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タイタンの戦いがリメイク決定


ハリーハウゼン最後の作品『タイタンの戦い』(1981)

これは何度もテレビで放送されていたから見た人も多いでしょう。ハリーハウゼンが『アルゴ探検隊の大冒険』(1963)と同じくらい気に入っているという作品です。

リーアム・ニーソンとレイフ・ファインズの共演で『タイタンの戦い』がリメイクされるそうで、2009年6月の現時点ではもう撮影に入っているようです。

これまでにも『シンドバッド・シリーズ』や『アルゴ探検隊の冒険物語』などが映像化されていますが、言うまでも無くこれらは『アラビアン・ナイト』や『ギリシャ神話』であり、同じ題材を扱ったというだけでハリーハウゼン作品のリメイクではありません。

今回の作品は原題が“CLASH OF THE TITANS”

というわけで、れっきとしたハリーハウゼン作品のリメイク作品のようです。

という事は、神話のペルセウスとメドゥサの物語ですね・・・どんな作品になるのでしょうか? 最近のギリシャ神話を題材にした作品を見れば大体想像は付きますが、あのメドゥサが最新のCGで描かれるのかと思うとワクワクします。

『タイタンの戦い』には、ハリーハウゼンのオリジナル・キャラクターも多数登場していました。

リメイクという事は、重要な役割を演じていたハリーハウゼンのオリジナル・キャラクターも引き継がれるのでしょうか?


例えば、カリボス。
これは、シェイクスピアの『テンペスト』に登場する怪物キャリバンにヒントを得て考えだされたキャラで、勇者ペルセウスの敵役として登場しました。

神話には登場するが、ペルセウスとは関係のない天馬ペガサス。『タイタンの戦い』では重要な役割でしたが、これは登場するのか?

そして、クラーケンは北欧の神話のように巨大なタコやイカのような姿で描かれるのか?

あとは、なんといってもフクロウのブーボー。ギリシャ神話にはちょっとだけ登場するが、キャラ的なものはほとんどハリーハウゼンのオリジナル。

恐ろしい神話なので、ユーモアが必要だと考えたハリーハウゼンが登場させたのですが、何度も『スターウォーズ』R2D2の真似ではないかと言われて、ハリーハウゼンはかなり怒っていたようです。

コメディリリーフとして、映画には欠かせない存在だったブーボー。でも、今時の映画にはこんなの出ないだろうなぁ・・・

ギリシャ神話に忠実なのか、オリジナルに忠実なのか、どちらにしても今から非常に楽しみです。公開は来年(2010年)の3月だとか。

放射能X


放射能X(1954)は、原爆実験の影響により、突如出現した巨大蟻の恐怖を描いたモンスター映画ですが、1950年代に量産されたB級作品とは一線を画す傑作。

舞台はニューメキシコ州の砂漠。パトロール中の警察官が一人で荒野を彷徨っている少女を発見するところから映画は始まります。その近くでは、何者かによる連続惨殺事件が発生。
惨殺事件の生存者と思われる少女は、事件のショックから言葉を話す事が出来なくなっていた。しかし、惨殺現場から採取された蟻酸の臭いを嗅ぐなり少女は恐怖の表情を浮かべ絶叫する。

「Them! Them! Them!」

少女の恐れる「Them(奴ら)」とは何者か? 

まぁ、その・・・そのポスターやビデオ・パッケージ、安直な邦題などで、見る前から放射能で巨大化した蟻が犯人というのはバレバレなのですが、それでも何度見ても面白いからこれは本当に傑作なのだと思います。

しかし、上のポスターの顔・・・何かコミカルですが実際は下の通り。


巨大蟻との攻防の後、全ての駆除に成功したと思われたが、巣穴からは新たに生まれた女王蟻が消えていた・・・

サスペンス的な要素を取り入れた演出とストーリー展開、姿を見せない怪物を目撃情報を頼りに追跡し、見る者に恐怖と不安感を与えるという手法は、後のこの手のジャンルの作品に多大な影響を与え、多くの映画のフォーマットとなりました。

あ、ここでちょっと思い出しました・・・

バルカン人のレナード・ニモイなのですが、彼のプロフィールを見ると、この映画に出演しているようです。時代を考えると脇役とかほんのチョイ役と思われますが、それらしい人が見つかりませんでした。顔が違いすぎるのかなぁ?

