号です。

日本でまだSFが「空想科学」と呼ばれていた時代、『空想科学映画』に登場する宇宙船のほとんどは流線型でした。宇宙船に限らず、「流線型のデザイン」は未来を連想させる重要なアイテムだったと言えるでしょう。

しかし、1968年の『2001年宇宙の旅』によって、それまでの「宇宙船=流線型」のイメージは完全に過去の物となり、それ以降の宇宙船はメカニカルで精密なものが主流となりました。

さらに現代では、真空の宇宙空間を移動するのに速度はボディの形状には関係しない、という事が解っています。まぁ、諸説あるようですが、私には良くわかりません。

まずは比較的メジャーな作品から、映画のタイトルは、左上、右上、左下、右下の順に。


ジョージ・パル作品『地球最後の日』(1951)のアーク号の別角度。ザイラに着陸するところ。

同じくジョージ・パル作品から『月世界征服 』(1950)のLUNA(ルナ)

日本映画から『宇宙大戦争』(1959)のスピップ号。東宝作品には流線型のデザインが多く登場しました。

ハリーハウゼン作品から、『地球へ2千万マイル』(1957)に登場した金星探査ロケットの墜落シーン。イーマ竜を地球へと運んできました。

続いて


東ドイツ/ポーランドの合作『金星ロケット発進す』(1959)のコスモストレーター

ソ連映画『火を噴く惑星』(1962)で三機登場するうちの、これはベガ

イブ・メルキオール作品から『S.F.第7惑星の謎』(1961)のエクスプローラー12。移動手段として登場するだけですが、惑星間を突き進む姿は当時のSF作品では定番とも言える演出。

同じくイブ・メルキオール作品から『巨大アメーバの惑星』(1959)のMR-1。これもほとんど移動手段としての登場。
イブ・メルキオールって宇宙船はあまり重視していなかったのか、どちらも面白味に欠けるデザインで、流線型というよりもペンシル型。

かなりマイナーな作品から


ハマー・プロ作品『原子人間』(1955)の探査ロケット。おっと、これは比較的メジャーな作品でした。宇宙生物を持ち帰ってきたやつで、墜落シーンのみ。

『恐怖の火星探険』(1958)に登場した火星探査ロケット、チャレンジ141号。『エイリアン』(1979)の元ネタとされる作品。

『宇宙レンジャー:ロッキー・ジョーンズ』(1954)で主人公が乗る宇宙船。元々はテレビ・シリーズ。

絵に描いたようなペンシル型ロケットは『幻の惑星』(1961)の宇宙船ペガサス。主人公が「小人たち」の世界に着陸するという、宇宙版「ガリバー旅行記」ともいえる内容で、結構面白かったです。

最後は、そんなのだれも知らねぇよ、というような作品から


テレビ・シリーズ『アウターリミッツ』 (1963〜1964)の第六話「生まれてこなかった男」に登場した宇宙船。作品自体はメジャーだけど、こんな宇宙船だれも覚えていないでしょう。『スペース1999』(1975〜1977)のマーティン・ランドーがこのエピソードの主役でした。

『火星探険 ROCKET SHIP X-M』(1950)のX-M号。人類初の有人月ロケットが、軌道を外れて火星に到着してしまうという信じられない設定の作品。着陸シーンでは実写を使用しているため、着陸後とでは宇宙船の形が全く違うという低予算の最低映画。

『人間ロケット』(1953)のAS-1号。人類初の有人ロケットで宇宙に挑戦する物語。これも他の作品からの流用が多く、シーンによってロケットの形が違うという・・・ハマー・プロの作品。

イタリア製のSF映画『ASSIGNMENT OUTER SPACE 』(1960)に登場したBZ-88。日本では未公開で、SFチャンネルで放映された時のタイトルは『SOS地球を救え』。大活躍するBZ-88号のデザインもよく、映画全編が宇宙でのシーン。意外とマトモな作品でした。

こうして並べてみると、邦題に「惑星」がつく作品が多いですね・・・

現在のSF映画でも流線型と呼べるデザインの宇宙船は結構ありますが、この時代の宇宙船はいたってシンプル。レトロでありながら、未来を感じさせるデザインは今見てもワクワクします。

火星人地球大襲撃


前回の『原子人間』『宇宙からの侵略生物』に次ぐ「クォーターマス教授」シリーズの第三弾が前作から10年後に作られた『火星人地球大襲撃』(1967)

ブライアン・ドンレヴィのジジイ化が進んだため、今回はアンドリュー・キアがクォーターマス教授を演じています。

ロンドンの地下鉄工事現場で、奇妙な物体と類人猿の骸骨が発見されるところから映画は始まります。

その物体はダイヤよりも硬い未知の材質で作られており、類人猿は脳だけが異常に発達していた。クォーターマス教授は、その物体が火星から500万年前に飛来した宇宙船であるという仮説を立てる。

一方、この場所は昔から古代から悪魔の出る場所として恐れられており、多くの心霊現象が報告されていた。そして、作業員がその宇宙船の内部で、小鬼の幽霊を目撃するなどの怪奇現象が起りはじめる。

さらに、その物体の中から昆虫のような生物の死体が発見され、調査を進めていくうちに、火星人が地球にやってきた目的と、人類進化の秘密が明らかになっていく・・・

というストーリーですが、これは面白い!!

サスペンス重視のストーリーと演出はかなり楽しめるもので、低予算ながらこれは名作と言ってもいいのではないでしょうか。

発見された宇宙船と、現代でも目撃例が後を絶たないポルターガイストなどの怪奇現象を結びつけるという発想。その怪奇現象から謎が解明されていくという過程も面白い。火星人の思念を通じて、5000年前の火星が映像化されるというアイデア。ミステリアスな展開とクォーターマス教授による謎解き。「地球人の頭脳の進化や本能は、実は異星人によって操作されていた」という設定は当時としては画期的なものだったのではないでしょうか。

残留思念により作り出された巨大な火星人の姿がロンドンの上空に現れるというクライマックスは圧巻で、最後まで目が離せない演出は見事としか言いようがありません。


ナイジェル・ニールの脚本が素晴らしいのでしょう。この人、ハリーハウゼンの作品では『H.G.ウェルズのS.F.月世界探険』(1964)の脚本も担当しています。

この「クォーターマス教授」シリーズですが、どうやら海外では「最終章」というものが存在するらしく、その作品(テレビ・シリーズでしょうか?)のラストでは地球を守るために核爆発の犠牲となって死んでしまうようです。

脚本家のナイジェル・ニールはこれによって続編が作れないようにしたのだとか。

ところで、ハマー・プロのSF作品って独特の雰囲気がありますね。ホラーとSFが見事に融合している、というか、上手く表現できませんけど・・・

ちなみのこの作品は興行的には今ひとつで、日本ではテレビ放送のみ。まぁ、地味といえばたしかに地味。邦題の『火星人地球大襲撃』から連想されるような円盤群の襲来などのシーンも無く、出てくるのはチンケな死体と火星人の残留思念のみ。

この作品の弱点は、やはり特撮のチープさ。あまりにも作り物然とした火星人の死体などは、それだけで作品の評価を下げる一因になっていると思われるほど酷いものでした。

SFXが素晴らしければ、誰もが認める傑作になったのに・・・。5000年前の火星のシーンの特撮、あまりにもチープすぎて笑ってしまいました。手足が全く動かないイナゴが人形劇のように移動するシーンはある意味必見。


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