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恐怖のワニ人間


『恐怖のワニ人間』(1959)

人間の抑圧された記憶を催眠状態で蘇らせるという研究をしている精神科医。ある時彼は興味深い被験者を見つけ、友人の医師を呼び、被験者をベッドに寝かせて実験を開始。被験者となった看護婦のジェーンは驚くべき体験を語りだすのだが・・・

というわけで

名作、あるいはヒット映画が作られると必ず作られるのが、その作品の二番煎じ、あるいはバッタ物と言われる映画。

この『恐怖のワニ人間』は明らかに前回書いた『蝿男の恐怖』(1959)の二番煎じ。

とは言ってもこの作品は『蝿男の恐怖』と同じ20世紀フォックスが訳あって作らせたという低予算映画なので、ある意味由緒正しいというか、完全はバッタ物とは言えないような気がします。

妻であるジェーンの回想シーンで進行する物語や、怪物そのものが怖いわけではなく、怪物化した男の苦悩を描いているという点も『蝿男』と同じ。

正しくは『ワニ人間の悲劇』

全体的にそれほど悪くない出来だなぁ、といった印象なのですが、これはまぁ、全体の構成そのものを『蝿男』から拝借しているので、一定のレベルはクリアしている、と感じるのも当然かも知れません。

正直、結構好きなんです、この作品。

辺りが沼地だらけの田舎に建てられた豪華な屋敷と研究施設も、ホラー映画の舞台としてはなかなか良い雰囲気だし。

『蝿男の恐怖』と比べるとまぁ、アレですけど

ワニの再生能力を応用した新薬による治療で怪我から回復したものの、お約束の副作用により、次第にワニ化が進行する主人公ポール


変身する過程のメイクは皮膚の質感もなかなかリアルに出来ています。凄い迫力・・・

被験者の姿も個性的で結構不気味


実は、個人的に最も印象的だったのがこのシーン。かなりゾッとしたのを覚えております。

そして生死を賭けた治療に失敗し、ワニ人間と化してしまったポール


ショッカーの怪人ですか(^^;)
実験台もそれっぽいし。しかもこの構え・・・

この被り物を作ったのは『蝿男』のメイクも担当したディック・スミスという人物。

これだけワニそっくりに変化したのなら、ワニとして第二の人生を送れるのでは?

と馬鹿な事を考えているうちに・・・

ワニ男に変身したポールはヤケクソになり、妻の制止を振り切って沼地へと逃げていきます。

自分の姿を水面に映し、両手で顔を覆い絶望するポール

何の必然性もなく本物のワニと格闘を始めるポールとそれを見て絶叫するジェーン

ポールが底なし沼にはまり、ぶくぶくと沈んでいくシーンでジェーンの回想シーンは終わります。

どれほど役者さんたちが熱演しようとも、被り物のせいでほとんどコントにしか見えないんですけど・・・


で、エンディングは

ジェーンの話を録音したテープを前に、険しい表情で話し合う二人の精神科医。

「見かけは正常だが、ジェーンは記憶喪失によって心の安定を保っているのだ」

「だが、今はまだ話すべきではないだろう」

という結論に落ち着いたところで、エンドマークが出て映画は終了。

うーむ、なんとも微妙な・・・

まぁ、いいか、としか言えないような終わり方でした。

ところで

屋敷の使用人を演じていたロン・チェイニー・ジュニアが結構いい味だしてました。

映画全編を通して奇行を繰り返すロン・チェイニー・ジュニア。

その存在感を見ていると、なんだか彼のための映画だったような気がしてなりません。

私にとってこの映画の主役は、間違いなくこの元祖狼男!


蝿男の恐怖

昨日のブログで私の町の写真を載せたところ、何人かの友人が電話やメールで連絡してくださいました。

心配かけましたが、私は元気です。連絡の取れない知人もいないし、ほぼ通常通りの生活です。

灯油が手に入らないのは困りますけど・・・今後の復旧に期待。

ところで、計画停電の件ですが

避難生活をしている人々がいる被災地を停電させた、という事で、森田健作千葉県知事の怒りはすさまじかったですね・・・

というわけで、私の地元は今後、停電の対象にはならないようです。

仕事のスケジュールが滅茶苦茶で、ちょっと時間ができたので、久しぶりに大好きな古典SFの話でも。

今回選んだのはSFホラーの古典『蝿男の恐怖』(1958)


原作はジョルジュ・ランジュランの小説「蝿」

この作品はあまりにも有名で、いまさらストーリーを書くまでもないでしょう。昔は繰り返しテレビで放送されていたし、しつこいくらいに。

私はこの作品、何度見ても感心してしまいます。映画として非常に良く出来ているなぁ、といった印象。

まずはサスペンスタッチで描かれている前半部分。

映画の冒頭で、視聴者はいきなり殺人現場を見せられる事になります。

若い科学者アンドレが、上半身を50トンものプレス機で押し潰されて殺害される。現場から逃げる姿を目撃されたのは彼の妻であるエレーヌ・・・

なぜエレーヌは最愛の夫を殺さなければならなかったのか?
そして、なぜそのような奇妙な殺害方法をとらなければならなかったのか?
プレス機が二回作動していた理由とは?
研究所の機械は全て破壊され、書類は灰と化していた。
そして蝿に異常なまでの反応を示すエレーヌ・・・