それよりも、

この映画で特に印象的なのは、巨大蟻が発する「キリキリキリ」という効果音。

「次のシーンで何かが出てくるぞ・・・」という観客の恐怖や不安、緊張感を煽るのに効果的に使用されていたのがこの効果音。
映画を見た事がある人ならきっと憶えていると思いますが、この音・・・ヒグラシにとても良く似ています。

ヒグラシが分からないという方のために、音声だけをアップしてみます。

http://palladion.fantasia.to/HIGURASHI.mov

どーですが、これ。これをもうちょっとゆっくり再生したらまさに映画の巨大蟻でしょう。私の住む地方でも聞く事ができるヒグラシの音ですが、風流なはずのこの音も私にとっては巨大蟻が攻めてきたように聞こええるのでとても怖いのです。

この巨大蟻は巨大なハリボテ、いわゆるラージスケール・メカニカルというやつで撮影されています。
1954年のアカデミー特殊効果賞にノミネートされているのですが、全体像で動くシーンは無く、ふらふらと動く頭部が人を襲うシーンはちょっと迫力に欠けるものでした。
実際の効果はともかく、技術的に非常に高度な事をやってのけた、という事が評価されたのかもしれません。

ちなみに、この年の特殊効果賞はディズニーの『海底二万哩』が受賞しています。こっちは巨大イカでしたが、同じラージスケール・メカニカルでもレベルの違いは明らか。

この作品を見ていつも思うのは、これがハリーハウゼンのようなモデル・アニメで撮影されていたら、もっと効果的に見せる事ができたのでは、という事。
巨大なハリボテを見ていると、なかなかの傑作とはいえ、やはりB級作品だなぁ、と感じてしまうのが残念でなりません。

スタークラッシュ(パート2)


前回の『スタークラッシュ』の続きです、今回は作品の内容でも書いてみましょう・・・

最初に登場する戦艦と宇宙空間はいきなり『スター・ウォーズ』

オープニングの時点で二匹目のドジョウを狙ったバッタもんというのが丸分かり…って、決して馬鹿にしているわけではないですよ。映画は本当に馬鹿馬鹿しいですけど面白い。

突っ込みどころが多すぎて・・・

手のひら型の宇宙要塞(笑)、デザインは格好いいがほとんどプラモデルに見える宇宙船、原色がやたらと多い画面や七色に光る星・・・何かセンス悪くねーか、これ? ありえないし、毒々しい。



宇宙警察に捕まり、奴隷として働く時までビキニ姿。悪漢退治にパイロットとして抜擢され無罪放免となった後もしばらくはビキニ姿のまま宇宙船を操縦・・・
この作品は、お色気路線丸出しです。その点ではジェーン・フォンダの『バーバレラ』(1967)と双璧かもしれません。キャロライン・マンローは着せ替え人形状態。

ちなみにキャロライン・マンローは身長170センチ(B91、W61、H89)だそうです。



ホログラムで登場する皇帝さま、やたらとでかい・・・



アマゾネスの国で戦ったロボット兵士は『アルゴ探検隊の大冒険』(1963)のタロスのもろパクリ!動き悪すぎ、すっごい下手糞な人形アニメ・・・



マイケル・ナイト登場、若い!



光線中で撃たれても無傷。実は、アクトンは超能力者で不死身だったという衝撃の事実がここで判明。しかし、ゴーレムズと呼ばれる悪の手先と戦い、上腕部に傷を負った程度であっさり死亡・・・これには唖然。
ゴーレムズのシーンもストップ・モーションで撮影されていて『アルゴ探検隊』の骸骨剣士を彷彿とさせます。戦う武器はなんとライトセイバー!



動きがとしゃべりがほとんど人間そのまんまのロボット。たまーに、本当にたまに思い出したかのように、微妙にロボットっぽい(C3-POみたいな)動作になるところが笑えます。中に入っているのはジャド・ハミルトンという人で、キャロライン・マンローの旦那さん。これは夫婦のツーショットです。

というわけで、見どころいっぱいの『スタークラッシュ』でした。これほど荒唐無稽なスペース・オペラも珍しいかも知れません。絶対に見て損は無いと思います。

スタークラッシュ(パート1)


善と悪に分裂した銀河系。女海賊ステラ・スターは善玉の皇帝の命を受け、悪漢ザーザンの宇宙征服を阻止するために、相棒のアクトン、ロボットのヘルと共に宇宙船で冒険の旅に出る・・・

1978年製作の『スタークラッシュ』は『スター・ウォーズ』ブームの真っ只中に製作されたスペース・オペラ。テレビ放送時のタイトルは『銀河戦争・宇宙巨大戦艦スターシップSOS』

タイトルを『ステラ・スターの冒険』にするか『スター・クラッシュ』にするかで公開直前まで揉めていたそうですが、結局ブームに便乗するかたちで『スター・クラッシュ』に正式決定。しかし、その内容は本家とは比べ物にならないようなトホホな出来栄え。

最初に言っておきますが、私はこの作品大好きです。

主役の女海賊ステラ・スターを演じているのは、『シンドバッド黄金の航海』(1973)のキャロライン・マンロー。監督のルイジ・コッツィがレイ・ハリーハウゼンの大ファンで『シンドバッド黄金の航海』を見て彼女に惚れ込んで、この役に抜擢したそうです。


後に『ナイトライダー』で有名になるデヴィッド・ハッセルホフが皇帝のご子息役で出演。皇帝役にはクリストファー・プラマー。なんと音楽は『007』シリーズで有名なジョン・バリーが担当しています。

しかしこの作品、数百万ドルの制作費を投じた大作・・・のはずなのですが、ショボイ特撮を見ていると、情報が間違っていたのかと思わざるを得ません。

ちなみに、この映画は三部作という事になっていて、この『スタークラッシュ』が第一作、『スタークラッシュ』の特撮部分を流用して作られた1979年の『SFスタークラッシュ/銀河パラダイスへの冒険』というのが第三作という事になっています。

監督自身が『スター・ウォーズ』のコピー作品である事を認めているほど随所に影響が見られます。それと、モロにハリーハウゼンを意識したストップモーション・アニメのシーンはファン必見。

よくぞここまで、と思えるほど恥も外聞もなく他の映画をパクっていますが、決してパロディ映画の類ではありません。

随分と長くなってしまったので、続きは次回に書きます。

決して他人には薦められない作品。どうして私はこんな映画にハマったのか・・・

スペース・スフィア 『H・G・ウェルズのSF月世界探険』


スペース・スフィアというのは、1964年の『H・G・ウェルズのSF月世界探険』に登場した球形の宇宙船です。

今回は映画の話ではなくて、球形宇宙船の話。

重力を遮るための可動性のブラインドが付いた窓と、四方八方についた突起物は着陸時の衝撃吸収用。多少のアレンジが加えられているものの、基本的にはH・G・ウェルズの原作に近いデザインになっています。

現在こんなデザインを考える人はいないでしょうが、昔は良く見かけたものです。画像は見つかりませんでしたが、SFパルプ雑誌『AMAZING STORIES』などの表紙でも見た記憶があります。

特に印象的なのはコレ。


1940年の漫画、大城のぼるさんの『火星探検』ですが、宇宙船の見た目がスペース・スフィアにそっくり。

私は漫画を読まないので内容は知りませんが、日本のSFマンガの原点とも言える作品で、手塚治虫さんなどにも影響を与えたとされています。

スペース・スフィアは、実物大の物、発射シーンに使われた60センチのミニチュア、着陸シーンに使われた20センチのミニチュアの三体が製作されました。

月面着陸のシーンは印象的でした。月面に突っ込んでゴロンゴロンと転がり、月面の突起物にぶつかって止まるという壮絶なもの。

これはハリーハウゼン自身が月面のジオラマにミニチュアを放り投げて高速度撮影したもので、数時間投げ続けて一番良いと思えるシーンを採用したのだとか。


1901年にH・G・ウェルズが考え出した球形の宇宙船。現在の感覚からするとありえないような形状ですが、ブラインドで重力を遮って、進行方向をコントロールするというアイデアそのものは秀逸ですね。重力を遮る物質さえあれば、実現可能と思われ・・・しかし、これが一番の問題。

最後はチェスピース・コレクションから『月世界探険』シリーズ。


気持ちわりぃ、小さくてよかった・・・

Creation(クリエーション・創造)


前回に続いてウィリス・H・オブライエンの作品を取り上げてみたいと思いますが、今回は幻の名作と言われた『Creation(クリエーション・創造)』

『Creation』は1929年頃に、『ロスト・ワールド』(1925)の続編として企画された作品で、数百枚ものスケッチや絵コンテが準備され、マーセル・デルガドが多くの恐竜のモデルを製作。
スタジオにはセットまで組まれ、製作準備に約一年間を費やしたものの、数分間のテスト・フィルムが撮影されただけで、結局製作中止となってしまった不幸な作品です。

RKOが倒産寸前だった事と、製作資金が思うように集まらなかったのが直接の原因とされていますが、『ロスト・ワールド』の焼き直しのようなストーリーがあまり評価されなかったのも製作が中止となった理由の一つかもしれません。

ほとんど撮影されていないにも関わらず「幻の名作」と言われるのは、この時に準備した『Creation』の要素を多く取り入れて、名作『キングコング』(1933)が生み出されたからでしょう。