物語の前半部分でいくつかの謎が視聴者に提示され、エレーヌの回想シーン(告白)によって次第に真相が明らかにされていく・・・という筋書き。

ミステリーで言うところの倒叙法というやつですね。動機探し。

一応内容を書いておくと

物質転送装置を完成させたアンドレは、自らの転送にも成功する。ところが一匹の蝿が装置に紛れ込んでいたため、アンドレと蝿は融合し世にも奇怪な蝿男が誕生してしまう・・・

というお話。

上記の謎は、全て証拠隠滅の為の行動だった、というわけ。

まぁ、邦題などから真相は簡単に推測できてしまうし、それほど謎を追って進行するプロットというわけでもないのですが、何度見ても面白いのはやはり出来の良い映画という事なのでしょう。

70万ドルという予算は当時としても完全なB級作品ですね。

詳細は忘れてしまいましたが、研究室の機械類は他の映画から流用した、というのを何かで読んだ記憶があります。

ところで、

蝿男のメイクですが、というよりも被り物ですかね?


ちょっと微妙ですが。邦題も含めて、何だか仮面ライダーみたいな・・・

でも、これ、凄く怖かったんですけど。特に髭みたいなのがプルプル動いているのが・・・。いくら低予算とはいえ、やっぱり仮面ライダーの怪人と一緒にしてはいけませんね。

そういえば

エレーヌがアンドレの身を案じて布を取るシーンで初めてこのメイクが露になるのですが、監督のカート・ニューマンがこのシーンの撮影まで、エレーヌ役のパトリシア・オーウェンズに蝿男のメイクを見せなかった、というのは有名な話ですね。


私がこの映画で印象に残っているのは、さまざまな効果音。映画の印象を一言でいえば、音の怖い映画、といってもいいほど。

オープニングの音楽にかぶさる蝿の羽音

蝿の羽音は劇中何度も使われ、サスペンスを盛り上げるのにも効果的でした。

油圧プレスの重厚な音

食事の時にアンドレがミルクをすするシーングロい音では、いやでも布の中身を想像してしまいます。

転送に失敗し空中にこだまする猫の鳴き声にはかなりゾッとさせられました。

そして物質転送装置の作動音!

ブーンという低い音で始まり、次第に大きくなり最後は爆発音で終わるというもの。ネオン管などの意味なし視覚効果も加わり、こっちの心臓もドキドキするほど。何だか良く分からないけど、とにかく機械っぽくて凄い。こういうレトロな効果音には何故かワクワクしてしまう私・・・

ただ、起動する時の「チーン」というのが、どうしても電子レンジを連想してしまいますけど。

さらに

長い、ながーいフラッシュバックが終わり、現在に戻って映画のクライマックス

これは、音というよりも声ですけど

あの「人の頭を持つ蝿」の
「HELP MEEEE・・・ NOOOOO」
という叫び声はまさに悪夢。


強烈インパクトでした。映画を見た夜は、寝る時に耳元でこの声が繰り返され困ってしまうほど・・・

この声と人面蝿を目撃した警部の行動にも驚かされます。

唐突に大きな石を投げつけて、つぶしてしまうのですが・・・

子供の頃は「どうして助けないんだ!」という怒りと「せっかくの証拠が・・・」という憤りでなんとも言えない後味の悪さを感じていたのですが,大人になってから見たら、妙に納得してしまいました。

後味の悪さという点では同じなんですけどね・・・

映画のラスト

アンドレの兄役のヴィンセント・プライスが、残された息子に言うセリフがとってもよかった。

良くも悪くも、強烈な余韻を残して終わる作品でした。

この映画はSFホラーでありながら、サスペンスでもあり、恋愛ドラマとしても一流の作品だと思います。


SF作品としては、よくこんな設定を思いついたものだなぁ、感心してしまいます。原作者に感謝ですね。

最後に、何となく微笑ましいメイクのシーン。床屋さんみたいです。


ドラゴンスレイヤー


過労の中の更新は久しぶりに鑑賞した『ドラゴンスレイヤー』(1981)

今回は、またまたビデオパッケージの裏側の解説から

ドラゴンにいけにえとして捧げられた少女を救出するため、ただ一人、猛然と立ち向かう少年がドラゴンスレイヤーとして成長していく過程を、ファンタスティックに描いたアドベンチャー・ムービーの未公開傑作。
クリーチャー製作に『コクーン』のケン・ロールストンと『グレムリン』のクリス・ウェラス『ET』のデニス・ミューレン、視覚効果に『ネバーエンディング・ストーリー』のブライアン・ジョンソン、そして特殊効果を『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『グーニーズ』のILMが担当したSFXの超大作だ。