古代生物が棲む未開の島という設定は『キングコング』も『ロスト・ワールド』も全く同じ。その中間に位置する『Creation』も当然同じ様なストーリーとなっております。

オブライエンは実力の割りに作品に恵まれなかった、とよく言われます。

ハリーハウゼンが、オブライエンは性格が優しすぎた、というような事を言っていたのを何かの本で読んだ事があります。あまり自己主張をしない人で、映画制作には向いていない職人肌の人だったとか。
確かに、運が悪かったのもあるのでしょうが、その後の作品を見てみると、いつも同じような話で、時代が変わっても恐竜映画にこだわり続けた、というのが一番大きな原因のような気もしますけど・・・

残された数分間のテスト・フィルムですが、これが結構面白い。

下の写真は、撃たれて横たわるトリケラトプスと逃げる男を追い回す親トリケラトプスです。


どちらも、『ジュラシック・パーク』に影響を与えたとされる場面で、特に下の写真は、『ジュラシック・パーク』でジープを追いかけるティラノサウルスに勝るとも劣らない大迫力のシーンになっています。

この映像は、幻の洋画劇場『ウォルト・ディズニー/ウィリス・オブライエン作品集』というDVDで見る事が出来ます。『Creation』以外にも、初期作品が数点収録されているこのDVDはストップモーション・ファン必見のDVDですが、現在ではちょっと入手困難かも。

紹介する作品、こんなのばっかし・・・

The Giant Behemoth(海獣ビヒモス)


こんな作品誰も知らないだろうなぁ、と思いつつ今回取り上げるのは1959年の『The Giant Behemoth』(海獣ビヒモス)

『キングコング』の生みの親、ウィリス・H・オブライエンの最後の作品ですが、日本では劇場未公開。VHS・DVD共に日本未発売なので、邦題が存在しないはずなのですが、SF MOVE Data Bankで調べてみたところ『海獣ビヒモス』となっていました。

ちなみにBehemothというのは旧約聖書に登場する怪物で、カバや水牛がモデルになった水陸両生の動物とされています。

この作品で、実際に恐竜をアニメートしたのはオブライエンの片腕として活躍したピート・ピータースンで、オブライエン自身は監修という立場でした。
ピート・ピータースンは非常に腕のいいアニメーターだったのですが、この作品の頃には持病の多発性硬化症が悪化し、自分で立ち上る事も出来ず、椅子に座ったまま痛みに耐えながらアニメートしていたそうです。恐竜の動きがぎこちないのはそのせいかも知れません。

原爆で目覚めた恐竜がロンドンに上陸、というありきたりの設定。映画が始まってから50分以上も経って、ようやく画面に登場する恐竜は全く個性を感じさせないデザインで、ネッシーのようなごく普通の首長竜。
都会に現れるものの、予算の都合で都市破壊のシーンはほとんど無し。鉄塔を壊すシーンと車を踏み潰す程度で、同じシーンの使いまわしがやたらと目立ちます。

踏み潰す車が毎回同じだったりとか・・・

あとは逃げ惑う人々と歩き回る恐竜の合成シーンが延々と続くという展開。さらには「ピヨーン、ピヨーン」という音を発しながら、放射線のようなもので人を殺すシーンがチープさに拍車をかけております。

実際、この映画の評判はかなり悪いようで・・・書籍『モンスター・メーカーズ』では以下のように書かれていました。

オブライエンのファンから『The Giant Behemoth』への悪評が聞かれないのは、その枯れ果てたイフェクツがあまりにも悲しく、涙をさそうからだろう

o(ToT;): そこまで言うか・・・

最低映画のような言われ方ですが、個人的にはそれほど悪くない、と思っています。この時代に量産されたモンスター映画の平均的なレベル、といったところでしょうか。もっと酷い作品は山ほどあります。あの『キングコング』を生み出したオブライエンの作品という事で、ファンが高いレベルを要求するから、逆に評価が低くなってしまうのだと思います。

それでは、私がこの作品の見どころを写真付きで語ってみましょう!