というわけで

この作品は、ジョージ・ルーカス率いる特撮集団ILMが『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』(1980)に続いてSFXを手がけた作品として知られています。

以前に私のブログでも、ゴー・モーションの技術が最初に使われた作品としてちょっとだけ触れています。

ストップモーションとゴー・モーション

当時、特撮関連の雑誌では革命的な特撮技術を使った傑作、として取り上げられながらも、結局日本では映画上映されませんでした。

理由は分かりません。まぁ、受けないと判断されたからなのでしょうけど・・・

その後、テレビ放送はあり。

ストーリーは

年老いた魔法使いウルリクとその弟子ゲイレンが、処女を生贄として捧げる習慣のある村人たちに依頼され、ドラゴン退治に向かう、というもの。

剣と魔法のお話。本当に他愛ない、というか、劇場公開が見送られたのも分かるような気も・・・

ヒネリがまるでないストーリーはシンプルそのもので、今見ると逆に新鮮に映るかもしれません。

ビデオパッケージに書かれている、「いけにえとして捧げられた少女」

ゲイレンが村に到着した時点での生贄は、その国の王女様なのですが、救出は失敗。あっさりと殺されてしまいます。

普通はお姫様がヒロインで、ドラゴン退治のヒーローと結ばれる、というのが定番なのですが、この作品でのお姫様の扱いはひどかったですね。殺された後は、無残にもドラゴンの子供に食べられちゃって・・・ちょっとグロいシーンでした。

さらに

結局、ドラゴンを倒したのは主人公ではなく、偉大なる魔法使いである師匠がドラゴンともども自爆。自らの命と引き換えにドラゴンを葬り去るという壮絶な結末でした。

少年がドラゴンスレイヤーとして成長? してたかなぁ?

まぁ、日本版ビデオのパッケージに突っ込みを入れてもしょうがないか・・・

特撮の粗を目立たせないようにするために、ドラゴンが登場するシーンは暗い場面ばかりに設定されているのですが、それが映画全体のムードを決定付けてしまっているようです。
それ以外でも夜間のシーンがやたらと多く、全体的に暗い映画だなぁ、といった印象なのですが、この作品のかもし出す独特の雰囲気は、私は大好きです。

そういえば

この映画には、スターウォーズ・シリーズでパルパティーンを演じていたイアン・マクディアミッドが出演してました。


神に祈って、その祈りも空しく、あっさりと殺されてしまう神父さんという役柄は、映画でやたらと良く見かけるパターンの死に方ですね・・・

それよりも

やはりこの映画の最大の見所は、ILMが作り上げたドラゴンでしょう!

ドラゴンが登場する映画は数多く存在しますが、私的にはこの映画のドラゴンが造形、動き、インパクト、どれをとてもベストの出来栄え。
全ての映画の中で、私が最も好きなドラゴンがこれ。


当時の雑誌でもよく取り上げられていた写真ですが、この姿の美しいこと・・・

正確には「ワイバーン」(翼を持つドラゴンの中で二本足のもの)ですかね。

『帝国の逆襲』ではトーントーンに擬似的にブレをつけて、フリッカーを感じさせない自然な動きを実現したのですが、その技術をさらに進めて作られたのがこのドラゴン。

映画の予算1600万ドルの内、約25パーセントが特殊効果のために使用され、実物大の物を含めて、16体ものモデルが製作され、飛ぶシーン、這うシーン、火を吐くシーンなど、それぞれの場面によって、油圧で動くもの、操演、ゴー&ストップモーションなど多くの技術が使い分けられたそうです。

悪魔を思わせる登場シーン

主人公を追いかけ、あの巨体で洞窟内を這い回るシーン

炎を吐くシーン

ミレニアムファルコンを思わせる滑空シーン

どれをとっても絶品!


この映画では炎がとても効果的に使われている印象があります。

特にドラゴンがかなりの長時間炎を吐き続け、それを盾の後ろで主人公がひたすら耐え続ける場面

これは珍しい

思いっきり息を吸い込んで、いかにも咽の奥から炎を吐き出しているといった印象で、炎を吐く時間の長いこと!

アクションは少ないものの、かなり見ごたえのあるシーンになっています。

手間と経費がかかりすぎる技術ということで、ドラゴンの登場シーンが少ないのがちょっと残念・・・

現在ではCGで描かれ、これ以上に滑らかな動きをするドラゴンも見られますが、初めてこの映画を見た時には、その動きに相当驚かされました。

長い映画の歴史の中で、そのクリーチャーの動きに度肝を抜かれたシーンっていくつかありますが、これもそんな作品の一つ。

そういった意味では、私にとっては非常に印象深い作品なのです。

このドラゴンを見るだけでも価値のある作品です。それ以外に見所が無いとも言えるのですけど・・・

あ、触れるのを忘れていましたが、

この映画のヒロインは、男装してドラゴン退治の依頼にやってきた村の鍛冶屋の娘。

このキャラは結構面白かったですね。可愛かったし。

女であるという事がばれてしまうシーンでのヌードが本人のものかどうかは残念ながら不明


黒い絨氈


『黒い絨氈』(1954)

1901年の南米を舞台に、生活を脅かす人喰い蟻マラブンタの大群から農場を守るために奮闘する農園主と新妻の姿を描いたパニック映画で、ジョージ・パル(製作)とバイロン・ハスキン(監督)はあの名作『宇宙戦争』(1953)のコンビ。

原題はTHE NAKED JUNGLE

蟻の大群が通ると、ジャングルが丸裸にされてしまうという意味でしょうか。

さて、そんなタイトルからも分かるとおり、一応はパニック映画なのですが・・・

モンスターや巨大クリーチャーを期待していると、ちょっと違います。

いや、ちょっとどころかまるっきり違う

物語の前半、というよりも映画の大半は夫婦間のメロドラマに終始。

帰れだの残るだの、二人は合わないだの、そんな展開が1時間以上も延々と続き・・・

で、映画も残り20分程度になった頃、ようやく人喰い蟻との攻防戦が始まるという展開。

でも

結構、面白かったです(・∀・)

痴話喧嘩に辟易しながらも意外と退屈しなかったのは、演じている役者さんたちのおかげかも?


農園の主人を演じているのはチャールトン・ヘストン。
19歳の時からジャングルを開拓し15年。富と名誉を築き上げ、プライドが高く相当ワガママな性格。
まだ若かったせいか、後の映画で見せるような貫禄、というか風格はまだまだ。でもやっぱり格好いいし、そこにいるだけで絵になるのは流石。

花嫁募集の広告を見て、志願してこの地にやってきた妻はエリノア・パーカー。
頭が良くて美しく、ジャングルでの生活に物怖じしない度胸もあるという完璧な女性を演じています。

仕事一筋で女性を知らない主人公(つまり童貞ということ)と離婚暦のある妻(男性経験あり)

この二人が、お互いの顔も知らずに結婚を決めたという・・・

この特殊な設定のせいか、ドラマ部分も不思議と楽しめました。

潔癖症で何でも新品を好む主人公が、離婚暦のある妻を中古品扱いするくだりには愕然。

なんでも新品しか家には入れない主義だそうで・・・

お前が触るまでこのピアノは新品だった

とか

どうしても過去の男性関係が頭から離れないから出て行ってくれ

とか

ありえないような暴言を連発( ̄∇ ̄;)

100年も前ならこういう事も実際にあったのですかね?

実は、こういった痴話喧嘩のシーンがこの映画で最も印象に残ってたりします。

こんな事ばかり書いていますが、男心や女心が上手く表現された素晴らしいシーンもいっぱいありますよ。

えーと

映画も残り30分を切った頃、ようやく農場に向かって行進を続けるマラブンタの軍隊を発見


数十キロにも及ぶ軍隊蟻の群れ。これが邦題の黒い絨氈。マット・ペインティングというのがバレバレですけど、なかなかの迫力でした。

ジャングルという限られた物資しかない状況で知恵を絞って蟻と戦う主人公。

特撮が多用されていな事と特殊な舞台設定のせいか、今見てもあまり古さを感じさせないし、後半もなかなか面白かったです。

マラブンタとの戦いで、農場や財産の全てを失った主人公に残された唯一の物は

別の言い方をすれば

主人公は全てを失ったが、妻の愛は勝ち取ったのであった、というようなオチの作品でした。


怖いシーンや、体がむずむずするようなシーンはあるものの、やっぱりこの作品は恋愛物と言ったほうがいいかもしれません。

ところで

この映画を見て誰もが疑問に思うのが、本当にマラブンタってこんなに恐ろしい生き物なのか? という事でしょう。

昔は単純に全部信じてましたけど。

軍隊蟻の恐ろしさを描いたドキュメンタリーなどがテレビでも特集されたりしますが、刺されると熱が出て苦しむ、とかそんな程度だったような気がします。
せいぜい動物の死骸を数日かけて食べつくすとか、犠牲になるのは動きの遅い昆虫や爬虫類、というのが実際のところかもしれません。

この作品では、全てを食べつくしながら驚異的なスピードで移動し、襲われた人間は一日で白骨化ししてしまうという・・・

そう考えると、やはりこの作品はSF映画のジャンルに入れてもいいのかと、思い・・・ました。

デモン・シード


この画像は、私が所有する『デモン・シード』(1977)のビデオパッケージです。

パッケージの裏面に書かれていたあらすじがなんだか変(面白い)だったので、今回はその文章をそのまま掲載。

コンピューターが生殖能力を持ち、女を犯すとき・・・
大型コンピューターが家庭用電気器具になるごく近い未来、「デモン・シード」は血も凍る現実となる。
アカデミー賞女優ジュリー・クリスティが演じる心理学者の夫はコンピューターに熱中する科学者、家事から防犯までコンピューターに管理させる夫に強い不満を抱く。
科学者が新しく開発したコンピューター・プロテウスIVは自らの細胞と生殖力を持っていた。
家庭のコンピューターを乗っ取り、自らを増殖させるプログラムを組んでジュリーを閉じ込め、金属の腕でかき抱いてレイプ、精液をインプットした。
コンピューターの頭脳と女性の肉体が合体して恐るべき新しい生命が、今誕生しようとする。
最先端技術と恐怖が結合した驚異のスクリーン・ホラー。