まずは、ハリーハウゼンの『原子怪獣現わる』(1953)にそっくりなところ。ほんとうに良く似ていると思っていたら、監督は同じユージン・ルーリーでした。リメイクと言ってもいいようなストーリーですが、弟子の映画のリメイクでは逆に評価が落ちてしまいますね。しかも『原子怪獣現わる』と比べると作品のクォリティが落ちるような・・・


左上の写真に注目。この鉄塔を破壊するシーンや放射線での攻撃などは日本の『ゴジラ』(1954)からの影響を感じさせます。これは、気のせいかなぁ? あのオブライエンが本当にゴジラに影響されたのでしょうか? 似ているのは偶然と思いたい。

右上は、発見された巨大な足跡の写真を見せるシーン。自動車がしっかりと一緒に映っているのには笑ってしまいました。どれほど巨大なのかという事の比較の為なのですが、あまりにもわざとらしかったもので。

なかなか姿を現さない恐竜・・・そして、ヘリコプターで恐竜をついに発見。海面に巨大な影が映っているのを双眼鏡で確認!(写真左下)

わはははは! 普通は水面下に黒い影が映るのに、輪郭の白抜きとは・・・これでは殺人現場の死体の跡ですね。この白い輪郭が泳ぐシーンは爆笑ものです。

右下のは海中を泳ぐシーンですが、これは珍しい! 体をくねらせて泳ぐシーンがストップモーションで撮影されています。バタ足で泳ぐ恐竜に注目。

見所を語るはずが、何だかおちょくっているようになってしまいましたが、私はこの映画は結構好きです。

さて、この映画を鑑賞するには、輸入版のビデオかDVD購入するしか方法が無いわけですが、一部だけならば、日本語版で見る事ができます。

以前にブログで紹介した、全部で35本の映画が見られる『インベージョン・アース』(1987)という作品の中で、都市の破壊シーンが取り上げられています。上映作品の一覧には『The Giant Behemoth』(1959)というのはありませんでしたが、たしかにBehemothの勇姿を見る事ができます。ビデオ・パッケージでも間違いってあるのですね。

とは言っても、『インベージョン・アース』も廃盤でレンタルすら出来ない状態。連休で暇なので動画をアップしましょう。レア映像、オブライエン最後の恐竜。

http://palladion.fantasia.to/Behemoth.mov

紀元前百万年


『紀元前百万年』(1940)といえば、恐竜をトカゲやワニを使って表現している事で有名な作品です。この作品の恐竜のシーンは、後に作られた低予算作品のいくつかに流用されています。以前に紹介した『ロボット・モンスター』もそんなB級作品の一つ。

ハリーハウゼンの『恐竜100万年』(1966)は、この作品のリメイク。というわけで、この作品に関する知識はある程度あったのですが、テレビなどで見た記憶も無く、長らく私にとっては幻の作品でした。
最近、B級以下ともいえるマニア向けの作品が続々とDVD化されていますが、『紀元前百万年』もその一つと言っていいでしょう。
どうせ面白くないだろうし、そのうち気が向いたら買って見てみようかなぁ、といった程度に考えていたら近所のレンタルビデオ屋で発見!

どうして、こんなマニア向けの作品がレンタルに?

レンタル屋さんでは、『パイレーツ●●』とか『●●レーサー』とか『キューブ●●』というタイトルの作品が本家のすぐ隣に置かれているのを良く目にします。最近では『紀元前●●』っていう邦題の作品がいくつかありました。おそらく、似たような作品を並べて置いておけば、誰かが興味を示してレンタルするのでは、というのが店側の思惑かと。

しかし、私にとってはこの『紀元前百万年』こそが本命!

というわけで、早速借りてきて鑑賞してみると、これが『恐竜100万年』にそっくり!
リメイク言っても、設定だけが同じで内容は全く違うだろう、と思っていたら、主人公の名前からストーリーまでほとんど同じ。逆に、ここまでそっくりにリメイクするのも珍しいかと。

この作品には、象に特殊メイクをしたマンモス、背びれの付いたワニ、角が生えた巨大なアルマジロなどが登場します。

モノクロで画質が良くないので合成の粗が分かりにくいせいかも知れませんが、思ったよりも違和感が無く、迫力があって面白かったです。

違和感の無い理由としてもう一つ考えられるのが、トカゲやワニがが恐竜らしくない所。

つまり・・・説明がちょっと難しいのですが、

最初に、恐竜をトカゲやワニを使って表現していると書きましたが、本当の恐竜は着ぐるみで撮影されていて、トカゲやアルマジロはあくまでも、大トカゲであり巨大なアルマジロであるという事。よーするに、見ている方は恐竜とは思っていない、という事ですね。


アルマジロが恐竜に見えるはずもなく、異常に大きなアルマジロが画面に登場するものだから、結構迫力あります。人間を追い回すシーンはマジで怖かった。象にでっかい牙を付ければ、それなりにマンモスに見えます。

というわけで、せっかくマニア必見の作品がDVD化されたのだから、これを見ない手はありません。

ロアーナ役のキャロル・ランディスは可憐でした、これでも石器人・・・


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