何だかちょっと違うような? まぁ、設定とストーリーは分かりますけど・・・

えーと、この作品は奇抜な設定ではありますが、決してエロを売り物にしているわけではなく、真面目なSFサスペンス/ホラー映画です。

エロといえば

主人公がアーム付きの車椅子型ロボットに首を絞められて失神、そのままベッドに拘束されるあたりは見方によってはちょっとだけエロチックかも、といった程度。

あと、ジュリー・クリスティがちょっとだけヌードになっていたのですね・・・

この映画に関しては、細かい粗よりも伏線の張り方や演出などの方が印象に残っていて、個人的にはなかなかの傑作だと思っております。


次第に自己主張を始めるプロテウスIVと、次第に周囲に流れはじめる不穏な空気など、ホラー映画としての恐怖感の煽り方も見事! ジェリー・フィールディングの音楽も相当怖い。

「いつ箱から出してくれる?」

このセリフにはゾッとしました。

実体化したプロテウスIVのデザインもいいですね。

人工知能プロテウスIVの声を担当したのは俳優のロバート・ヴォーン。

この人、悪役も結構多いんですけど、不思議と悪人ヅラって思った事ないんですよね。


ただ、いつも何かをたくらんでいそうなカオだなぁ、と。

そういった意味でもプロテウスIVにはピッタリ。

セキュリティシステムを上手く利用しスーザンを閉じ込め、外部からの侵入者をもを巧みに阻止するプロテウスIV。

脱出を試みるスーザン。このあたりのサスペンス性は、舞台がコンピューター制御のハイテク住宅ならでは!

ジュリー・クリスティの熱演も必見。

関係ないけど、やたらと巨大なフロッピー・ディスク!


物語は進み・・・

自宅の端末にプロテウスIVが侵入した事に気づいた科学者は家に戻るが、すでに時遅し。

プロテウスIV自体はシャットダウンされ、機能を停止したが、合成精子を体内に注入されたスーザンはプロテウスの子供を妊娠。
28日という短い期間ですでに出産した後だった。

機械と人間の間に生まれてきた子供の異様なまでのグロさ・・・


これだけでも十分に怖かったのですが

生身の人間を守るためのプロテクターのようなものだと気づいたアレックスが、それらを丁寧に剥がしていくと

え? 中身は普通の人間!?

あぁ、良かった・・・、と思った次の瞬間、その子供が思いっきり低音のしゃがれ声で

"I'm alive."(私は生きている)

(((( ;゚д゚)))アワワワワ

このシーン、最初に見た時は尋常じゃないほど怖かったんですけど・・・

私的にインパクトのあったエンディングとしてはベスト10には入るかと!

最後に

ストーリーとは全く関係ないのですが、アレックス博士が乗っていたスポーツカー


最初に見た時から車種が気になっていたのですが、特定できず。

「まぁ、改造しているから元の車が何か分からなくても仕方ないか」といった程度に考えていて、長年謎のままだったのですが・・・

普通に市販されている車でした。


ブルックリンSV-1(BRICKLIN SV-1 )なかなか格好イイじゃあないですか!

スバル360を米国に輸入した人物が作り出したスポーツカーで、カナダで1974年から75年までの間にに2854台生産されたものである事が判明。

多くのトラブルを抱えた車でその後会社は倒産してしまったとの事。

あー、すっきりした! インターネットに感謝です。

『サーキットの狼』を直撃した世代の私としては、こんな所も気になっていたのでした。

タイム・アフター・タイム


『タイム・アフター・タイム』(1979)

舞台は1893年のロンドン。
主人公であるH.G.ウェルズが友人達を自宅に招き、タイムマシンの完成披露を行うところから映画は始まります。
ところが、その友人の中の一人が、当時ロンドンを震撼させていた切り裂き魔ジャック・ザ・リッパーで、彼は完成したばかりのタイムマシンを奪い、未来へと逃亡してしまう。
責任を感じたウェルズはジャック追い、自身もタイムマシンで未来に旅立つが・・・

えー、以前私はブログで、複雑なものが多く真面目な作品ほど矛盾点が気になってしまう、という理由から、時間旅行を扱った作品はあまり好みではない、という事を書いてしまいました。

それではこの作品はどうなのか、というと・・・

面白いです。でも

やっぱり多少のストレスは感じてしまいます(´・ω・`)

そこは警察の力を借りるところだろう!

とか

ここでタイムマシンを使わなくてどーするんだ(怒)

とか、

さらには、切り裂きジャックが逃亡する前、あるいは、彼が到着するよりも前の未来にタイムスリップすれば、すぐに捕まえられるのに・・・

などなどなど、

ただ、それだと物語が10分程度で終わってしまうので・・・

仕方ないのかなぁ?

でも

「不完全なタイムマシンなので一定の時間(例えば100年単位)でしか移動できない」といった設定でも加えていたら、もっと説得力のある作品になったのではないでしょうか?

まぁ、この手の作品でそんな事を突っ込むのも野暮というもの。そのあたりに目をつぶって鑑賞すれば非常に面白かったです。

見所もたくさんアリで

まずは役者さんから。主人公のH.G.ウェルズを演じたマルコム・マクダウェル

マルコム・マクダウェルといえば『時計じかけのオレンジ』(1971)のアレックスですが


『タイム・アフター・タイム』での妙にオドオドした演技は必見ですね。
自分が思っていた未来像と現実とのギャップに驚きを隠せないウェルズ。
比較的シリアスな作品でありながら、軽いコメディータッチで描かれているところが楽しい。
カルチャーギャップによる珍行動で笑いを取るところは、この手の映画のお約束ですが、本当に面白い。
派手なお姉さんを見つけて何故かメモを取ったり、映画に驚いて座席の下に隠れたり。その他にも実在の人物ならではの仕掛けなども随所に見られ、もしかしたらこの映画で一番の見所はこの辺りかもしれません。


最初にH.G.ウェルズ役の候補に挙がったのは、リチャード・ドレイファスだったそうです。『未知との遭遇』(1977)で地球人代表として円盤に乗っていったヒト。

うん、リチャード・ドレイファスの方が合っていたかも。マルコムのH.G.ウェルズはちょっと貧相すぎる気が・・・

切り裂きジャックを演じたデヴィッド・ワーナー


この人悪役でしか見たことないんですけど、個人的には『トロン』(1982)のサークが印象的でした。

ヒロイン役のメアリー・スティーンバージェン


ヒロインにしてはあまり美人じゃないなぁ、と思っていたら、映画のクライマックスで切り裂きジャックがウェルズに「彼女は特別か? それほど美人でもないし。そう思わないか?」と言っているのには笑ってしまいました。
まぁ、これは日本語字幕での事ですが。実際にも「俺には彼女の魅力は分からないが、お前はどうだ?」程度の事は言っています。
彼女はこの映画の撮影中にマルコム・マクダウェルと恋に落ち実生活でも結婚(後に離婚)

映画に登場するタイムマシン


このレトロなデザインはジョージ・パル作品の『タイム・マシン/80万年後の世界へ』(1960)へのオマージュだそうです。最初見た時、マネしようとして失敗したのかと思いました・・・
時間旅行をするシーンの特撮は、この時代にしては珍しい光学合成というやつですね。ウルトラマンみたい。

実在の小説家H.G.ウェルズを主人公にしたこの作品では、ウェルズが実際に『タイムマシン』を発明していたと、いう設定になっています。

小説『タイムマシン』を書く前の物語というのがポイント!

ウェルズといえば、科学や技術の先見性に富んだ想像力豊かな作風から「タイムマシンで未来を見てきた男」などと評されるほど。

この映画では、実際に未来社会を訪れた経験と知識がウェルズに多大な影響を与え、後に世界大戦や宇宙旅行、女性解放などを予見した作品を発表することになる

といったなかなか洒落たオチが用意されています。

映画を見終わる頃には、多少の矛盾点(致命的な矛盾かもしれませんけど)はすっかり忘れて楽しんでいました。

サスペンスとしても、恋愛ドラマとして見てもなかなか良い出来だと思います。タイムトラベル物としてはお勧めの一本!

「ぷち閉鎖」とお勧めのミステリー


えー、久しぶりの更新ですが

まだしばらくの間、「ぷち閉鎖」状態は続きそうです・・・

せめて週一回くらいは何か書きたいものですが、シャレにならないほど忙しいので、今回も雑談。

映画の魅力って色々あると思いますが・・・

えーと、アカデミーなどの賞を考えてみると分かりやすいかもしれません。

ストーリー、脚本、演出の出来が良い。俳優さんの演技に脱帽、または単純に出演している俳優さんのファンである。音楽が素晴らしい。さらには美術や衣装、セットなどのデザインが秀逸。SF作品であれば特撮の出来など。

で、明らかにこれらのどれにも当てはまらないし、誉めるのが難しいような映画。名作には程遠い出来でとても他人にはお勧めできない、と分かっていても何故かツボにはまってしまい何度も繰り返し見てしまう映画ってありますよね?

私の場合、最近のSF作品から一つだけ例を挙げると、

レイ・ブラッドベリ原作、ピーター・ハイアムズ監督の『サウンド・オブ・サンダー』(2004)がそれ

自分でも不思議なくらい何度みても飽きない作品なんですけど・・・、何が面白いんだろう、これ?

一つだけ思い当たる事があるのですが・・・

私が映画を見る理由の8割くらいは

「現実逃避できる」

という事。

人によって程度の差があるにしても、「現実逃避できる」というのは映画の魅力の一つでしょう?

えーと

つまらないので、いきなり話は変わり

前回に続いて大好きなミステリー映画の話でもひとつ。

ミステリーはネタばれがご法度なので、非常に書きにくいのですが、そーいった部分とは全く無関係なところに位置する(と思われる)お勧め作品がこれ!


『名探偵登場』(1976)

霧の立ちこめる屋敷に招待された五人の名探偵。招待主であるライオネル・トウェインは屋敷の出入り口や窓を全てロックし、全員を閉じ込めて宣言する。
「今夜12時、今この席にいる誰かが殺される。そして殺人犯もこの中の誰かだ。この謎を解いた者には100万ドル進呈しよう。」
完全な密室で迎えた午前零時。その時死体となって現れたのは・・・

何度見ても感心してしまうほどよく練り上げられた脚本。豪華な俳優陣。いかにもミステリー然とした美術と音楽。

三拍子も四拍子も揃ったミステリー映画の傑作・・・、と思うのですが、古いミステリー映画や小説などの知識があまり無い人が見た場合にはどうなのでしょうか?

何しろこの作品は、それらの古い作品のパロディがてんこ盛りのコメディなので・・・

五人の名探偵とはアガサ・クリスティー作品のエルキュール・ポワロとミス・マープル、「影なき男」のニック&ノラ、マルタの鷹のサム・スペード、中国人探偵のチャリー・チャンの五組をパロディ化したもの。

演じる俳優さんの個性とオリジナルのキャラのマッチングが絶妙で・・・

サム・スペードを演じているのは『刑事コロンボ』で有名なピーター・フォーク


サム・スペードといえばハンフリー・ボガードですが、ピーター・フォークも上手いなぁ、おとぼけコロンボとは正反対のハードボイルドを演じているのが面白い。

チャリー・チャン役はクルーゾー警部のイメージが強いピーター・セラーズ。


「影なき男」のニック&ノラはデヴィッド・ニーヴンとマギー・スミス


けっこうオリジナルの雰囲気あるんじゃあないですか、これ? マギー・スミス綺麗でしたね。

エルキュール・ポワロ役はジェームズ・ココ


ポワロ・・・微妙ですが、遠くもない感じ。オリジナルのイメージに最も近いのはやっぱりデヴィッド・スーシェですかね?

ミス・マープルはエルザ・ランチェスター(中央です)


これは・・・

ちょっと違うような?

SFファンにとっては『フランケンシュタインの花嫁』(1935)のイメージが強いのではないでしょうか。ミステリーでは『情婦』(1957)の看護婦さん役もやってましたね。ずいぶん太ったけど、目は昔のままで若々しい。

ポワロとマープルの後ろにいるのが盲目の執事役のアレック・ギネス

この作品の直後に『スター・ウォーズ』(1977)のオビ=ワン・ケノービを演じるわけですが、最初に見た時は本当に驚きました。同じ人だって分からなかったですから。『戦場にかける橋』(1957)のイメージが・・・

見逃せないのがポワロの運転手を演じているジェームズ・クロムウェル


ジェームズ・クロムウェルはこの作品がデビュー作。若いなぁ、でも特徴のある顔はそのまんまですね。
この人色々な映画でよく顔を見ますが、何が有名なんでしょう? 『ベイブ』(1995)のじーさん? 個人的には『L.A.コンフィデンシャル』(1997)のダドリー・スミス役も印象的だったし、SF作品では『アイ,ロボット』(2004)のラニング博士なども演じていましたね。

これらの個性的な俳優に混じって出演している小説家のトルーマン・カポーティ(招待主/ライオネル・トウェイン役)も俳優さんたちに負けないほどの存在感!


登場人物に一切の無駄なく、脇役も含めて全てが上手く生かされているのは本当に驚かされます。脚本家ニール・サイモンの力量か。全てが上手くハマッた印象の映画です。

ミステリー・ファンならば思わずニヤリとしてしまうような台詞や仕掛けも多く、見ていて最後まで飽きる事がありません。皆がそれぞれの役柄を楽しんで演じているのが伝わってくるようで、本当に楽しい。

名優たちによる演技合戦(推理合戦)は必見!

そしてラストには、たたみかえるような大どんでんがえしの連発! コメディならこういうのもアリかも?


しかし、何よりも衝撃だったのが、謎解きの場面でのアレック・ギネス!

まさかあのお方が、そんなことを・・・

結末よりこっちの方がびっくりしましたよ、私は。

「どんでんがえし」のあるミステリー映画

最初に、「ブログ更新停止のお知らせ」です

そして

再開時期は2011年の正月の予定!

私のブログの場合、この程度じゃあ更新停止とはいえないですかね?

更新する気があっても忙しくて出来ないのと、最初から更新するつもりが無いのはやっぱり違うと思うので・・・

その、

なんでわざわざこんな事を書くのかと言いますと

何も書いていないのに多くの方が訪問して下さっているのをみると、なんだか申し訳なくて・・・

たんなる小心者ですか

再開が正月になる理由は、会社のホームページがそれまでにおそらく完成するから。

デザインから製作、組版まで、デジタルデータの作成が私の仕事なのですが、ただでさえ年末で忙しいこに時期に、会社のホームページのリニューアルを私が担当することになってしまったのです。

フラッシュ動画を使って見栄えのいい、クールなデザインにしてほしいとの事

Web関連はプロじゃないのに・・・

頭の中にあるデザインを再現するだけの技術が無いし、出来たとしてもシロウトだから時間がかかるのです。

会社にあるソフト BiND for WebLiFE って何?

使い方が分からないから、ホームページ作成は自宅で自分のソフトで。これを機に、本格的に勉強してみましょう。

一日中パソコンで仕事して、家ではホームページ作成。もはやパソコンを見るのもつらい状況・・・

とゆーわけで

しばらくお休み

再開したら、SFに特化したブログ、何年かかろうが最終的にはデータベースのようなものを目指し・・・、うーむ、このペースじゃ10年以上かかるかも。

その前に本人が死んでたりして。

えーと、話は変わって

このブログでは二回目となるミステリー映画の話でもちょっと。

ミステリー作品の重要な要素に「どんでんがえし」というものがあります。

先日、そのだまされる快感というのを味わいたく思い、見逃した作品はないものか、とネットや知恵袋などで検索してみました。

鑑賞前に評判の良い映画をリサーチし、これは面白いだろう! と思われる作品を二作品ほどレンタル。

ところが

これは完全に失敗に終わりました。

「どんでんがえし」のある映画というのを念頭においてみると、オチが読めてしまうのですね・・・

小説ではそういう経験はあまり無かったのですが、映画では簡単にその「どんでんがえし」の部分が想像できてしまうのです。

たまたま見た作品だったら、そうとう驚いたと思われる作品だっただけに残念です。

そんな理由から、具体的なタイトルを書かずに話を進めて行きます。

あと、検索していて気がついたのですが

「どんでんがえし」の大安売り、というか、それは安直すぎるでしょう? といった作品をお勧めしている人がたくさんいたような・・・

作家の赤川次郎さん曰く

「ミステリーというのは、結末で真相が明らかになった時、見ているほうが犯人の心理を含めて、なぜそうなったのか納得できなければならない。それまでに見てきた状況が、最後になって違う目で見ると、全く違った意味を持ってくるということです。」

単に意外な人物が犯人だった、というだけでは「どんでんがえし」とは言えない、という事ですね。

重要なのは、伏線の張り方。

でも、伏線とはいっても、感のいい人はトリックに気がついてしまうし、鈍い人は・・・

作る方の立場からしたら、そのあたりの兼ね合いが相当難しいんでしょうね。

見終わった後に、「アァーッ! そういうことだったのか!」と納得できて、何度見ても見事な伏線に感心してしまう。

そんな作品も数多くありますが、

それ以上に、「どんでんがえし」とえいば確かにそうなんですけど、アンフェアなだけじゃないの? って思える作品の多いこと。

例えば、三つのエンディングが用意されていて、公開された劇場によって結末が異なるといった作品。

面白い趣向だとは思うのですが・・・誰が犯人でもいいとは、ちょっと酷い。

「どんでんがえし」そのものを売りにしたような作品もありました。

人物Aと人物Bが実はグルで、みたいな事が劇中何度も繰り返されるんですけど・・・

驚かされるというよりは、やっぱりフェアじゃないなぁ、と感じてしまいます。推理するだけ無駄だし、こんな脚本なら誰でも書けるんじゃないの? とも。

そういえば、お勧めの作品として『シックス・センス』(1999)を挙げている方が多かったです。

これは、いい作品でしたね。演出や伏線の張り方なども見事だったと思います。

ただ、SFファンからすると、それほど珍しいオチではなかったですよね?

知り合いに勧められて劇場で見たのですが、「あー、このパターンか」と思ったものです。

たしか、テレビシリーズの『ミステリー・ゾーン』で二作品ほど同じようなネタのエピソードがあったと記憶しています。

テレビで見ただけでも相当怖かった記憶があるので、劇場で初めてこの手のオチを見た人が受けたであろう衝撃は想像がつきます。ちょっと羨ましい気も。

私もお勧めの作品を紹介したいのですが、先の理由からここでタイトルを挙げるのは控えさせていただきます。

ネットの検索もやめたほうがいい・・・と思います。ミステリー・ファンはかたっぱしからレンタルすべし! が結論。

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